「異世界プリズン」企画書#週刊少年マガジン原作大賞

キャッチコピー:

すべてを奪われた≪勇者≫が囚われたのは、脱獄不可能な≪異世界プリズン≫

あらすじ:

主人公のレイは騎士団長として王国を救った≪勇者≫であった。
しかし、ある時国王の暗殺事件が起き、それを防げなかった罪で終身刑を言い渡される。
 
レイが送られたのは、魔力が一切使えず、周囲を虚無の海に囲まれた監獄。
脱獄不可能な≪異世界プリズン≫だ。
 
かつて王国一の騎士とたたえられたレイも、魔力が使えないこの場所では無力である――はずだった。
だが、レイは魔力がなくても魔法が使える≪無魔力魔法≫の力に目覚める。
この力がレイに希望をもたらす。
 
自らの無実を晴らすため。
そして国王暗殺の罪を着せられ、冤罪で処刑されかけている王女シャーロットを救うため。
レイは≪異世界プリズン≫からの脱獄を決意する――
 

第1話のストーリー:

・騎士団長のレイは、王女シャーロットによる国王暗殺を防げなかった罪で、終身刑を言い渡される。
・レイは、凶悪犯のための監獄≪異世界プリズン≫に送られる。
・出迎えたのは看守長のダドリー。彼はかつて騎士団の入団試験でレイに負け、騎士になりそこなっていた。その後、落ちこぼれて看守になったダドリーであったが、異世界プリズンでは立場が逆転する。
ダドリー「勇者様も、監獄(ここ)では無力だ」
魔力を封じられたレイは、ダドリーになすすべなく殴られる。
異世界プリズンには魔力が存在しないため、魔法が使えない。勇者として名を馳せたレイも、魔法がなければダドリーには敵わない。
ダドリー「楽しみだな。ここには、お前のせいで臭い飯を食うことになったやつがうじゃうじゃいるからな」
レイは騎士として、数多くの犯罪者を捕まえ、この異世界プリズンに送ってきた。そのレイが逆に囚人になったとなれば、他の囚人たちが放っておくはずがない。
・ダドリーに連れられ房に向かう。その際中≪決闘≫について聞かされる。異世界プリズンで、囚人に認められた数少ない権利が≪決闘≫であった。お互いが合意したうえで戦う≪決闘≫であれば、相手を殺してしまっても罪には問われない。
ダドリー「最も、合意したかどうか調べるすべはないがな」
つまり房で襲われても誰も助けてはくれない。自分の身は自分で守るしかないのだ。
・レイの収容される房に着く。待っていた同房の男は、かつてレイが捕まえた犯罪者ゴイルだった。
・ダドリーが去ると、ゴイルは待っていましたとばかりにレイに左足の靴下を投げつける。それが監獄で決闘を挑むときの作法であった。そしてゴイルは有無を言わさずレイに殴りかかってくる。魔法が使えないレイは簡単に殴り飛ばされてしまう。さらに首を絞められ、殺されかけるレイだったが、そこで突然体に得体のしれない力を感じる。≪肉体強化≫の魔法を使ったときと同じ感覚を覚え、力がみなぎってくる。レイはそのままゴイルを殴り飛ばしてノックアウトする。レイは魔力がなくとも魔法が使える≪無魔力魔法≫の力に目覚めたのだ。

第2話以降のストーリー:
【2話】 
・ゴイルをノックアウトしたレイ。ダドリーがわざとらしく部屋に戻ってくるが、逆にノックアウトされたザックを見て驚く。
・ダドリーはレイを叱責するが、レイは床に転がった靴下を指さして「決闘の結果だ」と言い返す。「合意してない証明はできないだろ?」レイのことばに、ダドリーは歯ぎしりして、部屋から立ち去る。
・翌日。自由時間になり房を出るレイ。広場に行くと、そこにかつての部下ロイドの姿を発見する。彼もまた王宮での権力争い巻き込まれ、無実の罪で投獄されていた。
・レイはロイドに、ここにきた事情を話す。王女シャーロットが国王暗殺の罪を着せられ、それに巻き込まれる形でレイも監獄送りになったのだ。
・レイはロイドに、脱獄して、王女シャーロットを救う計画を打ち明ける。ロイドは不可能だと言うが、レイはある事実を打ち明ける。
レイ「異世界プリズンを作ったのは俺だからな」
レイはかつて異世界プリズンの建設任務に就いていた。だから監獄の構造を知り尽くしている。
異世界プリズンは≪ダンジョン≫の1階層を改造して作られたもので、2階層以降のダンジョンを攻略すれば、ボス部屋から外に出られることを明かす。
→二人は協力して脱獄することを目指す。
・最初の課題は、ダンジョンの2階層に行くための転移ゲートが封印されてしまっていることだった。封印を解くためには≪鍵≫が必要。レイはただのペンダントに見せかけた鍵を≪異世界プリズン≫に持ち込んだが、看守長のダドリーに没収されてしまっていた。
・レイはダドリーにペンダントを返すように直談判するが、当然聞き入れてはもらえない。それどころか、ダドリーはペンダントを他の囚人ザックに売り飛ばしてしまったという。
ダドリー「どうしても欲しければ、≪決闘≫で譲って(・・・)もらえ」
・レイが鍵を取り戻すためザックの元へと向かうと、ザックは≪怪力の指輪≫を首にぶら下げていた。通常囚人が所持できるものではないが、ダドリーがレイを貶めるために渡していたのだ。
ロイドは勝ち目がないと止めるが、レイはそれでもザックに決闘を挑む。

【3話】
・看守長ダドリー立ち合いの元、レイとザックは決闘をすることに。ザックはダドリーにペンダントを渡し、ダドリーは決闘の勝者がペンダントを手に入れることを宣言する。
・囚人たちがヤジを飛ばす中、二人の戦いが始まる。レイは無魔力魔法で身体強化をして立ち向かう。だが≪怪力の指輪≫で強化されたザックの方が力では上回っていた。パンチを受け止めきれず、レイは弾き飛ばされる。持ち前の身のこなしで対抗しようとするが、力の差で圧倒され、レイは馬乗りにされてしまう。1発、2発と殴られ、ここまでかと思ったが、次の瞬間レイは無魔力魔法で強化した頭突きを放ち、ザックの指輪を打ち砕く。レイは指輪による強化を失ったザックをそのまま殴り倒し、ノックアウト。勝利を収めるのであった。
・看守長ダドリーが拍手を送りながら近づいてくる。そして事前の取り決め通りペンダントをレイに渡そうとする。だが、次の瞬間ダドリーはペンダントを地面に叩きつける。ダンジョンに入るための唯一の鍵が目の前で壊され、絶望するレイ。ダドリーはそのまま高笑いしてその場を去っていく。

【4話】
・ダンジョンに入るための鍵を目の前で壊され、レイは絶望して膝から崩れ落ちる。レイは力なく鍵の残骸をかき集め、立ち上がる。そして囚人たちにあざけ笑われながら、自分の房へと戻っていく。
・後を追ってロイドが房に入ってくる。そこで一転、レイは笑顔を見せる。実は壊されたペンダントは単なる入れ物で、中に入っていた、剣の形をしたアクセサリーが本当の《鍵》だった。実はペンダントには、看守でないと解くことができない封印が施されていて、どのみちレイは自分では鍵を取り出すことができなかったのだ。ダドリーは知らずとレイに協力してしまったのである。
・二人はさっそく鍵を使ってみることにする。鍵を房の壁にかざすと、次の瞬間二人はダンジョン内に転移する。
レイ「この先に、外の世界が広がってるんだ」
・1週間後。房でレイとロイドは進捗を話し合う。夜と自由時間にひそかにダンジョンに潜り、攻略を続けるレイであったが、モンスターの数が多く、いまだに第二層の半ばまでしか攻略できていなかった。
・突然、看守が房にやってくる。面会者が来たという。レイは看守に連れられ面会室へ。待っていたのは現役の騎士で、直前までレイの部下であったクロエであった。レイはクロエから宮廷の情報を聞く。国王殺しの罪を着せられた王女シャーロットの処刑が決まったという。処刑は1か月後。レイに残された時間はわずかであった。
・房に戻るレイ。するとそこには看守と一人の獣人が待っていた。
レイは男を知っていた。名はダリル。かつてレイが討伐した盗賊団のボス。つまり、レイのせいでこの≪異世界プリズン≫に収容されることになった人物だった。
レイ「彼はなぜここに?」
看守「お前の新しいルームメイトだ」
 
【5話】
・ダリルは囚人でありながら、看守に気に入られ、警棒の携帯を許されていた。
看守「ダリル、あまり暴れるなよ?」
看守は笑いながらその場を去る。看守が消えると、ダリルはレイに警棒を突きつける。
ダリル「俺に少しでも逆らえば、容赦はしない。覚えておけ」
・3日後。レイとロイドは食堂で会議をする。レイはダリルが同室になったせいで、この3日まったくダンジョンに入れないでいた。
だが、レイはダリルを観察し、夕飯の後一時間は房に戻ってこないことを確認した。レイはそのわずかな間でダンジョンに潜ることにする。
・レイとロイドはダンジョンで順調にモンスターを倒していく。しかし、途中で多くのモンスターが出現。帰還に1時間以上の時間がかかってしまう。
・ダンジョンから帰ってきたところを、ちょうど房に戻ってきたダリルに目撃されてしまう。
ダリルは確認の意味を込めて、レイたちをダンジョン内に押し戻す。
ダンジョンを見渡して、ダリルはニヤリと笑う。
ダリル「脱獄ってわけか」
ダリルは警棒でロイドを殴りつけ、うずくまらせる。レイはダンジョン内に置いておいた剣を手に取り応戦する。
しばしの交戦。だがレイは手首を狙われて、剣を弾きとばされてしまう。
ダリル「さて、ダドリーはどんな懲罰を与えるかな」
・絶体絶命の二人。だが、レイはダリルに語り掛ける。
レイ「俺たちと一緒に外に出よう」
レイはダリルを脱獄の仲間に加えようとしていたのだ。ロイドは盗賊を仲間にはできないと言うが、レイはダリルが信用に足る男だと確信していた。
・レイは、ダリルが人間たちによって滅ぼされた獣人部族の族長で、盗賊団は彼が獣人たちを人間から守るために結成したものだったのだという事実を明かす。そしてダリルはこの異世界プリズンでも、立場の弱い獣人たちを守っていた。
・さらに、レイはダリルが信用に値するという証拠をもう一つ示す。
レイ「さっき俺は二か所の隙を見せた」そういいながら、首(急所)と手首を指出すレイ。ダリルが狙ったのは手首の方だった。「俺を殺すこともできたが、そうはしなかった」だからダリルは極悪人ではないのだと確信したのである。
レイ「俺と外に出れば、もっと多くの獣人たちを救える」
そう言ってレイは手を差し出す。
ダリルは、外で今も虐げられている獣人たちを思い浮かべる。
ダリルはレイの手を握り返すのだった。


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