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映画にあまり詳しくないオタクが好きな映画の話

好きな映画を応えるバトンを頂いたので応えていきたいと思います。映画の知識があまりにも乏しくて、映画をよく見てたのが中学生くらいの頃なのでそのくらいの知識で止まっているため古い作品ばっかりで申し訳ない…。


「禁じられた遊び」

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https://youtu.be/3z5ZoE8w5fE


画像は着色されてますけど、いわずと知れたモノクロ映画の名作ですね。

戦争で両親と愛犬を目の前で失った少女が、愛犬の死体を抱きながら歩いているところを少年とその家族に救われるんですが、11歳の少年と5歳のこの少女とは幼いながらも深い親交を交わしあっていきます。少女にはまだ”死“というものが何か理解できておらず、両親の死や愛犬の死を動かなくなってしまったとしか認識できない。そんな少女が愛犬のお墓を立ててあげたいと少年に乞い、二人はお墓がひとつでは犬も寂しかろうと様々なお墓を周囲に立てていくが、“死”をまだ深く理解することができない幼い埋葬ごっこは次第にエスカレートしてしまう…、というようなお話。

テーマ曲はかなり有名かとおもうんですが、この物悲しいギターの曲調の通り、ラストも少女のこの先の悲しい運命を思わせる胸の痛むような結末になっています。少年と少女の無邪気だけれど死者を冒涜するような畏れ多い行為と子供らしいあどけない交流が、愛らしいながらも奇妙な不気味さや二人が引き裂かれた際の痛切さを醸してます。二人の無邪気な交流風景が可愛らしいぶん、よりテーマ曲の物悲しさが沁みてしまうんですよね…。

反戦がテーマなこともあり、孤児の少女の行く末を思うと本当に胸の痛むラストなんですが、彼女が無事成長できた暁には少年と再会することができればいいなと願わずにいられない話です。


「寄宿舎/悲しみの天使」

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カトリック寄宿学校の寄宿舎へと入寮したばかりの美に惹かれる青年と、彼がミサで出会った美しい少年が、敬虔な学舎のなかで密かで特別な友情を交わしあうお話。

萩尾望都「トーマの心臓」や竹宮恵子の「風と木の詩」に代表されるようなギムナジウムものですが、萩尾先生と竹宮先生はこの映画をモチーフに上記の作品を執筆したんだとか。私、今回調べてて初めて知ったんですがね…。

温室で密会を重ねあうシーンや、血の契りを交わして特別な友情を結びあうシーン、悲恋に終わる結末の物悲しさなど、私も結構影響を受けたシーンが多くあります。ただでさえ「トーマの心臓」をバイブルにしてるので…。そういわれてみれば確かにこの映画をモチーフにしたんだなという箇所が随所に感じられますね、トーマは……。

ラストで愛を永遠のものにした少年と彼の愛を信じきることができず後悔する主人公の青年との対比が美しくて好きですね。


「コクリコ坂から」

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亡くなった船乗りの父を偲んで毎朝海から見える自宅の庭から旗をあげている少女が、自身が通う高校で近頃持ち上がっている問題である男子部活棟の取り壊しに伴った騒動に関わるうちに一人の少年と心惹かれ合うも、次第に彼の出生の秘密と自身の出生とが交わってゆくというストーリーです。

コクリコ坂、たまたまロードショーで見た際にあまりにも好きな傾向の作品で夢中になって見たんですね。それまで興味なかったのに。何が好きって、男子部活棟の取り壊し騒動をきっかけにそれまで交流のなかった者同士が結び付き合って仲良くなってゆく過程が大好きなんですよ。あと主人公の海ちゃんが自身の自宅でもあるコクリコ荘を切り盛りしている生活感や、そんながんばってる海ちゃんが心惹かれた相手とは結ばれることができないのでは…となった際にふっと見せる陰った表情の切なさとか。

あと私は結ばれる2人+1人みたいなこう、2人を見守る立場の親しい人間がいる人間関係の構図に弱いんですが、距離を縮めてゆく海ちゃんと風間くん、そしてその二人と親しい友情を結びながらもつかず離れずな距離感の水沼くんとの関係がとても好きなんですよね。3人で大人に直談判に行くシーンのかっこよさや足るやですよ。

二人の出生の秘密が交わりほどけてゆく流れも没入感があり、子供達が大人達の事情を知りまたひとつ精神性を向上させてゆく青春の一場面としてとても魅力的に映りますし、それを経てのラストの爽やかさが心地いい作品だなと思います。


「美女と野獣」

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公開時に劇場で見て感動した記憶。アニメ版も元々好きな作品でしたが、スクリーンで見たときの実写の感動はひとしおでした。

気になったきっかけは至極不純で、推してたキャラの声優さんが吹替えに出てると情報もらって見に行ったはずなのになぜか字幕版で見てしまい、アホなことしたな~という当時笑い話にもなってたエピソードなんかもあって思い出深いです。そんな失敗がありながらも作品自体が本当に素晴らしくてそんなことも忘れて楽しんでました。

実写版はアニメに比べてオリジナルの要素も多く、アニメにはない呪いをかけた魔女についてやベルの母についても深掘りされています。私は実写版でのこのオリジナル要素であるベルの母についての謎を野獣と一緒に解き明かすシーンがとても好きで、野獣とベルの心がより親密に繋がるきっかけとして、そしてベルとその家族の人物像をより魅力的で人間的に描いているところにものすごく惹かれました。

それと終盤の野獣とガストンの対決のシーン。それまでベルを失ったと思って意気消沈していた野獣のベル大好き感が溢れていて好きなんですよね。

アニメでも大好きな図書館のシーン、野獣の表情や反応もとてもいいですし、何より本好きの夢のような空間が広がる美しい光景には自分までもベルのようにはしゃいだ気持ちになってしまうのが本当に楽しい一場面だと思います。

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