SixTONESANNのこと

あぁ、ラジオの枠を一つ貰えたんだなあ。一報を聞いた時はその程度の感覚でいた。

オールナイトニッポンが長寿番組であることは私にもわかる。よくは知らないけれど、その枠をとても大事に想っているリスナーがいるらしい、ということもなんとな〜く知っていた。

SixTONESのANNが開始してすぐにリモートワークでの放送が始まった。毎週MCを務める樹ちゃんの苦労は相当なものだろう。しかし彼の頭の回転の速さや豊富なボキャブラリーによって番組は大きな事故なく展開されている。

白状すると、毎週聞いているわけではない。

自担である松村北斗の登場回以外はなんとなく文字でラジオの情報を追っている。基本的に耳から情報を仕入れるのがあまり得意ではないので、自担の回を頑張って聞いているというのが正直なところだ。

さて、昨日のSixTONESANNは毎週MCを務める田中樹と松村北斗による放送だった。

生きている時間の半分以上をジャニーズのオタクとして生きているので若い男性アイドルが夜中に2人でやるラジオと言うものがどんなものかは安易に想像できる。これは嫌味でもなんでもなくて、ただの経験値によるもの。

まさに昨日の放送は若いアイドルのそれだったと思う。軽い下ネタ、気心知れた仲だからこそのツッコミ、リアルなクレームや「お前」呼び。

全てはわたしもオタクとして通ってきた道であるし彼らも別のラジオをやってきたわけだから、ここまでで大きな問題は発生しない。アイドルたちが夜中にキャッキャ騒ぐことは微笑ましいことなのである。その間はなに…?軽い事故か…?と思うような謎の間は確かにあったけど、リモートでの収録を考慮すれば仕方のないレベルなのでジャニオタとしてのわたしはただ「好きなアイドルが喋ってるのを聞いてるオタク」として完璧なリスナー業をこなしていた。

しかし、わたしの考えが急カーブしたのは非営利おじさん(SixTONESANNのラジオジングルは毎週オーディションになっており、そのオーディションの選考委員が通称 非営利おじさん(ひえおじ)である)の一言。

『オフエアの理由は、かなりファン向けの理由だったからです』

この発言にぶん殴られた。

ことの発端は先週の放送のこと。これまでのジングルオーディションは毎週合格であり、ジングル界の風雲児とまで称されもてはやされていた松村北斗。その松村北斗のジングルがついに落選した。これは本人たちも放送で確認するスタイルのようで、翌日の彼のブログ(北斗學園)では反省やら悔しさがつらつらと綴られた。それはそれは想い(重い)のこもったブログだった。そして「ただ、落選理由と改善点は是非知りたいよ…?じゃなきゃ悪いとこ治せないからね…?」の一文。

あっ!そこは!あえて聞くんだ!?とびっくりしてしまったのだけど、もっとびっくりしたのは本当に翌週の放送中に非営利おじさんによるダメ出しが決行された。そんなラジオあるかよ!と生粋のジャニオタかつ共感性羞恥気味である私は(公開処刑マジやめて〜聞いてられない〜!)と泡を吹く寸前だったのだけど(でもほくちゃんが教えてほしいって言ったのが発端だし!一緒に聞いてあげなきゃ!)と謎の母性で立ち向かう羽目になる。「訳がわからなくて怖い」「何を言っているのか分からない」など割とダイレクトなダメ出しが続いて、この人達はこれが日常なんだろうか…日々こんな風に大人たちにダメ出しされながらステージで輝いているのだろうか…と思うと胸が苦しくなり、(やっぱり私は良いところをたくさん褒めるオタクでいよう!)と長年のオタクスタンスに更に気合を入れ直したりしていると、先ほどのコメントにたどり着く。

明確にぶった斬られてると思った。ひえおじには、私(オタク)が求めているようなものも、ほくちゃん(アイドル)の主要な仕事の一つであるオタクへの諸々の提供が通用しない。むしろそのどちらでもない「何か」を欲しているらしい。アイドルのラジオで!!!!????って思った。なんなら今でも思ってるけど。そして松村北斗自身がそうであることを思い出した。彼がそもそもANNのファンであるということを。そうだ、あの番組はパーソナリティ云々の前に番組にファンが付く番組だった。と言うことはオタク以外のリスナーも(たぶん)めちゃくちゃいっぱいいて、その中にはジャニーズの若手の新参者がうちの界隈にやってきた!くらいなリスナーもいるんだよなあ。

そんなことを考え始めたら急に聞こえてくるラジオに緊張感をトッピングしてしまった。これは果たしてオタク以外のリスナーが聴いて楽しめるものなのか?しかし大半のリスナーはオタクである可能性が大いにあるのでオタクと一般リスナーのみんなから愛されるラジオであってほしい。あわよくば毎週ハネまくってラジオからもSixTONESの熱を放って欲しいしラジオ出のスト担に出会ったりもしたい。そんなことをぐるぐると考えているとまあー色々と気になってくる。わたしはアイドルにダメ出ししたりすることも、ましてやそんなつもりは毛頭ないし、オタクの仕事はアイドルを愛でることだと信じてやまないタイプなのだが、なぜかどうしても「お前」というワードが引っかかってならない。別に悪いことなんかひとつもない。10年来で子供の頃からの付き合いで同じグループにいる24歳の男の子同士が夜中に「お前さー」と言ったところでなんの問題もないし、なんならお花畑のわたしの頭は(カーーーッ!ほくじゅり!夜中の男子の電話を盗み聞きしてる感!たまんねー!!!)となる訳だけど、果たしてこれは本当にANN向きだったのだろうか…???

なるほど確かに番組の合間合間に本人が本人の声でフルネームを名乗る瞬間は幾度もあった。しかし、だ。果たしてそれで声と名前を一致させられることが出来る人がどの程度あるのだろうか。例えば、その自己紹介のタイミングを逃してしまった上に声と名前が一致してないリスナーが途中からラジオを聴き始めたとする。するとどちらも名前を呼ぶことはなく「お前さー」「お前が」「お前は」のオンパレード。どっちがどっちかわからんわ!となったりしないのだろうか?私ならなるけど、ANNの熟練リスナーはそんなのへっちゃらなのだろうか?でも(この子面白いな…!名前知らんけど!)ってタイミングがもし訪れてしまったら?と思ったら急に悔しくなってきて、お互いが名前を呼ぶ瞬間を待っていたのだけど結局のところほぼ「お前」で片付いてしまった。これがオタク向けのラジオだったら何にも思わなかったのだけど、ほくちゃんのジングル落選理由が「ファン向け」だったのにもかかわらず本人達はめっちゃ「ファン向け」に喋ってませんかね…?とそのギャップを勝手に感じてしまった。でもまあ、まだ始まったばっかりのラジオだし、始まって早々リモートワークだし、周りの大人もそのうちなんか言うでしょ、ひえおじは一般リスナーを意識してるっぽいしさ!と思い大人たちにお任せしようと思っていた。ら!本日更新された北斗學園。

『反省と言えば…
放送終了後…
20分に渡る「田中樹×松村北斗 大反省会」
をテレビ通話にて開催しました』

!!!!??????????

わたしはッ…!!!ラジオの未来はおじさん達に任せておけば良いやと思った自分を責めた。いやむしろ恥じた。本人めちゃくちゃ前向きじゃん…反省会て…自粛中も早寝早起きするほくちゃんが放送終了後に樹ちゃんに電話して反省会て…久々に樹ちゃんと喋ったら楽しくなっちゃってもっと話したかったのかなって疑惑はイナメナイけれど「反省会」というワードが放送翌日提供されるこの世界にグッときた。やっぱりオタクが気を揉まなくても本人達はやるべきことやってるしもっと良くしようって気持ち持ってるんだなあって思うと胸を打たれてまた好きになってしまった。すぐ報告してくれるのもほくちゃんだなあと思う。思ってることや頑張ってることをわかりやすく伝えてくれるのでこちらも本人とのズレがかなり少ない状態で褒めたり感動したりできる。リアルタイムアイドル。

ほくちゃんはブログの終わりにこんな言葉を残している。

「全ての人に喜んでもらうことは不可能だけど、俺にしかできない誰かの為のラジオになるように試行錯誤していきます!!」

これに尽きる。気持ちを伝えてくれてありがとう。君が君らしく、そして君が誰よりもオールナイトニッポンを楽しいと思える日が早く来ると良いなあと思いながら、また君が来る回を楽しみに待ってるよ。

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