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ブブのながいはなし53

「♪タラリラララー」木の精はおもむろに歌いはじめました。「考え始めてしまったと思ったら歌えばいいさ」と言いながら歌い続けます。ブブは木の精の歌をなんとはなしに聴いていました。メロディが頭の中に入ってきてさっき考え始めたことはどこかへいってしまいました。「なんでもかんでも歌にのせて追い出せばいいのさ。そしたら身軽だろ。身軽になったらステップだって踏める。身軽さが重要なんだ」ブブはうなずきます。そして口笛を吹いてみようとします。でも全然音が出ません。鼻歌を歌おうとしてもどうやって音を出したらいいかわからなくなっています。ましてや声に出して歌うなんてさらに難しく感じます。「君は重症だったんだな」木の精は呆れながらも何やら考え始めるのでした。

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