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経営者のおしごと

ブラック企業という言葉が登場してから、ネット上では経営者と労働者の対立を頻繁に見かけるようになりました。「経営者は何かしら悪いことをしている」というイメージを持っている方も散見します。

私は(とても小さい組織ですが)経営側の立場にいるので、「経営=悪」という先入観を悲しく感じます。

経営者にとって会社は子供のようなものです。
確かに悪い経営者は存在しますが、それは「虐待する親」に置き換えて考えてもらうと分かりやすいと思います。

子供を育てる適性がなくても、子供の作り方を知っていれば親になれてしまう。会社も同様です。作り方を知っていれば社長になれます。
どちらも資格試験などないので、適性に関係なく本人次第でその役につけるのです。

ほとんどの親は子供の成長のために尽力しますよね。
経営者も同じです。ほとんどの経営者は、事業の継続と成長に真剣に取り組んでいます。

自分の子供を犯罪者にするつもりで育てる親がいないように、自分の会社で進んで不正しようという経営者はいません。一般的な子育てがニュースにならないように、一般的な実直な経営もニュースにはなりません。目にするのは悪い経営者の話題が多いので、人によっては「経営=悪」というイメージがついているのだと思います。

経営者の最も大切な役割は「事業を継続すること」です。

会社が倒産した場合、どれほどの人に影響が及ぶか考えたことはありますか?
顧客、従業員、従業員の家族、取引先。場合によっては取引先の従業員とその家族。大企業になると街の活気にまで影響します。

従業員の立場では、取引先の従業員の家族まで想像は出来ないかもしれません。勿論そこまで考える必要もありませんし。

経営者は、自分の判断がたくさんの人の生活を左右することを知っています。それが経営責任ということです。

経営者は失敗(判断ミス)が許されない重責を負っています。その重責に報酬が支払われているのです。

会社が大きければ大きいほど、関わる人の数も増え、経営の適切な判断が要求されます。これは経営責任が大きくなるということです。経営責任が大きくなれば、当然、報酬額も大きくなります。経営陣の報酬を従業員のそれと比較すること自体が無意味です。役割も立場も責任も、何もかも違うのですから。

従業員は経営者目線なんか持たなくていいと思います。そもそも経験がなければ、持つのは難しいですし。ただ経営者と従業員は「役割も立場も責任も何もかも違う」ということだけは知って頂きたいと思います。

お互いに立場を理解し合って、対立が少しでも緩和することを願っています。

最後に。会社の規模に関係なく、不正を働くメリットはほとんど無いと思います。危険を冒して数字を操作するよりも、真っ当な経営をして真っ当な会社として存続していく方が、楽ですし、長い目で見たら得です。
これは、まともな経営者なら当然の経営判断です。
*不正と節税は全く別の話です。