誰かを説得するということ
大切な友人が間違った選択をしかけていて、それを厳しい言葉で止めたせいで関係がギクシャクしてしまった。という話を聴きました。
誰かのためを思って嫌われる覚悟で忠告できるのは、とても素晴らしいことだと思います。
ですが彼女は、関係が壊れてしまいそうなことに心を痛めていました。同時に「どうして分かってくれないのだろう?」という疑問も持っていました。
若い時に「好き=無条件降伏」と錯覚しがちなのは仕方ないと思います。
複雑なものを受け入れる心の土壌が未完成なので「厳しいことを言う=嫌い」としか見えない。優しさにも種類があることが分からないと、分かりやすい優しさしか優しいと感じない。
分かりやすい優しさは単なる甘やかしの場合がありますし、厳しい言葉に本当の優しさが詰まっていることもあります。でも若い時からこれを見極めることが出来る人は、少ないかもしれません。
厳しさも優しさの1つだと教えてくれる人は少ないですし、厳しい人は厳しい事しか言わないので、それが優しさだと説明してくれません。
もし教えてもらっても、厳しい言葉への反発心から、素直に受け入れられないことが多いと思います。
そして、この話の場合、相手だけじゃなく「忠告した側もまだ未熟だから、分かりやすさを求めてしまってる」という盲点があります。
私も経験があるので分かります。
厳しいことを言って、それを受け入れてもらえなくて、落ち込んだり不愉快になったりするのは、すぐに思った通りの反応が欲しいからです。
言いたいことだけじゃなく「相手を思って心を鬼にして言った」ということも含めて、すぐに理解して納得して欲しいという未熟さが、こちらにもあるのです。
双方が若くまだ未熟で、互いに分かりやすさを求めているから、ギクシャクしてしまうのだと思います。
こういう状態に陥らないために、緊急でないなら「いつか分かってもらえたらいい」というスタンスに変えると楽になると思います。
他人を変える事は難しい
+
心配だから伝えておく
+
いつか分かってもらえたらいい
という気持ちで伝える。
これなら押し付けになりませんし、自分も気に病むことは減ると思います。
誰が何を言っても、決めるのは本人ですから。
もし後になって余計なことを言ってしまったと思ったら、それも伝えた方が良いです。様々なパターンがあるので一概には言えませんが、長く付き合って行きたい相手なら、その人を大切に思う気持ちは隠さない方が、仲良しでいられると思います。