千葉県立現代産業科学館:軌跡 -今振り返る6作品- 12K MEGASTAR-FUSION
千葉県立現代産業科学館では、夏休み期間限定で、大平さんのMEGASTAR FUSIONの作品が上映されます。今年は開館25周年記念とのことで、過去作品6本を再鑑賞できる贅沢企画です。(前期と後期で1作品の入れ替えがあります)
前期最終日に鑑賞して来ました。
その際にいくつか気付いたことがあるのでnoteに記録しておきます。
*大平さんの希望です。
【おみやげとミュージアムショップ】
数年前から何度も通っているのですが、初めてミュージアムショップの存在と、大平さんの作品がグッズ化されていることを知りました。
単純に「いろいろ、もったいない」と思いました。
特に「品数の少なさ」と「ショップの場所」が気になりました。
1.品数の少なさ
大平さん関連グッズで私の目に入ったのは、2種類のクリアファイルだけでした。上映作品のポスターのデザインが流用されていたので、大好きな作品のものを購入しました。
この件で率直な感想は2つ。
・グッズがあることをもっと宣伝すればいいのに
・選ぶ楽しみをもっと増やして欲しい
「大平さんの作品だから観に来た」という方々に、鑑賞の記念の品を買ってもらえばいいのになぁと。商売としてだけではなく、お客さんのために。
話が飛びますが、私は美術展に行った時には、好きになった絵に限定してポストカードを買うようにしています。10年位前からの習慣です。
鑑賞の記念の品を買うという行為は、選ぶのが楽しいだけでなく、鑑賞時の感動を忘れない効果もあります。
こちらは現代産業科学館で大平さんの作品を鑑賞した時に特典で頂いたものです。ポストカードコレクションに入れています。
今回、初めてミュージアムショップに入ったのですが、これが置いてなかったので少し驚きました。上映中の作品の印象的なカットのポストカードがあったら、毎年購入するのに。
それと、私はMEGASTARのキーホルダーが欲しいです。
*上記サイトより画像をお借りしました。
MEGASTARのデザインが可愛くて大好きです。ミニチュアになったら可愛さ倍増すると思います。機種によって形も色も違うので、全種類のキーホルダーが陳列されていたら目を引くでしょうし、選ぶのも楽しそう。
機種をイラスト化して並べたデザインのクリアファイルやノート、布製品も良いと思います。絶対に可愛いはず。
大平さんは独特なタッチのイラストも上手なので、そういうグッズがあっても良いかもしれません。
どれも腐るものではないので、大量ロットで作れば原価を抑えることができます。イベントの際に販売すればお客さんに喜ばれるのではないでしょうか。
グッズは自分の感動を持ち帰るだけでなく、近しい人への感動のおすそ分けにもなります。それはそのまま「口コミ」にもなります。
いろいろ、もったいないですよ!!
2.ミュージアムショップの場所
感動を持ち帰るためのグッズ購入は、感動した後の行動なので、ミュージアムショップは出口に向かう動線上に存在すべきです。
ところが現代産業科学館のミュージアムショップは動線とは反対側の奥にあります。意識的に探さないと見落としてしまいます。現に私は数年前から何度も行っていますが、今回まで全くその存在を知りませんでした。
*上記サイトより画像をお借りして、加工しました。
現在のミュージアムショップの位置は、青の矢印の場所です。休憩コーナーと併設していますが、休憩しない人は立ち寄らないですし、出入り口からは死角になっていて全く見えません。
黄色い線で表したのが、プラネタリウム鑑賞後の一般的な順路です。ミュージアムショップはこの動線に沿った位置になければ気付かれません。
私が考えた最適なミュージアムショップの場所を赤い☆で示しました。
出入りする時に目につき、出る時に必ず前を通る場所。ここ以外に考えられません。
キングコング西野さんが『体験×おみやげ』を重視していると仰っていますが、私はその感覚がとてもよく分かります。
体験は感動と言い換えることも出来ます。感動を持ち帰り、おすそ分けも出来るのが「おみやげ」です。
MEGASTARに感動した人が持ち帰り、おすそ分けする「おみやげ」は大平さんの作品のグッズであるべきと考えます。
ね!いろいろ、もったいないんですよ!!
【パンフレットについて】
こちらの鑑賞後、エントランスの椅子に腰かけて次の回を待っている時に、隣に親子連れが来ました。
小学校低学年ぽい女の子が、「わがままだよ!」とお母さんに怒られていました。どうやら女の子の希望で観に来たのに、プログラムの内容が難しくて途中で飽きてしまって怒られている感じでした。
この作品を簡単に説明すると「太陽系の他の惑星にワープして、その星から見える天体ショーや自然現象を鑑賞する」というものです。木星の衛星イオの火山、火星の青い夕焼け、土星の衛星エンケラドスから見える土星の様子など。私は大好きなプログラムですが、「地球から見る宇宙」を越えた内容なので、大人でも最低限の天文知識がないと難しいと思います。
「だって、よく分からなかったんだもん…」とションボリしている女の子に、お父さんが丁寧に「何が印象的だったか、何を見て何を感じたか」を聞き出そうとしていました。
お母さんは「分からなくても自分が感じたことを掘り下げるのが大事」というようなことを言っていました。
鑑賞前は女の子も楽しみにしてたことは想像に難くありません。それが怒られた悲しい記憶で終わるのは可哀想です。なので、どうすればこの女の子が救われるかを考えていて、分からないことが分かるようになるには、パンフレット(解説書)があればいいと思い至りました。
それがあれば女の子の理解も深まりますし、お母さんも怒ることなく女の子と対話が出来るのではないかと。
大平さんが作品で伝えたいことも確実に伝わるでしょうし。
問題は予算です。
解説はフルカラーでなければ分かりにくいと思うので、無料配布は難しい。でもパンフレットとして有料にすると、親に買ってもらえない子供は理解できないまま終わってしまう。
そこで、プログラムの内容を解説する特設サイトを用意して、チケットにQRコードを印刷すればいいのでは?と閃きました。
現在のシステムは、入場時にチケットを回収していますが、それをスタンプか穴あけ式にして、チケットを持ち帰られるようにすれば、観賞後にサイトをみて勉強できます。
*「スタッフさんの手間を増やさない」+「スタンプや穴あけの道具でQRコードを損傷させない」の両立は、『チケットのサイズを大きくする』か『小さいを道具を使う』で可能だと思います。四方のどこからもスタンプや穴が届かない場所にQRコードを印刷すれば解決です。
あの女の子は、内容が理解できなかったためにお母さんに叱られてしまいました。これは割と理不尽な話だと思いますが、他にもきっと同じような子供はいるでしょうし、大人でも理解しきれないままの人はいると思います。
「解説用のサイトを用意+QRコード配布」は最適解ではないでしょうか?
【余談】