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ロリコンに狙われていた話

子供の性被害について、私の経験を書きます。

小学1年生から5年生で転校するまでの数年間、週に1~2回通っていた習字塾の先生にされたことです。

5年生になってすぐ、周りの友達も気付くくらいに私にボディータッチが増えました。

二人羽織のように後ろから私を抱え込んで、私の手を持って筆を動かすお手本の回数がとても増えて、その時に耳に息をかけられたり、おへそを触られました。洋服の首から背中に手を入れられたりもしました。

姿勢が悪い時は30cm定規で軽く背中を叩かれましたが、ある時から私だけお尻を叩かれるようになりました。背中に定規を入れられて、背中を掻くように出し入れされたりもしました。

綺麗なふわふわの筆で、首や耳をくすぐられたりもしました。くすぐったくて笑うと先生は嬉しそうでした。

ボディータッチが増えたことに気付いた時は、「大人がふざけてるだけ」「私は皆より気に入られているから」と思い込もうとしましたが、気持ち悪さが消えませんでした。

引越しが決まって転校は嫌でしたが、習字をやめられるのが本当に嬉しかったのを覚えています。

引越しが決まってから、私は習字をサボりがちになりました。やめることが決まってるなら、わざわざ不快な思いをしに行く必要ないので。

2回に1回くらいのペースに落としたら、先生に「先生のこと嫌いなんだろ?」と怒られました。「最近、態度がおかしいもんな。先生は知ってるんだぞ」とも言われました。今なら怒るポイントのおかしさが分かりますが、当時は「休んだから怒られるのは仕方ない」と思っていました。

引越すために塾をやめることを伝えた時は、ものすごく引き止められて、なんとか通えないか、親に送り迎え頼めないのか、新しい住所はどこだ、としつこくされました。

習字には、友達とその妹と、私の妹の4人で通っていました。私に対する先生の異変に皆も気付いていたけれど、当時は「ロリコン」という存在を知らなかったので、誰も重大なことだとは思っていませんでした。だから大人に相談しようなんて思いもしなかった。
情報の大切さを痛感します。

どうしても行きたくなくて初めて習字を休む時に、母に「先生が嫌い」と話しました。その後は休むのを咎められなかったので、母は何か感じていたのかもしれません。

私が受けた被害は皆の前での行為だったので、あれは性的なイタズラなのか、お気に入りの女の子への悪ふざけなのか、今までよく分かりませんでした。5年生の4~6月という短期間で逃げられたので、当時は「あー気持ち悪かったぁ。おえー」位の感覚しかなかった。

大人になって「セクハラ」というものを知った時に、真っ先に「あれはセクハラだ」と思いましたが、ロリコンという概念と自分の記憶は全く結びついていませんでした。

今なら「5年生になってからボディータッチが増えたのは、私が性的嗜好のストライクゾーンに入ったからだろう」と分かります。

年齢への考慮が完全に抜けてたと思います。「子供に対してすることじゃない」という視点が抜けていました。"大人の悪ふざけ"と"子供の心の成長"が合っていないと、大人にそのつもりがなくてもセクハラになる。と結論付けて納得していました。
よく考えなくても、私の周りの男性は小5になりたての10歳の女児にあんなことしません。なのに私は加害者の気持ちを忖度して、自分の記憶を解釈していました。

こういう人は多いかもしれません。

今だから性的なポイントを狙われたと分かりますが、当時は何をされているか全く理解していませんでした。ベタベタされるのが気持ち悪かっただけです。

自分の体験が性的なイタズラに該当するか否かを子供が判断することは難しいかもしれません。また、「いつの間にか知ったこと(この場合はロリコンというもの)」と自分の体験を重ねて1人で考えることも難しいかもしれません。

子供達には「そういう大人がどこにいるか分からないから、不必要に体を触る人からはすぐに逃げていい」と教えてあげて欲しいと、心から願います。
余計なことは考えずに逃げていいと。そういう知識や基準を授業で教えてあげて欲しい。

それが社会の一律の基準になれば「大人がふざけてるだけ」「私は皆より気に入られてる」なんて、子供が大人の気持ちを忖度して重大な被害を受けることは減らせると思います。

子供の性被害は身近にあることを、少しでも多くの人に知って頂きたいです。この件について活動してる人を特別視するのではなく、全ての大人が身近な問題として考えなければならないと思います。

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この話をnoteに記録したのは、少女の頃に習い事の先生にレイプされた女性のブログを読んだのがキッカケでした。

「子供への性犯罪の加害者は、習い事の先生は盲点かもしれない」ということを教えるために、私の経験を書きました。習い事の先生が加害者になるという知識は、あまり定着してないような気がするので。

私の場合は遠い昔の話なので、こうして言葉に出来ますし、共有するために情報提供も出来ますが、今も誰にも言えなくて苦しんでる子供がいるかもしれません。
私程度の接触で、しかも遠い過去の出来事でも、自分に起きたことに気付いた時に強いショックを受けたので、もっと酷いことをされた子供の苦しさは人生を狂わせると思います。

性犯罪の被害に年齢は関係ありませんが、子供と大人では情報量に差があります。

男女の別なく、子供が被害に遭わないように「不必要に体を触る人からはすぐに逃げて、信頼できる大人に話しなさい」と教えてあげてください。