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闘う女子高生だった話

高1の夏休み明けから学年末まで、クラスメイトに無視されました。
きっかけは、同じクラスの子が上履きを隠されて困っていたので一緒に探したことです。見つからなくて、職員室からスリッパを借りてきてあげました。

教室に入ってその話をしたら、隠した子達が「いい子ぶって余計なことをするな」と怒りだしました。怒られる筋合いはないので「幼稚なことをするな」と反論しました。そのまま険悪になって、4対1の喧嘩に突入。

数日後、その子達に煽られて、クラス中の子が私を無視するようになりました。4人と喧嘩をしてる自覚はありましたが、クラスの全員に無視されるとは思ってなかったので、とても驚きましたし、何より悲しかった。
上履きを探してあげた子にも無視されて(´Д`) ウヘァでした。

初めての経験で戸惑いましたが、学校を休んでは相手の思う壺なので、毎日登校しました。

無視が始まって少し経ってから、4人に呼び出されました。私もここまでする理由を知りたかったので応じました。和解の期待も少し持っていました。

ですが、和解どころか、休まず登校してる私への鬱憤を晴らすための呼び出で、悪口を聴かされただけでした。散々な言われようでしたが、相手の言い分を整理すると、どうやら夏休み中に私への不快感が溜まっていたところに私が爆弾を落とした、という感じでした。

不快感については私不在の話でして、私には対処しようがない類のことでした。思春期にありがちな、恋愛関連の嫉妬のようなものです。

私が悪いのでしたら謝罪も出来ますが、どう考えても私に非があるとは思えず、モヤモヤしました。相手は和解する気が無いのは分かりましたし、私も非がないのに謝罪は絶対にしたくないしで、溝を深めただけの会談となりました。

それまでは毎日学校に行くのが憂鬱で、気持ちが常に萎んで沈んでいましたが、話をしたことで状況が分かって、対策を考える余裕が出来ました。

「何も悪くないのだから、堂々としていればいい。むしろ私はもっと怒ってもいいのでは?」と考えまして、私の方からクラスメイト全員を無視することにしました。そう決めたら気持ちが晴れて、平常心が戻りました。

無視するのは相手の自由。どう対応するかは私の自由。
もし卒業まで続いたとしても、たった数年のことです。中2の時に上京を決めていたので、そのための準備を整えることの方が重要でした。上京のためには絶対に高校を卒業しなければならないので、クラスメイトからの理不尽な無視程度のことに負けていられませんでした。

私も皆を完全無視するようになってからは、聞こえるように嫌味を言われる程度で、特に大きなトラブルはありませんでした。

2年に進級する際のクラス替えを機に無視は終りました。扇動した4人のうち2人と同じクラスになりましたが、新しいクラスメイトは画策に乗らない人達が多かったので、自然になくなりました。

次は2年生の話です。

高2になって無視が終りましたが、平和が戻ったのは一瞬でした。

今度は隣のクラスの全く知らない子から、彼氏を取られたという濡れ衣を着せられて、廊下ですれ違うたびにブスと言われるようになりました。

ある日、突然、隣のクラスの子が教室に入ってきて、大きな声で私の名前を呼びました。フルネーム呼び捨てです。何事かと思って顔をあげたら「ブスじゃん!なんでこんなのに!」といきなり罵声を浴びて驚きました。

何が起きたか全く分からなかったので、その子の友達に尋ねましたが「自分で考えなよ」と言われてしまって困惑しました。

困惑はしましたが、話し合いもなく一方的に暴言を吐くような人達に敬意は不要なので放置しました。

毎日すれ違いざまに浴びせられる暴言を解析して「どうやら私が彼氏を取ったと誤解されているようだ」ということが分かりました。でも私はその子の彼氏が誰か知りませんでした。当時、絶対にその子の彼氏じゃない人と付き合っていたので、完全に濡れ衣でした。

毎日ブスブス言われましたが、反撃するならその彼氏とやらを探し出して、本当に仲良くなればいいだけなので、私からは何もしませんでした。
そんな切り札を丸出しで攻撃してくる浅薄さと、「そのブスに彼氏取られたってことは・・・」ということに気付かない浅薄さに、同情すら感じました。

ブスの他に「性格悪い」と何回も言われましたが、お互い様では?としか思いませんでしたね。

この件はいつの間にか終っていました。そう言えば最近ブスって言われないなぁという感じでした。なぜ終ったのかは不明です。

卒業後、別の学校の友達から情報が入って全容が分かりました。
その子の彼氏(Aとします)は、取るどころか一度も会ったことがない人でした。数人の友達から「Aが会いたがってる」と何度か誘われて断ったことがありましたが、私には無関係の人でした。

多感な時期のこれを乗り越えたことで、トラブルへの耐性が出来たと思います。「どんな感情もいつか落ち着く」「どんな事もいつか終る」ということが分かったので、全くの無駄ではなかったと思っています。良い経験とは言えないけれど。

*私は高校時代の出来事を「闘う」と表現していますが、これは自分の負けそうな心との闘いのことです。他者をやっつけようと思ったことはありません。目の前の「出来事」にどう対処するか、ということです。