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落合さんが提案する「士農工商」のこと


日本再興戦略より
身分制度というと「格差や差別を助長する」という風に日本人は構えてしまいがちですが、必ずしもそうではないといいます。
例えばインドのカースト制度の中で生きる人たちに話を聞くと、「自由がなく不幸」なのではなくて、自身がどのような人生を歩んでいくのかがある程度見えていることからくる「安定と安心」を感じる人もいるのだそう。

私はこの本を読みました。

落合さんが言いたいのは、「適材適所と生息地の違いを理解しよう」ということです。今の有能な人の足を引っ張る風潮を変えるために、それぞれの仕事を区分けして考えようということです。

身分に差をつけるのではなく、それぞれのプロフェッショナルを尊重するための「イメージ」として『士農工商』という言葉を使っているだけです。本書を読めばすぐに分かります。

これを本気で「落合さんが身分制度復活を望んでいる」と読むのは、読解力が不足していると感じます。

私達は学校で『身分制度=悪』と習っているので、士農工商という言葉に不快感を覚えるのは分かります。言葉選びは良くなかったのかもしれないですね。

ですが、前後の文脈を無視して、言葉だけを切り取って脊髄反射するのは、いかがなものかと存じます。理知的に読み解く冷静さが欲しいと感じます。

Twitterでは飛躍して被差別階級の話まで出てきています。落合さんは一度もそんなことは言っていません。落合さんが使っていない言葉を持ち出して批判するのは、非常におかしな話です。

この風潮は本気で変えて行かなければならないと思います。


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