都内散策の記録:カメラ博物館と落合さんの個展『情念との反芻』(2019.10.01)
10月初めの散策は、銀座のライカで開催中の落合さんの個展に伺うことにしました。
落合さんの作品は、普段の生活では体験できない非日常的な刺激を受けるので、いろいろあって疲れが溜まった今の私に最適だと思いました。頭の中がスッキリしそうで。
せっかくなので、以前から気になっていた「日本カメラ博物館」に寄って、皇居周辺をお散歩しながら銀座(有楽町)に向かって、落合さんの作品を鑑賞することにしました。
カメラつながりの良い趣向だと思えましたし。
このツイート後、とんでもない展示を見つけました。
*画像はカメラ博物館で頂いたパンフレットを撮影したものです。これが展示されています。
試作機なので25台しか作らなかったそうで、2018年にはウィーンのオークションで3億1,500万円で落札されたこともあるそうです。オリジナルコンディションのものは3台しか現存してないとのことなので、カメラ博物館所蔵のものは修理で部品が変えられている可能性はありますが、それでも25台しか作られなかった大正時代のカメラが目の前にあるのは感動しました。
しかもカメラ博物館所蔵のこちらの個体は、まさかの「寄贈品」とのこと。
館内にあった「JCll NEWS」という刊行物の10月号に、寄贈の経緯がありました。面白かったので興味のある方は是非(о´∀`о)
館内は撮影禁止だったので画像はありませんが、特別展の「カメラものしり展」では、半分にカットされたカメラが展示されていて、内部の断面が見れたりして勉強になりました。
皇居に沿って散策しながら、落合さんの個展へ向かいます。
高さも怖いし、柵の華奢さも怖いし。間違って寄り掛かったら落ちそう。
嫌な想像が膨らんで近づけない(´;ω;`)
柵は怖かったのですが草花が楽しい道でした。
ツイートの画像はピンボケでしたね。眩しくてよく確認できませんでした。
↓こちらもお堀に咲いていた彼岸花です。
彼岸花もとても好きですが、田んぼのあぜ道に咲いてる印象が強いので、こんな都心で見かけて驚きました。
樹皮が脈になっていて興味深い。
とは言っても、
誰も攻め込まないからいいだろう、という問題ではありませんよ。
怖いんですよ、本当に…
この木を見た瞬間に、
わぁ(。◕ω◕。)
となりまして、頑張って怖い柵に近づいて撮影しました。とても魅力的な樹木でした。
この時は眩しくてよく見えませんでしたが、描かれているのは「柳」じゃんね!
調べるまでもない。
絵に描かれている樹木はコレじゃない。
以上!
ちなみに、調べるために撮影した説明看板はこちらです↓
繰り返します。
調べるまでもない。
井戸の木はコレじゃない。
以上!
やや外側に傾いている華奢な柵、怖いんだけど…
管轄は宮内庁?(提案準備
まさに、根こそぎ。
ずっと柵は怖いけど、見える景色は
皇居周辺には沢山ありますが、街中で柳を見る機会はかなり減ったと感じます。子供の頃はもっと身近な樹木だったと思うのですが。幽霊を連想して怖いから減っちゃったのかなぁ。
これには大平さんも含めた皆からの賛同を得ましたw
柳に潜って遊んでいたら、5か所ほど刺されてました。
こんな感じでのんびりお散歩してたら、いつの間にか夕焼けの時間。
落合さんの個展に伺うために銀座(有楽町)に向かいました。
Googleマップでは何度も前を通っているはずなのに、見つからなくて困惑。
みゆき通りを行ったり来たりして、
何度この前を通ったか…看板が上品すぎ(´;ω;`)
だって、
通りから見える店内には落合さんの作品が見当たらないし、会場の案内も見つけられなくて困惑。
疲れたのでとりあえず糖分を補給しようと考えて、持っていたカフェオレを飲んだ瞬間に、「スマホで調べればいいじゃん!」と思い出しました。
会場付近には案内があると思い込んでいたために、いつでもどこでも自分で調べられる文明の利器を持参してることを失念していました。
「銀座ダンジョン攻略目前!コマンド2、発動!」というツイートです。
ところが、
さっきまで柳の下で蚊の餌食になったり、スッポンと心を通わせたり、銀座ダンジョンで途方に暮れたりと、小学5年生男子的な時間を過ごしていたので、現れた空間の違いに戸惑ってしまいました。
扉を開けたら警報が鳴るんじゃないかと不安すら感じたよね…
想定外のアウェイ空間だったので、脳内ではかなり怯みましたが、顔に出さずに入れる程度には大人なので大丈夫です。
廊下の作品は、意図的な「画像おそろい」のような気がしてなりません。落合さんの遊びを感じました(о´∀`о)
上記の個展のサイトから画像をお借りします。
『複製画の村の少女』
ネットで個展開催の記事を見た時に、こちらの作品に強く惹かれました。
溶け合った豊かな色彩と、ぐるりと囲むダークな色合いのコントラストの中に、女の子の白いワンピースが浮かび上がっていて、落合さんは「色」を楽しんでいる作品かなぁと思いました。
しばらく眺めていて、女の子の右隣に映っているものが「バラの花」だと気付いた時に、大げさではなく体に電気が走りました。ピントがすごい!!ピントと光の使い方で遠近感を狂わせてる!!前後の位置関係が分からなくなるまで色を溶かしてる!!すごい!!
パソコンのモニター越しでここまで楽しめたので、実物をどうしても観たくて個展に伺ったのです。
実物は全く予想していなかった大きさの作品でした。とても大きかった!
すぐに感じたのは、「この作品の中の"物質"は少女だけ」ということです。もっと言うと、少女が着ているワンピースだけ。
平面の中に、少女だけが立体で存在しているというか。
物質の色が溶け合っているのではなく、もっと本質的な「光」の溶け合いを感じました。色はもともと光が見せるものなので、軸を「光」に持って行くと遠近感はなくなるのかもしれない、という新たな思考の課題ができました。モニター越しに観た時と同様に、バラの距離感が不思議で不思議で。
落合さんの作品は頭がフル回転するので大好きです。
『湿った光に絡みつく情念と自然』
こちらは見る角度によって表情が変わる面白い作品でした。
実物はモニターで見るよりももっともっと幻想的です。向こう側に温度を感じて、「幸せなばかりではないけれど、悪くない場所」があるような感じ。これが落合さんの「情念」かなぁと思いました。
私は正面から見た時より、作品に近づいて横から斜めに見た時の方が奥行きを感じて、「向こう側に行きたい」という気持ちが強まりました。きっと光の面積が小さくなって明るさが増すような錯覚が起きるのではないかと思います。
それと…
☟本質的には同じだから(´;ω;`)
『桟橋の記憶』
こちらは水面がすごかった(語彙力なくしました
〇で囲んだ辺り。伝えられなくてもどかしい!!
もどかしすぎて作品に釘付けになりました。なのでこの作品の感想だけツイートしたのです。このツイートは頑張って言語化を試みた形跡です。
どう表現したら皆に伝わるか、私の頭がスッキリするかをずっと考えていますが、未だに上手い表現が見つからない。めちゃめちゃ反芻中です。落合さんの思うツボ。
光が溶けて海水に「とろみ」を感じるし、すごくいい感じに物質が反射してて海に墨で波の線を描いたように見えるんです。
…実物を観に行ってください(´;ω;`)
全作品が撮影禁止だと思って一枚も撮らなかったのですが、どうやら勘違いだったみたい。悔やまれます。
立体作品のウツボっぽさとか撮りたかったー!残念。
機械的なのになんとなく思考してるような雰囲気があって、でも実際のウツボは何も考えてない怖さを感じる生物なので、いろいろ捻じれてて面白かったのですが、画像がないと伝えられる自信がありません。
(…視覚の情報に頼りすぎかも。新たな課題を発見…)
私も写真を撮るのが好きなので「良いカメラ欲」が刺激されてしまいました。
でも、知っています。
「レンズ沼」があることを。
荷物の軽量化のためと自分に言い聞かせて、私は「スマホ縛り」を続けることにします。カメラ好きに囲まれている環境なので、沼に落ちないように慎重に生きなければw
さて。時間的にも体力的にももう少し遊べそうだったので、有楽町から東京駅まで歩くことにしました。
2012年10月に復元された東京駅。
この計画を考えた方はどなた?素晴らしすぎ!!お菓子を送りたい!!
日本の首都名を冠した駅の駅舎がこの造形で本当に嬉しいです。
椅子があったら一日中ここで過ごせますね。ずっと眺めていられる。
…だから椅子が無いのですね、きっと。
東京駅のスタンプは駅舎だと思っていたので、ちょっとビックリw
これを書いている今現在も、頭をフル回転しながら情念の反芻中です。