「中原くんと宮田部長」

おっさんずラブがヒットしたあと、BLという名が世に知れたように思う。わたしも、テレビの特集で知った。
BLの魅力は?とインタビューされた子が
「自分が介入しない」と言っていたのが印象に残った。

なんとなく読み始めた「中原くんと宮田部長」は、わたしにとって初めてのBL漫画だった。イケメン中原が調理部の宮田に一目惚れしてグイグイいく話で、とてもおもしろくてすぐにハマった。会話のテンポやギャグセンスが良い。
Xやpixivで知った作者のやぎり茂先生のお人柄は、とても穏やか。登場人物のあたたかさや優しい言葉遣いにとあらわれている。

1巻はまっすぐ過ぎる中原のぶっとびっぷりに笑い、2巻ではふたりの縮まりそうで縮まらない関係にそわそわ、3巻で宮田の気持ちにジーンとくる。笑い、ときめき、涙する。宮田とその友人の加地の関係も、のちに始まる加地と宮田弟コースケの物語もすごく良い。
めくるめく彼らの日常は、
「アホっぽいラブコメだけどBLだけではなく、彼らが人として成長していく話なので、長い」とやぎり先生が言うように、丁寧にゆっくりと描かれていく。
(本気で終わらないでほしいのでもっっとゆっくりでもありがたいし、大学編、社会人編と続いてほしい。絶対に。)

やぎり茂先生が以前、この4人で彼氏にするなら?とアンケートをとっていたが、自分の彼氏にするのは想像つかなかった。わたしの憧れや理想なんぞはいい、ひたすら彼らを、彼らの紡ぐ愛を見守りたい。
これはアレだ、「自分が介入しない」!
インタビューで耳にして以来気になっていたこれを、しっくりと体感できた嬉しさが、またわたしを盛り上げた。

男らしいとか女らしいとか、性別が入る言葉って差別的であまり使いたくないのだけど、
宮田部長は、男前。
顔かわいくて穏やかで言葉遣いも優しくて料理上手で、めちゃくちゃ男前。

宮田のかっこよさを表す言葉は他にないかとページをめくりながら考えるうち、その魅力に更にどっぷりとハマっていくのだった。

LINEマンガで毎週火曜日に更新されている「中原くんと宮田部長」。
毎週待ち遠しくて堪らなくて0時まで起きているため、わたしにとっては月曜夜更新だし、週の始まりは火曜日。
生活の基盤となっている。

昔から寝付きが悪くて、ふとんに入って眠るまでの時間が苦手だった。
それが今は、じっくりと彼らを想う好きな時間になった。

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