スリー・ビルボード
アメリカの片田舎で娘をレイプされ焼き殺された母親は、その悲しみと9ヶ月経っても一向に事件の解決の兆しを見出せない警察へ不信感を募らせ、事件現場にもなった町の外れの3枚の広告板(スリー・ビルボード)にメッセージを貼り出す。
典型的なローカル映画で、そういうシナリオが好きな人には間違いなく満足できる作品だった。(ローカル映画は勝手な造語で、脚本家や監督が隠した意図や登場人物が持つ文化や歴史、問題といった部分を知っていればいるほど楽しめる類の作品の事)こういった作品は爽快に終わる作品は少なくて、観客に色んなものを投げかけ問いかけて終わっていく事が多いんだけど、この作品も例に漏れずそうだった。様々な立場の人物が登場するので、観る人によって受け止め方が変わるであろう作品。もし自分の立場が劇的に変わったらもう一度観てみたい。
それにしてもこういう映画は聖書からの引用が用いられていたり、音楽や頻繁に登場するシーンの背景に映るものなんかに別の意味が持たせてあったりして、それを教えてくれる記事や解説なんかでもう一度楽しめてしまうのが面白いと同時に、ネイティヴでなければ自分では永遠に気づけないものがたくさんあったりしてちょっと悲しくなる。
7.5点
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