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海と山の境目

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@@@雨音への想い@@@隆志への助言@@@
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#雨音

エピローグ

冬の富士の眺めの中で 穏やかな気持ちになったら この本の言葉たちを 覗いてみてください。 …

あとがき

始発駅から夢見心地。気づくと人が入れ替わり、気づくと周りに人がいませんでした。眠っている…

【海と山の境目】 第12話 ほんとうの光

揺れる車に寝そべりながら、隆志の頭の中はグルグル廻っていた。 筒状の物体が分裂し、一気に…

【海と山の境目】 第11話 雨音(amane)の流れ

背中から抱きしめたら、驚かせてしまう。それに、背中だけを見つめていれば、泣いても驚かせな…

【海と山の境目】 第10話 シンプルな強さ

どうしても納得がいかない、理不尽なアクシデントが、隆志に起こってしまった。過去に勤めてい…

【海と山の境目】 第9話 コーラを飲んだピエロ

幼い頃の隆志の文集に書いてあった1行に、みんなに笑われるようになりたい、と記されていた。…

【海と山の境目】 第8話 透明な羽根

若い人たちに絵を描くことや、彫刻の創り方などを教える立場にあった隆志は、幼子の傷をさすりながら、羽根がはえると教え、悟られぬように泣きじゃくり、腫れあがった両目を押さえている若者には、うしろを見ながら歩けないことを教えた。手に取れないぬくもりは、透きとおり、若い心の傷跡を癒し、染み渡ると信じていた。 音楽のリーダーである指揮者であっても、曲の中にある空間を捉え、雲を掴むように動き、リズムの中を漂っている風を立体的に読み、雨の流れに浸透するような音を、観客に魅せる。振り抜く強

【海と山の境目】 第7話 コンセントの曲がり角

まぶたの裏の模様を描くように、奥行きを創造する流れに沿った曲線を描きたかった。その絵の具…

【海と山の境目】 第6話 壊れた氷

隆志は、顔に大きな傷跡を負う前、数人の同級生たちから、ひどいイジメを受けていた。ただただ…