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第142回 オーバー兼務 の巻


この頃の道真は民部省(現在の財務省)トップという激務に加え、忙しい役職をいくつも兼任していました。 宇多帝の道真への信任ぶりが伺えます。

当時の公文書に書かれた道真の署名を見ると、マンガに描いたようなトンデモなく長い肩書になっています。

「春宮…」は皇太子の家庭教師のようなもの。

そして「侍従」は宇多帝のお相手役。側に侍り、政治だけでなく詩歌や学問、遊びの相手までナンデモカンデモを担当しました。実際に、次回『罪人を赦(ゆる)す の巻』でも描きますが宇多帝の代理として、役職外の仕事まで道真が遂行することもありました。

ちなみに、この時まで道真の肩書に「遣唐使」が残っています。これは遣唐使は廃止されておらず、建前上「延期」だったことによるものです。

私たちは学校で「遣唐使廃止」と習いますが、実際は最後まで「廃止」された事実はなく、延期しているうちに唐が滅亡したというのが実情です。

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