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第46回 紙のお礼に の巻

平安時代の紙はとっても高価で貴重。でんチャン、紙を切らせてしまってお隣さんに借りることにしました・・・。

今回のお話は珍しく島田忠臣(でんチャン)の文集『田氏家集』から。

昔から筆・硯(すずり)・墨そして紙の4つを「文房四宝(ぶんぼうしほう)」と言われるほど紙は貴重。

うっかり紙を切らした忠臣が、湧き出てくる詩を書き留めたくってお隣さんに紙を借りに行ったというほのぼのしたお話。

実際の詩(5コマ目)のマンガ風に意訳してみると…。

『お隣さんから紙とお手紙いただいたよ!のまっき!』

「49枚の紙、ありがとう!感謝感謝  その上、お手紙までくださって。 いただいた紙は薄くて軽いけど、このご恩はチョー分厚いです! ましてやこの心温まるお手紙は千金の価値がありますよ!」

『日本漢詩集』収録 『田氏家集』より


これ、「49枚」ってとこがミソで、お隣さんは50枚を用意してくれたんだけど、そのうちの1枚をお隣さんが手紙に使ったので、忠臣に届いたのは「49枚」になっているってこと。

忠臣も忠臣で、「紙たくさん、ありがとう!」でいいのに、わざわざ1枚1枚すべて数えて「49枚ありがとう」って几帳面にお礼言ってるのがなんとも面白いですね。


みちざねマンガ第一部はキリのいい50回でいったん終了の予定でした。 が、終盤の1話をボツにしてしまったため、空白ができてしまいました。 このお話みたいに「49話」で終わるのもキリが悪いので、島田忠臣の文集からエピソードをひとつ、急遽追加したという次第です。

このあとはいよいよ国家試験直前のお話→国家試験→合格まで。 そこでいったん「みちざねマンガ」第一部は終了です。


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