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煙管雑記・第一回(12月7日):  「こういうのでいいんだよラーメン」MacBaren Pure

初めに

 このページを開いていただき、ありがとうございます。この「煙管雑記」は、煙管喫煙の美味しさ・楽しさ・楽しみ方を紹介するための記事です。
 本文は主に次の三つから成ります。
 ①煙管本体の紹介
 ②煙管で吸える煙草銘柄のレビュー
 ③煙草日記・煙草の献立紹介

 このうち、①と②は数が貯まりましたら別稿にまとめていきます。
 ③は、記事を書いた日の時点で、小分けしてポットに移してある銘柄の組み合わせを紹介するものです。
(※これは私の管理方法で、常時2~4銘柄を数gずつパッケージや缶からポットに分け、数日で消化します。消化したポットから順に、おかわりしたり別の銘柄に変えていきます)


 実のところ、私は煙管喫煙半年のにわかです。それまではここ数年、リトルシガーを吸っていました。手巻きにも手を出してみたことがありますが、どうも続きませんでした。しかしこの夏、ふとした気まぐれから煙管に手を出してみて、ずぶずぶと沼にはまっています。正直、感動しました。喫煙歴は長いですが、もっと早くこの味を知りたかった。
 ……というわけで、まだ煙管を知らない誰かにこの快楽を伝えたい! と思い立ち、noteを始めることにしました。
 いやnoteかよ! せめて一般ブログにしろよ! と言われそうですね。検索にかからないもんね。
 ま、今どきは手巻き系You tuberがぞろぞろいますし、煙管・パイプ系の動画も増えてます。布教活動はそちらにお任せすればいいかなと。
 実のところ、あんまり喫煙の愉しみが広まって欲しくはないという気持ちもあります、おいおい。急に愛好者が増えて、欲しい銘柄の入手が困難になっても困りますしね。現状でも供給がそれほど安定してるわけじゃないですし。たどり着くことができた人だけ味わえる快楽、極楽、それでいいじゃん、と思ってます。
 煙草が悪魔のごとく嫌われるこのご時世に、少し抗いたいという気持ちもあり。ひっそりと世界の片隅で煙管の愉しみを書き綴っていきます。

MacBaren pure

 第一回のお題は、MacBaren社のシャグ(手巻き用煙草)の旗艦銘柄、MacBaren pureです。
 「小粋」とか「松風」じゃないんかーい! と思われるのはごもっともです。自分でもちょっと迷いました。煙管関係の記事は、どこも「小粋」から始まるのが通例ですから。「小粋」抜きには現代煙管事情は語れない、それには全く同意です。
 ……でも残念ながら、いま小粋は開けてないんですよね。ストックにはあるんですけど。 
 ですが。MacBaren pureはとても煙管向きなタバコなのです。煙管用に製造された刻み煙草以外ではNO.1銘柄! だと自信を持っておすすめします。

 まずはパウチ外観から。はい、いたって普通のシャグパウチです。2022年12月現在、40gで840円、g単価21円です。
 デザインはAmsterdamerとほぼ同じですね(AmsterdamerもMacBaren社のブランドです)。パウチだけだと寂しいのでにぎやかしに煙管も。

 葉の様子。正直、葉の写真を見たからどうなんだ、というのはあるんですけど、煙草ブログのお約束ですし。それに、実用性がないわけではありません。特に煙管で吸う場合、刻みの細さは煙管喫煙に適しているかどうかの判断基準にはなります。…ま、太い刻みだろうと結局は吸ってしまうんですけどね。MacBarenは、刻み幅 0.3 mm以下、日本の刻み煙草の規格を一応クリアする細さです。乾燥気味です。湿度計ないから体感ですけど、55%以下。かなり乾いています。
 ※MacBaren社の製品に共通していえることですが、加湿は不要です。パウチされている湿度のままか、それから少し乾燥したくらいが一番美味しく吸えると思います。

  いわゆる無添加タバコで、MacBaren社の説明によると、水以外一切の添加物を使用していない、とのことです。保湿剤も入っていませんので、パウチから小分けしてポットに出すと乾燥するのが早い早い。
 ※着香されていたり保存剤が入っていたりするとヤニが増えますので、こういう無添加系は基本的に煙管向きです。

 葉の構成について、以下MacBaren社にあった銘柄の解説とそれを訳したものを載せておきます。
 Mac Baren Pure Tobacco is an additive free tobacco blend based on carefully selected Virginia tobaccos from Latin America.

"Mac Baren Pure Tobacco は ラテンアメリカ産の慎重に選別されたバージニア葉をベースにした添加物フリーのタバコブレンドです"
 
 訳すほどのものでもないですが、わざわざ載せたのは…。以前にMacBarenPureはバージニア葉オンリーで構成されているかのように読める記述を見たことがあるからなんですね。吸ってる感じ、ブレンドなんじゃないかなあ? と疑問に思っていたので、今回記事作成のために確認しました。  やはりこれはブレンドでしたね。バーレー葉と、もしかするとキャベンディッシュも少量入ってるかもしれません。(てきとーです。パイプタバコのMacbaren mixtureとベースの方向性が似ているのでそうじゃないかなと思っただけです)

「こういうのでいいんだよラーメン」的な!

 肝心のお味についての寸評です。MacBaren pureをズバっと一言で評価するなら、これにつきます。
 「こういうのでいいんだよ」と頭に思い描く「典型的なラーメン」、凝り過ぎず雑すぎず、そして美味いけど極上というわけでもない。ありきたりだけど満足できるラーメン。でもそんなラーメンが出てくるラーメン屋って、意外とないよね、と時々話題になりますね。
 MacBaren pureは、そんな「こういうのでいいんだよ!」的なタバコなのです。

 初めて開封し、最初の一服を吸ったときの感想は……。
「…………」
「…………?」
「…………??」
 なにもない、無です、無言。
 「褒めるところが何もねーな???」というのが最初に頭をよぎった言葉です。初めて刻み煙草を吸ったとき、またManito organicやBlue Noteを吸った時は、一口目から衝撃を受けたものでしたが。
 しかし。不思議と不満足なわけでもない。格別美味しい……とも思わないんですけど、吸いたくないわけでもない。まあもう一服、と点けていくと、ついつい、五服ほど吸ってしまいました。
 連服していくうちに、ようやく味が分かってきました。
 基本的には、これは"からい"タバコです。辛みが味の中心です。辛みの陰に隠れるように酸味があり、さらにその中に甘みが包み込まれている。ブレンドによってさりげない複雑な喫味を実現している、洗練されたシャグなのです。
 そして、軽すぎることもない。刻み煙草の各銘柄よりは一段軽くてすいすい連服できますがしっかり吸いごたえはある。"最初に思ったよりは重いタバコ"です。
 五服、吸い終わった時には「こういうのでいいんだよ!」と頭の中で叫んでいました。

 ※その後、何度も吸っているうちに気づいたのですが、ベストなコンデイションで吸えた時は、とてもゴージャスな気分になれます。
 これは葉の保存状態だけでなくて、天候、気温や湿度との兼ね合いなので、毎日というわけにはいかないんですけどね。すこーし乾燥したくらい(粉になっちゃう寸前ですね)で、なおかつ雨上がりか雨降りの前などに吸えると、なんだかとても高級なタバコを吸ったような満足感を味わえます。
 でもね、決して「最高、極上!」というわけではないんですよ。レストランの味ではなくて、たまたま飛び込んだラーメン屋さんが"当たり"だった時の喜び……そんなありふれた日常の奇跡。どこまで行っても「こういうのでいいんだよラーメン」であり、それがMacBaren pureの素晴らしいところです。

銘柄メモ

"こういうのでいいんだよラーメン" MacBaren pure
「そこそこ重い」「からい!」「ほんのり甘い!」

甘み ★★★
からみ★★★★
酸味 ★★★
苦み ★
重さ ★★★

 総評をスコア形式で載せておきます。

 ※あくまで煙管で吸った感想ですので、手巻きの際の参考になるかは分かりません。手巻きのレビューブログは他にもたくさんあるので、もし必要ならそちらを探した方がいいでしょう。

 銘柄レビューというのは、レビュアーの好みと主観によってすごくまちまちなので、参考にするのが難しいですね。でもレビュアーの好みと傾向、それに自分が実際に吸ってみた感想を照らし合わせていくと、まだ吸ったことのないタバコでもレビューを見ただけでなんとなく傾向が掴めるようになったりします。
 ということで、私のレビューも数が集まってくるとわりと当てになる……はずなので、それまでお待ちください。

 ※一応、項目ごとに基準を出しておきます。

甘み:これはタバコの甘みを示します。香料の甘みは含みません……が時に判別できてない時もあるかと思います。最高点は小粋とMacBaren American brend。異論はありそう。

からみ:これは松風を最高点においています。最低点は特になし。てきとー!。
酸味:これはAmsterdamer tabacを最高点においています。最低点は特に考えてないです。てきとー。

苦み:実は、苦みについてはハーフスワレ系以外ではほとんど気にしたことがないので、これまた適当です。ほとんどのタバコが星一つになってしまいそう。Threedogs Cigarsが星3つ、フランドリアBlackが星5かなあ。あまり苦いタバコを吸っていないので自信ないですね。

重さ:これは、松風を最高点に、Amsterdamer メンソールアイスを最低点に考えています。自分がどの程度連服できるか、で計っています。松風は三服もすると、満足してしまいます。紙巻基準だと15mm以上の重さでしょう。Amsterdamerメンソールアイスなら、メンソール味に嫌気が差さなければ十服しても平気でしょう。紙巻だと1mmクラスの軽さです。MacBaren pureは自分の中ではどれも平均値に近いバランスだと思うので、中間の基準にしています。8~10mmクラスでしょうか。

煙管メモ

東石形真鍮煙管(飯塚煙管) 六寸三分(18.5cm)


 東石形真鍮煙管(飯塚煙管) 六寸三分(18.5cm)
 
MacBaren pureを吸うのにおすすめの煙管はこれ。
今回載せた三本の煙管の中では、最も地味な奴ですね。

 東石形自体は、煙管の代表的な形の一つで、他のメーカーからも作られています。これは有名な飯塚煙管さんのもの。真鍮製、ニッケルメッキ。

 価格から見て量販品なのだと思いますが、いい作りです。
 とてもなめらかな吸い味の金属製煙管。MacBaren pureのような無着香シャグや、刻み煙草などに最適。タバコの味をシャープに伝えてくれます。また長さも六寸強と扱いやすい。
 今回トップ写真に載せた他の二本もMacBarenを吸うのにはいいのですが、どちらも七寸(21cm)あります。MacBarenの場合、七寸の煙管で吸うと煙が少々軽くなるので、東石形の方が喫応えを感じられてbetterであるように思います。実際に私はほとんどの日にこれで吸っていますので今回はこちらにしました。インスタ映えしない地味さ!

 この煙管、金属煙管としては現行最安価な丸福煙管(柘製作所)とさほど変わらない低価格帯の製品ですが、丸福煙管より遙かにお手入れがしやすく、この点から入門用にも最適だと思います。がしかし、これから煙管の旅に出ようという冒険者が最初の町で入手できることは希でしょう…。あんまりタバコ屋さんに置いてないようですね。AmazonなりYahoo shopなりでお求めください。

終わりに・現在のポット


 読んでくれてありがとうございました。
 最後に、記録を兼ねて記事作成日の時点でのポットを書いておきます。
今こんなの吸ってます~というだけです。(次回この中からどれかを記事にする、ということではないです。何か新しいのを開けるかもしれません)


現在のポット(12/07)
・いろは 3g程度 保湿ポット(小)
・MacBaren pure 5g程度 保湿ポット(小)
・MacBaren Mixture 8g程度 保湿ポット(大)
・Peterson Wild Atrantic 5g程度 保湿ポット(大) 

 小分けポットは完全密封ではないので、今の季節だと徐々に乾燥していきます。少量ずつなので、二日以内には吸いきれるので、問題ありません。

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