(過去投稿)最期に食べたいもの

自分で言うのもなんだけど、私はオムレツ作るのがめちゃくちゃ上手い。
そりゃ半年間もほぼ毎日気が狂ったかのようにフライパン振ってオムレツだけ作ってたら上手くなるよな、なんならオムレツしか作れない。

ホテルみたいなオムレツを作りたいと思ってから
本当に毎日気が狂ったかのように作ってた。実は、今日も作った。
オムレツを作らないのは、基本私が朝起きられなかった時だけ。ちなみにそんな日の朝は母がオムレツを作ってくれる。

私の日々の努力の結果のオムレツは
ちゃんと半月の形になるし、
牛乳や塩を入れなくても卵だけで綺麗に半熟になるし、
ナイフを入れればお店で出てくるようなトロトロのオムライスの卵みたいになる。
たまにチーズを入れて作るけど、オムレツを割くとそれもちゃんと伸びてくれる。

一方母の作るオムレツは
形はもうオムレツとは形容し難い程適当で、
もう完全に火が通ってて卵は柔らかくなく、
中には適当に切られたソーセージが入っている。

正直、誰に食べさせても私のオムレツの方が上手いし美味しいって言うと思う。
というか、母のオムレツを写真でも撮って外に出そうとしたら多分恥ずかしいからやめてと母は怒ると思う。

でも、私が本当に好きなのは、間違いなく母のオムレツ。

特に理由はない。
強いて言うなら、私にとって1番慣れ親しんだ母の味があのオムレツなんだと思う。
そして、私がインターネットで沢山調べて必死に練習して出来るようになった半熟のオムレツは、何千万、何億万人もいるけど、
あの母のソーセージが入った卵に火が通り過ぎたオムレツは、世界にたった1人、私の母しか作ることが出来ないのだ。

もしも明日地球が滅亡したら最期になにを食べたい?

私はそんな最期の日の朝食は
母の作ったオムレツが食べたい。

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