見出し画像

合同誌振り返り

この記事では、コミアカ23にて百合愛好会の新刊として頒布した一次創作合同誌の制作過程を簡単に振り返り、分析する。
自分への戒めとしての面が大きいが、初めて合同誌の主催をやるという方が読んで損がない内容にはなっていると思う。


概要

LILIEST EXTRA 5 “Bloody Buddy Rhapsody”
本文 222頁(漫画54頁含む)
定価 1,000円
責任者:あまろ

吸血鬼百合の一次創作集である。執筆者間で同一世界観を共有している。
古代から現代に至るまでの8作を収録。


構想

内容

全体で文庫本1冊分くらい(10万字程度)の文量が欲しい。
当初は挿絵付き文芸誌の予定だった。
執筆者は初期段階で9名。

スケジュール

2022年
発案

2023年
3月
第1回会合。世界観を設定。

5月
第2回会合。設定のすりあわせ。

7月
第3回会合。執筆内容の確定、キャラデザ開始。

8月〜
執筆開始。

9月
第4回会合。進捗報告会。

10月中旬
脱稿。編集作業開始。

11月上旬
コミアカに向け、入稿。


実際

内容

初期段階から1名の執筆が怪しくなり、夏頃には2名の脱落が確定。締切間際に1名が更に脱落、執筆者は6名に。
一方で文字数は10万字を超えた。

あまろは当初2万字程度の小説2作、作品同士を繋ぐ小話、表紙、挿絵、人工言語作成、InDesignでの編集を担当する予定であったが、夏季休暇中の小説の進捗が芳しくなく、また技量的に小説での表現が困難であったパートを漫画で描いたために余裕がなくなり、小説1作と小話、挿絵と編集を断念した。

スケジュール

〜5月
予定通り。

7月
試験等のため、日程が合わず。

8月
第3回会合。ただしこの段階で内容が決まっていない執筆者が多数。

9月末
第4回会合。この段階であまろ以外本文に着手していなかった。
最終締切を10月22日に設定。なおこの締切日はすぐに初稿締切日となる。

10月22日
初稿締切。
この段階で初稿が完成していたのはあまろ以外1名のみ。
リスケする。

10月29日
あまろが漫画を描き終わり、表紙を描き始める。
二度目のリスケ。執筆と校閲を並行させることに。

11月4日
流し込み開始。編集作業は手伝う余裕がなく断念。

11月15-16日
作品が出揃う。

11月17日
色々あったがなんとか入稿。


反省点

人間は怠惰である

9割9分これ。
私含めある程度8月から9月にかけて余裕があったはずだが、その時間を創作に有効に充てることができた執筆者はいなかった。
その結果、当初の締切から1〜3週間も校閲開始が遅れてしまった。企画の性質上、多数の脱落者を出したり、各作品での設定擦り合わせが不完全だと本として破綻してしまう。それゆえ『一度書くと決めたものは、ある時期までにある程度形にしてもらわなければならない』ということに早く気づくべきだった。

いや、実を言うと気づいてはいた。
気づいてはいたが、まあなんとかなるだろうと高を括ってしまっていた。
私が悪い。あまりにも人の真っ当さを信じ過ぎてしまっていた結果である。自分自身締切を守れない人間だというのに……。


改善策

定期的に進捗管理をする。これに尽きるだろう。
「自分は締切間際になればできるから大丈夫」という自信が湧きがちだが、これを否定しなければならい。大丈夫だと言う人間の9割は実際には大丈夫じゃない。

締切を破り睡眠時間を削り推敲を捨てて原稿を書き上げたところで誇るべきものは何もなく、得られるものも同様に何もない。
そうして得られた達成感は虚栄に過ぎないということを肝に銘ずべき。

そして嘘の締切に意味はない。
心を鬼にして、ただひたすらに口煩く『進捗いかがですか』を連呼するマシーンにならなければならない。モチベの高さが一次創作の進捗度に良い影響を与えるとは限らないので、この悪魔めいたメッセージは無差別に送信されなければならない。ああ嫌だ。

特に一次創作に関して言えば、執筆速度が全くもって予測不可能であることを留意すべき。相当書き慣れている者ならともかく、素人が自身がどれだけの速度で言葉を紡げるかなど予想できるわけがないのだ。
実際、今回は多くの執筆者が何度も完成目処を遅らせることとなった。
である以上、締切はあくまでもDEADLINEであるべきであり、執筆者は余裕を持ったスケジュールで自らのドキュメントファイルに臨まなければならない、と言うより『臨ませなければならない』。

嫌われるつもりで頑張ろう。


補記:個人的な反省点

欲張りすぎだった。冷静に考えて一人の趣味としてできる量ではなかった。
やりたいことは絞れ、ということ。

総括

・人を信じるな
・嫌われる覚悟でやれ
・和気藹々としてできることには限度がある

次こそはInDesignを使ってみたい。

がんばるぞ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?