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残クレってどうなの?

【結論】
残価設定クレジットはやめたほうがいい。

【残クレについて考えることにした経緯】
現在乗っている車の点検でディーラーに行きました。
どっちみちあと半年で車検時期なので今回は緊急の不具合が無い限り点検パックに含まれている無料点検分だけで、済まそうと思っていたので気軽な気持ちでした。
結果、車自体はバッテリーがやや弱っているという以外問題もなかったようで点検費用はかからなかったのですが、俺担当の営業から買い換えをすすめられたわけです。
大きな問題も無い車を買い替えるってのもどうかとは思ったのですが、昔から付き合いのある担当者だったのでとりあえず話を聴いてみました。

【営業マンの言い分】
①乗り始めて5年の現在、下取り価格は新車時の1/3ほどだが、ここから先は急激に下落、車検時にはマイナス10万、2年後の車検時にはマイナス30万。
②残価設定クレジットと言うのがあって、それを使うと5年後の残価を差っ引いた金額を分割にするので月々の支払いが低くなり、5年後に残価で買い取るかディーラーに返却するかの選択肢があるのでオススメ。

まぁこれは聴いた瞬間に5年後までの顧客の囲い込み戦略であるという事は理解したのですが、俺としては別にディーラー変える気もないわけで、なんとなく違和感はありつつも、とりあえず持ち帰って検討と言う事にしました。検討に値しないという方も多いかもしれませんが、俺はこういう未知の領域についてはひとまず検証→検討という主義なので(笑)、今回も貫いてみたわけです。

【検証】
営業マンの言い分①について
ネットで調べてみてもまぁ相場と言えるし、こちらがなんだかんだ言っても下取り価格と言うのは相手が決めることなので「あ、そう」と思っとくしかないと思いました。
もちろん買うと決めた場合にはこの価格を1万円でも2万円でも多くしてもらうように交渉することになるわけですが。

営業マンの言い分②について
問題はこっちです。
1)最初から分割前提
  信販会社からディーラーへのマージンが一般のローンより高いのかもし
  れませんね。

2)借入元本は残価も含めた車両価格
  最終的にその車を現金で買い取る可能性もあるのにその分の利息を先に 
  取られてしまうわけです。更に言えば、最終的に買い取りを選択し、そ
  れを現金ではなくクレジットにした場合には残価について二重に利息を
  支払うことになります。

3)見積書に利率の提示が無い
  これはディーラーによっても違うのかもしれませんが、今回は「分割手
  数料」という括りで金額だけが提示されていました。
  頭金0の場合と頭金を入れた場合では、分割手数料の金額が少なくなる 
  のは当然ですが、俺は一応計算してみたところ、利率としてはなぜか頭
  金を入れた場合の方が僅かに高い利率になっています。
  0.2%前後の微差ですが、車のように大きな金額の買い物の場合だと数千 
  円の差になる場合もあるので気になる所です。

4)点検パックが54ヶ月の設定になっている
  これもディーラーに寄りけりでしょうし、60ヶ月パックの方が若干高額になるので見積もりを安くするために54ヶ月パックにしてあるという見方もできますが、残クレの場合で言うと、ちょっと違う見方もできます。
支払い回数は61回で5年経過した後の最終回で残価による買取か、車の返却かの選択になりますので、2回目の車検までにはこれを決定しなければならないのです。

【最終回の支払いパターン】
『残価で買い取る場合』
無傷で乗ったとして残価分の金額を支払う事になるのですが、点検パックが54ヶ月だとここで車検費用もプラスされることになります。おそらくは諸費用込み10万円くらいはプラスになります。そうすると月々の支払いが安かった分、最終支払いの金額が大きく感じられます。おそらく営業マンはその段階で、車検込みの合計額を提示し、新車への乗り換えをすすめてくるのです。かなりメンタルの強い人でないと、けっこうグラつくタイミグではあると思います。
「5年以降の車検になってくると、それなりに不具合が出てくる可能性もあるのでその費用を考慮するとここで新車に乗り換える方がお得です」
というような文言で誘われると「まぁ確かに」という気持ちになってしまうのではないでしょうか?

『車を返却する場合』
この場合、車の状態が良く、走行距離が規定範囲なら支払いは0円です。
ただ、相手は商売なので、車の細部まで見て多少でも追加料金を取ろうとすることは想定できますが、極端な修理が必要でなければこの時の負担額はそれほど大きくはならないかもしれません。
ただ、前述の通り残価を含めた総額でクレジットを組まれているので利息は先に取られていて、実質的には利息分は損と言って良いでしょう。

『車を乗り換える場合』
当然支払いは0円で、残価分を頭金として乗り換えることも可能です。
もしかしたら営業マンは車を売りたいために「状態がいいので残価以上の金額で下取りができます」と言って数万円上乗せしてくれるかもしれませんし、新しい車の値引きを大きくしてくれる可能性もあります。
ただ、この場合も残価分の利息は先取りされているので、数万円上乗せされてもそれは利息分の補填程度と考えるのが妥当です。
そしてこの場合は、残価分の得を受け取るために大きな買い物をすることになるのだという事を忘れてはいけません。
小型車であっても諸費用込みにすると多くの車は200万円を超えてきます。5年ごとに200万円の出費を発生させるというのは、それなりの稼ぎと覚悟が必要になりますね。

【残クレにメリットがあるとすれば】
デメリットばかり書いてアレなのですが、このクレジットにメリットが余り見つかりません。
メリットを受け取る条件として買い手側に
①お金が無い
②すぐに車が欲しい
③新車に乗りたい
④多くの車種を体験したい
⑤そのメーカーの車にこだわりがある
と、このような意向が全部揃っている時にのみ、その物欲を満たすという目的だけはすぐに果たせると言う事が唯一のメリットと言えるのかもしれません。かなり強引ですが(笑)
少なくとも金銭的メリットは一切無いと考えて良いと思います。
ですので特に
①お金が無い
という方はやめるべきです。
そもそもお金が無いならば持たなければならないのは車ではなくお金そのものです。
働いて生活を切り詰めて一括で払うのが一番安上がりでその後の面倒もありません。

【それでも車が必要な時】
とはいえ、私もそうなのですが、地方の田舎で暮らしていると交通の不便さから車が必須になるのです。これはお金があるなしに関わらず発生する問題です。
お金がなくて車が必須なら、とりあえず中古車を乗り潰すつもりで買い、乗り換えが必要になるまでに働いてお金を貯めるのが最良の策だと思います。支払いをローンにする場合も販売店の言いなりにならずに自分で精査して最も安い金利で組めるものを探すべきです。

自分の経験上、お金が無い時ほどお金に対して無頓着になります。金利のことなんか気にしなくなります。しかし、利息と言うのは本当の無駄、死に金ですので極力小さく済ませるのが鉄則だと考えましょう。
車を持てば維持費もかかります。税金も払わなければなりません。一度乗り始めたらその便利さで手放せなくなりますので買い換え費用も考えなくてはなりません。お金が無い状態で車を買えばその後かなり長期に渡って常にローンを抱えている状況になりますので、人生計画の予算に一定サイクルで車の買い替え費用を入れなければならず、それは決して小さな金額ではありません。

車の買い替えは慎重に考えましょう。


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