あまりや 1歳になる

  来月でシアーミュージックのレッスンを受け始めて1年経つらしい。
ボイトレを始めてあまりやという名前を称するようになったわたしが0歳だとしたらやっと1歳になれたところで、シアーミュージック2年生です。バブー!

  先日のスペースでも話したことと同様の内容も多いが、1年続けてみて思ったことを連ねておく。
マイクやミキサーなど録音環境を作ったり、ライブハウスで歌ってみたり、体当たりで色んなことを試した。
  マイクの音割れがなかなか改善できず今も試行錯誤中だったり、録音した自分の歌を聴いて未熟さを痛感したりする。
未完成の歌声はとても不安定なもので、自己評価と他者からの反応の違いを気にしてしまう。
自分の声を好きになるというのは、想像以上に難しいと感じた。
  ライブハウスで歌うのは思ったより嫌な緊張感はなかったし、先生に教わったことを人前で試せて楽しかった。
  帰り道のわたしは、ステージに立てた高揚感と、ライブハウスに居合わせた人達と喋るのが楽しすぎて浮かれていた。
興奮気味で電車に乗りながらTwitterに感想を垂れ流していたら、うっかり乗り換え損ねて終電を逃した。
隣県で泊まるしかなくなり、ネカフェに入ろうとしたら会員証も身分証も家に置いてきていて当然入館を断られる。
仕方なくカラオケで一晩を過ごした。
翌日は仕事だったので始発で帰って出勤したのだが、硬いソファでも意外と眠れたことに驚いた。
お金とスマホぐらいしか持ってきてなかったわたしを救ったビックエコー、ありがとう・・・
  それはそれとして自分の間抜けさに腹が立って、夜遅くに隣県まで行くのが怖くなりそれ以来ライブハウスには立てていない。
出演するか迷っていたシアーライブも、結局申し込まなかった。
それも苦い経験だと思っていたのだが、月日が経った今は笑い飛ばせるぐらいにはなった。
隣県まで行かなくても夜のライブハウスでなくても歌える場所はいくらでもあるし、また何らかの形でステージに立ってみたいと思う。
  自分には向いていないと思うこともあったし、失敗したり恥ずかしい思いをしたことばかりだったかもしれない。
それでもその経験で得たことの全てが、音楽という観点に留まらず自分の人生における大きな学びになった。
正直どれも形として成果は出せていない気がするし、自分にとっての最善が何なのかもまだよくわからない。
きっと何年経っても正解などないのだろうし、後々になっていい思い出になっていればそれでいいのだろう。
今は成長が止まるのが怖くてもがき続けている。
でも、途中で挫けて諦めずに続けられてよかった。
進歩は目に見えないもので、自分では何も変わっていないと思っても心は常に動いているのだから本当に止まることなんてないと言い聞かせることにしている。

  仕事やプライベートに追われ、音楽のことを考える気力がなくなってボイトレを辞めるか悩んだことは何度もあった。
決してボイトレ自体が嫌なのではなく、忙しいことを言い訳にして普段の練習を怠り、レッスンで何も成長していない自分を見せるのが恥ずかしかった。
毎回新たな課題を見つけてくれる先生に申し訳なくて情けなくて、どうしようもなく悔しかった。
負けず嫌いというのもそうだが、失望されたくないという浅はかな気持ちもあったのだろう。
本当に辞めることを考えると絶対に後悔すると思ったし、自分の弱さのせいで好きなことを諦めるのは嫌だった。
休会するかも迷ったが、レッスンすら休んでしまったら二度と戻れなくなるんじゃないかと怖くてできなかった。
  どんな日常を過ごしていようと、レッスンの日はやってくる。
暗い気持ちで腰が重くなる日もあれば、歌いたくて仕方ない軽い足取りで向かう日もある。
直前までどんな気分であろうと、レッスンを受けている間は音を感じるのに一生懸命になれて、嫌なことは忘れていられた。
  わたしはストレス発散や気分転換というのがどうも下手で、時折何をしたらいいかわからなくなる。
だから決まった日にレッスンに行って、先生に導かれてそれに必死についていこうとするのが性に合うのかもしれない。
一人では何もわからないわたしに、先生方がわたしにできることを一緒に探してくださる優しさが身に染みる。
  レッスン外で何もできていないと正直に白状して、辛くてもがんばれと言われることも、ましてや責められることなんて1度もなかった。
だからと言って甘やかしすぎるわけでもなくあくまでいつも通りに、新しいことも交えつつレッスンをしてもらえることに本当に救われた。
その程度かと失望されるかも、これ以上教えてもらえなくなるかもと的外れな心配をするのはとても失礼なことだと自分を恥じたし、無理をせず休む時はちゃんと休んで切り替える努力をしようと思った。

  いつもmarvel in vainの曲を繰り返し聴いて何度だって感動して、こんな風に自分の気持ちを言葉にして、音楽として奏でて歌えるようになりたいと憧れた。
ステージで鮮やかにギターをかき鳴らし溢れんばかりのパワーで歌う平田さんは、今まで何年も様々な苦しみと壁を勉強と努力によって乗り越えてきたのだろう。
平田さんは、今でも課題を見つけるとどこか楽しそうにすら見える。
  それで思い出したのだが、最近リリースされた学園アイドルマスターの話をする。
14歳にして飛び級で海外の大学を卒業した天才少女、篠澤広というキャラクターがいる。
驚くことにこの女、身長159cm体重41kgである。
体力がなく最初はまともに歌うどころか発声練習だけでぶっ倒れるぐらいか弱いのだが、トゥルーエンドを迎えると圧倒的なステージで魅せる。
誰かの性癖に刺さることを祈って紹介PVを宣伝しておく。

(ライブ映像は1:08〜)
公式がリリース前にチラ見せしているトゥルーエンドのライブ映像のごく1部だが、少しでもネタバレが嫌な人は見ない方がいいかも。


  簡単にできてしまうことがつまらなくて、自分に1番向いていないことに挑戦すること、うまくいかないことが楽しい。
そんなドMとも取れることを終始語る彼女を理解できないとも思う反面、こんな風に逆境を楽しめたらどんなにいいだろうかと羨ましくなった。
  わたしにとっては正直、頑張ってもうまくいかないことは苦しい。
念入りに準備して考えたことが大失敗した時なんて、過剰に落ち込んだり当分は引きずる。
でもきっと、そこで挑戦することを諦めてしまってはそれ以上前に進めない。
今のままで自分が満足できるならそれでもいい、でもこのままじゃ嫌だと思うから、もどかしくて悔しい。
失敗することは恥ずかしくなんてない、むしろ失敗から学べることの方が大事でこの先必ず役に立つ。
やらなくて後悔するぐらいなら、当たって砕けるぐらいのつもりで挑んでしまえばいい。
何度も打ちのめされて、だんだん強くなって、同じことでは砕けなくなる。

  同じように悩んだり楽しそうに輝くシアーの生徒仲間やファンの人たち、mivや平田さんの弾き語りライブをきっかけに出会えたアーティスト。
本当にたくさんの人達に、わたしが立ち上がれなくなりそうな時、いつも励まされる。
もしわたしが最終的にどんな道を選んでも、その人たちのことはずっと見ていたい。
恥ずかしながら、ただのオタクになって娯楽だけを消費していたいと怠けてしまうことはしょっちゅうある。
  不幸自慢でもなんでもないが平凡一般OLなので、安くはないレッスン代を毎月の給料から出すのはかなり金銭的に厳しい。
だからボーナスに手をつけずにレッスン代のために残しておこうと思っている。

でも本当は旅行だって行きたいし欲しいものもいっぱいあるし、友達と遊びまくったりしたいよ〜〜〜〜〜!!!!!!!
この先何があっても音楽のために全てをかけるほどの覚悟も自信もない!!!!!全然!!!!!

こんだけ語ってたわたしが急にシアーやめて遊び呆けてたら、マジでコイツ口だけやんって笑ってくれ〜〜〜〜!!!!!


※あくまでそうなったら自分を許せない気がするだけで、シアーを休会したり辞める人をどうこう言う意図は全くないです!!!

  でもシアーに出会ってしまったからには、そう簡単に諦められなくなってしまったのだ。
大げさだと思われるかもしれないけど、何もかもを諦めようとしていたわたしに生きる気力を取り戻すきっかけをくれたシアーミュージック、そして平田勇也さんには感謝してもしきれない。
これからも生徒として、何よりファンとして、いつも応援しています。

  わたしはまだ何者でもない。
これは決して後ろ向きな言葉じゃない。
わたし自身だけではなく、わたしの大事で大好きなものが、わたしという他の誰でもない人間を形作っている。
今は肩書きがなくたっていい、これから自分がなりたいものを見つけていく。
少しずつでいいから、1歩ずつ噛み締めて生きていく。
それでもやっぱり、死んでしまいたい、消えてしまいたいって言葉に逃げてしまうことはあるかもしれない。
みっともなくても這いつくばってでも、本当は生きていたい。
その気持ちを、殺してしまわないようにしよう。

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