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故郷で聴くピアノの響きから過去の思い出~角野隼斗全国ツアー2024"KEYS" at 柏崎(2024/02/10)

前書き

今年も行ってきたかてぃんさんの全国ツアー。
今年は自分の生まれ故郷でかてぃんさんのピアノを聴くことが出来た。

小学生の頃数年だけ習っていたピアノ。
年に一度、市民会館で開かれるピアノ教室合同の発表会参加。
自分が住んでいた学生時代には存在しなかった響きの美しいホールで、長らく記憶の片隅に追いやられていた様々なことを思い出しながら聴いた。

最近は耳の不調により日常生活ではイヤホン無し、ほぼ音楽を聴かない生活。
その為一応Amazon Musicで音源をダウンロードはしたものの、ほとんど予習ゼロ。

事前のかてぃんラボ視聴も他の方のツアー感想ポストもあまり見ずに過ごし、自分がその場で見聞きして感じるものを持ち帰りたいと思った。

このnoteは"良質な音楽は生音で楽しもう🎶"をモットーに、低解像度ながら貴重で贅沢な時間を過ごしたほぼ自分向けの備忘録。
あちこち思いつくまま書いたメモを繋げたもの。

音楽的な分析、正確なMCはなし、長文、ネタバレありです🙏

基本情報

会場 柏崎市文化会館アルフォーレ 大ホール(新潟県)
開場 13:00
開演 14:00
終演 16:06頃
(14:47頃~15:05頃まで休憩あり)

座席 1階8列目ほぼ真ん中(若干上手寄り)


前半
スタインウェイ・サンズ
グランドピアノ1台

球体ランプ(バレーボール大)のスタンド1本

開演前 調律師按田さん🙏

後半
グランドピアノ
アップライトピアノ(かてぃんピアノ)
※途中フェルト?変更あり
チェレスタ
トイピアノ
鍵盤ハーモニカ

WRAPSOUN(ラプソン)の360°無指向性スピーカー
両サイドに小さめの箱型スピーカー2つずつ
※写真を見比べたら、2023年全国ツアー後半のサントリーホールとオペラシティの時と似た大きさのものの他に、小さいスピーカーが増えている。

終演後アルフォーレのスピーカー
2023/03/10オペラシティのスピーカー


当日天気

晴れのち曇り
最低気温 マイナス3度
最高気温 9度

一週間前は雨で強風の予報
前日と翌日は雪予報

前日時点で午前中晴れで12時頃から雨予報
当日朝はこの時期珍しい快晴

綺麗な刈羽三山が見える
ここ何年も冬の時期に帰省しておらず、雪景色の山を見ていないことに気づいて天気の良いうちに家を飛び出して見晴らしの良い場所まで行って当日撮影した刈羽三山
かてぃんさんは晴れ男だと聞いたがご覧になったかな?

刈羽三山最高峰の米山
八石山(左)、黒姫山(右)

結果お昼に雲が出てきたが雨は降らず、終演後に駅に向かうと途中で少し雨が当たったが空は太陽が出ていてすぐに止んだ。

参加までの流れ


1年ぶり、過去最大規模の全国ツアーが発表されたのが2023年9月。
前回と違って神奈川がリストになくガッカリしたのも束の間、「新潟」の詳細情報を見てびっくり!
実家のある新潟県柏崎市のホール!

子供の頃は旧市役所の隣に市民会館があって、ピアノの発表会もそこだったから、私が住んでいた時には存在しなかった。

以前ツィメルマンがコンサートをやったり、福間洸太朗さんがホールの響きを気に入られてアルバムの録音に使用されたと聴いていて、いつか行ってみたいと思っていたホール。
ただ経済的にも頻繁に帰省出来ないので、数年後でも良いからツィメルマン等その為に帰省しても良いと思う様な公演があれば行ってみたいと思っていた。

それがこんなに早く『行く口実』が出来るとは!しかし問題は開催時期。
新潟の冬はとにかく晴れない。温暖化の影響で子供の頃程降らないが、たまのドカ雪で長期間公共交通機関が止まるも多く、高齢の両親が駅まで車で迎えに来てくれるのも難儀する恐れがあるから避けていたんだけど、これは何としてもチケットを取りたいと思った。

結果FC先行抽選で当選。
当日大雪になるのが怖くて前日金曜日を午後半休にして前日入りの手配。

心配を他所に天気の崩れもないまま、前日9日夕方に最寄り駅に到着。
当日の備えて早めに就寝。

当日

いざ会場へ

13時開場だが、グッズのキーホルダーを確実に買いたいと思い、早めにお昼を食べて慌ただしく母の車で出発。
子供が寂しがったのもあって、帰省してから話し合って終演後そのまま帰宅することに決めたので、柏崎駅に行って帰りの新幹線等のチケットを購入。


駅前に全然人がいない。
本当に1000人以上の人が集まるコンサート当日の駅前なのか。

駅で両親と別れるつもりが、駅からすぐのアルフォーレまで送ってくれる(公式サイトでは駅から徒歩7分)と言うので再び車に乗せてもらう。

新しい市役所からアルフォーレへの道も1人しか見かけず、完売公演だし市役所寄りの場所にある掲示板に角野さんのポスターを見つけて両親に会場が間違えていないことを主張するも懐疑的。
会場敷地の緩いカーブに沿った道を進みながら、本当に今日ここでコンサートがあるのか、日にちを間違えていないのかと両親が騒ぎ出す。

とにかく大丈夫だからもう行くね!ありがとね!と半ば叫びながら車から降りた。
間違いないのは分かっているものの、開場30分前の12時30分の時点で会場周辺に人が居ない。
掲示板のポスターや建物外観の写真を撮りながら、これまで行ったコンサートとの違いに戸惑う。

本当にこの建物の中にあの人がいるのかと不安になりながら掲示板から一番近い入口(南エントランス)に近づく。
すると自動ドアの内側近くに人影が。

ドアが開くと目の前に小針さん

外から入ってきた私に気を止めることなく、私を右に見る形で真横を向いて立ち、点検する様に前後を確認しながら去っていった。

突然現れた野生の小針さんに動揺しつつ、関係者がいることで角野さんのコンサートが開催されるのは間違いなさそうだと確信。

エントランス右手にはラウンジがあってテーブルが何脚かあり、ほぼテーブルが埋まっている。

あっ、他にも人がいた!

そのラウンジを横目で見ながら奥に進み、共用ロビーを右に折れた所で行列を発見。
ワークスペースにグッズ販売スペースがあり、30人程並んでいるのを発見。

他の会場ではキーホルダーを買えなかったというポストを見かけたが、今なら大丈夫そうだと安心して行列に並んだ。

母にはちゃんと建物内には人がいて予定通りコンサートは開催される様だから安心してねとLINEした。

車の運転中だから既読にならないと思っていたが、後から聞くと車から私を下ろした後、日にちを間違えていないか心配してポスターが掲示されていた場所まで戻って確認したとのこと。

冬場に弾丸で帰省して負担をかけただけでなく、心配もかけてしまって申し訳なかった。

グッズ購入

開場10分前にグッズ販売スタート。

事前に手元にチケットを用意してくださいとのアナウンスあり。
グッズ販売が施設の一般スペースで行われたからの模様。
5分程で順番が来て、グッズ購入待機列の一番前でチケットを係の方見せてから購入へ。

キーホルダーとアイガットリズムの楽譜を購入。サインなし。

【追記】
購入時、商品POPに『1会計につき1点まで』の様な文言を確認。
また終演後には、場内でグッズ販売中とのアナウンスもあった。
収益金が寄付されるとのことで、最初は複数買いたいと思っていたが、皆さんにいきわたる様に1会場1点購入することにした。

本の栞にできそうな台紙


このnoteをまとめながら気づいたのは、Cateenロゴの商品はもしかして初めて??
去年のツアーでグッズ販売の発表があった時、正直このロゴの商品が欲しいと思っていたことを思い出した。
願いがかなって嬉しい。

開場

あっさりグッズ購入出来たので、ホール入口の2階へ。
大きな幕とお花が出ていたので撮影。
会社のブルボンとは別に社長さんからと、広告代理店の大広さんから。
ブルボンさんは母が学生時代に当時駅前にあった本社工場でバイトをしていた位の薄いご縁だが、地元企業の義理堅さを感じて誇らしい気持ちになった。
ここまでほとんど待ち時間がなく、結果ほぼ開場と同時に入場した。

ルマンドカラーのお花

大ホールへ

響きの良いホールということで早速中へ。
特に開始前に撮影禁止のアナウンスはなかった為、人が少ないうちに撮影。
前方でも傾斜があって視界が良さそう。
按田さんが調律中で、音がよく響く。

……??
グランドピアノ1台??
……
TLで見かけた動画ではアップライトピアノとチェレスタがあったはずなのに、何故グランドピアノ1台だけなのかと困惑。

去年のツアーのことが頭にあったのと、他会場の詳細レポを一切読んでいなかった為、この時点では後半楽器が増えることを知らず。

もしかしてこのホールが小さくて搬入出来なかったとか、田舎だから日程的に持ってこられなかったのかとか、動揺して急にネガティブ発動。

そんな私の不安を他所に、徐々に席が埋まって来て開演時刻が近づいてきた。
自分もコートを脱いでも寒くないのを確認して席に着く。
座席は互い違いになっている為、視界良好。
8列目ほぼ中央だが視力が悪いので、少し恥ずかしいがこの距離で双眼鏡を準備して待つ。

コンサート

開演

開演ブザーが鳴ったが周囲のザワザワは収まらずなかなか始まらない。
客電がついたまま数分経過するも、小さいざわめきは続いて収まる気配がない。
客席が静まるのを待つのかな?永遠に始まらないんじゃないのかなと心配になった頃、ようやく客電が落ちて角野さんが登場した。

ベロアの黒っぽいジャケットに蝶ネクタイ。白シャツ。

「こんにちは」(客席からも小さくこんにちはの声)で始まって、改まったご挨拶。
緊張の表情はなく、穏やかだが誰も知ってる人がいない場所で話しているみたい。
当たり障りのない内容で大人しそうな印象。
『よそいきの隼斗』だわと思いながら見守る。

地元の人で初めての人も多いだろうからこういう感じなんだな。

もうほとんど内容を忘れたが、『初めての場所』とか言ってた気がする。
そして角野さんの口から『柏崎』という言葉が出てきて感無量。
前半は今のピアノがなかった時代の曲をグランドピアノでどう表現するかみたいなテーマを説明していたと思うんだけど、あんまり聞いてなかった汗。

後からXで初めての人にも分かりやすいよう丁寧に説明してくれていたという主旨のポストを見かけた。
さすが優等生。

早速演奏スタート。

イタリア協奏曲

音楽的なことは分からないので雰囲気で。

軽快に始まったバッハ。
ピアノの響きが思ったよりソフトな音。
鍵盤が重い感じはしないけど、目の前の反響板から飛んでくる音はクリアというよりすごく薄いフェルトを挟んだ様にソフトに聴こえる。
他の人にはどう聴こえるのかはは分からないけど、少なくとも耳の悪い自分にはそう聴こえた。

でもその音を優しく包み込む様な残響がくっついている。
ホール全体の響きを堪能するにはもう少し後方席の方が良いのかなと思うが、ペダルを踏んでいない時もダイレクトに飛んで来るものとは違う響きが聴こえる(多分)。

そして途中左手が跳ねるように力強くなった時、艶のある豊かな音が溢れ出した。
明らかに音色と音量、音圧が変わったので驚いた。
低音の弦が鳴っている。

(ピアノ自体の個性、ホールの音響、角野さんの技術)→(自分の座席位置、耳の状態、感性)

これで受け取った感覚は"木"属性。
アール・ヌーヴォーの家具の様な落ち着いて艶やかで暖かみのある音。

具体的に説明出来ないけど、去年のツアーで聴いたバッハと同じ様で違うんだなと思った。

トルコ行進曲

正確にはピアノソナタ第11番イ長調のトルコ行進曲付き。

沢山着込んだせいで若干眠くなり、目を閉じて聴いていたが、トルコ行進曲の部分で意識覚醒。

もう楽譜を読めないから分からないけど、多分基本に忠実なトルコ行進曲。
角野さんが軽々と弾いていく。

あ〜こうやって弾くんだなって思った。

ピアノを習っていて最後に使っていた教本に載っていた曲。先生に直接教わっていないが、自分で楽譜を見て弾こうとした曲。
最後まで通して弾いてない、2ページ目で挫折して未完成。

私のピアノの先生は何故か運指をきちんと教えてくれなくて、それまではめちゃくちゃなやり方で弾いていたんだけど、トルコ行進曲は自分で書いてある運指を確認してその通りに練習した記憶がある。

当時は見本の動画や音源もなくて、装飾音の入れ方もよく分からず、楽譜を見ながら試行錯誤した。
習い始めてすぐに「左手が強い」と言われて萎縮してから先生に聞く選択肢がなかった。
元々左利きなのを矯正中だったし、今なら仕方ないと思えるけど、当時はピアノでそこから何か世界が広がるイメージを持てなかった。

それでも何故か自力でできるところまで頑張って、最後は諦めた曲。

数十年振りに答え合わせが出来た様な。
一生懸命頑張って練習していたあの頃の自分に聴かせてあげたい。
ピアノの先生の見本を見せていただくような気持ちになった。

運指は見えないけど、自分が覚えている箇所まではちゃんとどう指を動かしているのか理解しながら聴いた。

聴きながらピアノを習っていた時のことや市民会館でのピアノ発表会のこと等、もう何十年も忘れていたことを一気を思い出して何とも言えない気持ちになった。
ここ数年ピアノのコンサートに行くようになってから初めてのこと。

小さい子供の発表会でもない限り、トルコ行進曲を聴くことは無いと思うし、故郷で角野さんのトルコ行進曲を聴けて本当に良かったと思った。
スッキリした。

24の調によるトルコ行進曲変奏曲

トルコ行進曲の前後どちらか忘れたが、自作の変奏曲について説明があった。
調によって色が変わる素晴らしい装置がここにあると球体ランプの説明をして会場から笑い声が。

この辺で少しいつものイタズラっぽい笑顔が出るようになる。

自分の好きな調を見つけてとのことだったが、パンフに記載のランプの色は種類が多く、色合いの微妙な違いを認識出来ないかもしれないと思った。
また率直な感想としては、グッズのキーホルダーの色と同じ色ではないんだなと思った。
色覚障がいのある人は特に識別しずらいとかないのかなと思ったり。

案の定、何の調か何色か全く分からなかった。
パターンが沢山あって覚えていられないのもある。
赤っぽいのが良い感じだなと思った気もするけど、どんな雰囲気だったが思い出せない汗

でもいくつかある変奏曲シリーズの中ではかなり好きな方だと思った。
アイガットリズムだと個人的に途中で長いと感じてしまうんだけど、トルコ行進曲自体が好きなこともあって、これは最後までワクワクしながら聴けた。
客演コンサートのアンコール等で自己紹介的に弾くにはきらきら星が長さや内容からして最適だと思う。
なので今後出番があるのか分からないけど、しっかり聴いてみたいのでまた弾いて欲しいなと思った。
調の解説もあるからYouTube動画で上がるのかな。

弾き終わり、角野さんお辞儀をして退場。
客電がついて休憩~

~休憩中~後半開始

お昼から雨予報だったので既に雨が降っていると思いながらホワイエに出ると、ガラス張りの外は曇ってはいるものの雨は降っていない。

トイレに行ってしばらく外を眺めてから席に戻ると、ステージ上はガラッと様変わりしていた。
上述の通り、チェレスタ、アップライトピアノ、トイピアノが見える。

後半にこれを持ってくるのねとやっと理解した。

15時を少し過ぎた頃、開演ブザーが鳴る。
またしてもなかなか客席の話し声がやまない。
そのまままた数分過ぎた感覚があって、なんで話をやめないんだろうと不思議に思い始めた頃、やっと角野さんが再登場。

全身黒っぽいスーツ。黒シャツ。

こっちの方がいつものかてぃんさんっぽい。

MCはここのタイミングだったかな?
自作曲を演奏する話とか、椅子に座りながら鍵盤に囲まれていると安心する話をされていた。
表情も前半よりほぐれている。

大猫のワルツ

チェレスタで弾き始めたワルツは金属音が随分可愛らしい。
時々足でペダルを操作しているのが分かるが、初めて生で見るチェレスタの仕組みを理解していなくて効果が分からない。
何となくよく響いている気がするけど。

ねぴらぼ配信で初めて聴いた時は正直あまり独自性を感じなかったんだけど、何度も聴いているうちに情景描写が素晴らしいんだなと思う様になって好きになった曲。

前半と逆で現代ピアノで弾く想定の曲を古い楽器で弾くという意図なのねとnoteを書きながら気づいた(今更)。

どっちも全然アリ。
『〇〇をギターで弾いてみた』とかと同じで、別の楽器で演奏することで別の味わいが生まれるんだな。
よく知らないけどパガニーニの何とかとか昔からやってることと一緒ってことか。

パリのアメリカ人


MCをしながらトイピアノの影から赤い鍵盤ハーモニカを出してきたのはこのタイミングだったか曖昧。
手を使わずに吹き口を咥えられる様にホースの形が固定されているものは初めて見たかも。

なんか聴いたことがある曲。
軽快でトイピアノや鍵盤ハーモニカ、チェレスタと忙しく位置を変えながら演奏。
肩が柔らかいんだなと感心した。
どこまで原曲だったのか分からないけど、後半は結構アレンジされていたのかな?
これは即興なのかなと思いながら、だんだん音数が多くなってゴージャスになる音を聴いた。
(分かってなくてすみません🙇‍♀️)

終わった後男性の「ブラボー」の声。
前方でチラホラ立ち上がる人がいる。
勝手に遠征組さんかなと予想。
お辞儀をして角野さん一旦退場。

女性スタッフと按田さんが登場。
女性は鍵盤ハーモニカだったか何かを回収、按田さんはアップライトピアノのフェルトの辺りを取り替えて退場。

ボレロ

ステージがほぼ真っ暗になる。
若干まだパリのアメリカ人の余韻が残っていたが、真っ暗なまましばらく時間が経過。
客席も流石に静かになり、固唾を飲んで角野さんの登場を待つ。

やがて足音が聞こえてアップライトピアノの前に座る黒い影。

タッタタタタッタッタッ、タッタタタタッタッ…

始まった。

暗くて鍵盤も体の動きも見えないが、コラボ動画、YouTubeライブ、街角ピアノで弾いていたのは見たのでなんとなく次の展開を想像しながら聴き入る。

元々オケの曲として大好きだし、角野さんのピアノ1台アレンジも好きだが、複数の鍵盤を使ってどう盛り上げていくのかワクワクしながら聴いた。

そしてアップライトピアノの内側が下からぼんやりと青白く緑色にライトアップされて幻想的な雰囲気。(補足:柏崎公演では緑、2日後の上田公演では青でした)

内部のパーツが細く並んで魚の骨格の様でもあり、ライトアップされた夜の工場地帯を見ている様でもあり、幾何学模様的な美しさに見とれた。

でも始まってすぐの頃、すぐ後ろの席のお子さんが「タッタタタタッタッ…」と一緒に歌い出してびっくり。
どうも隣席のお母さんにこの音どうしてるの?と聞いている様子。
お母さんは何か答えていたが、どちらも割と普通の声で話していたので、意識がそちらに持っていかれてしまったのが残念。
この間20秒位。

ステージ上や周りの席の方に聞こえる音量だったかは分からないが、それ以上話続けることはなかったので安心して意識を集中させる。

進むにつれて少しずつステージが明るくなっていく。

アップライトピアノからグランドピアノ、チェレスタと鍵盤を変えながら展開していく。

同じフレーズの繰り返しの為、音量と音数だけで変化をつけるのに限界があるからということだと思うけど、面白いと思った。
体の向きを変えてすぐに目当ての鍵盤を押さえられるのもすごいし、やっぱり肩が柔らかいなと思った。

途中リズムが途切れる所で流れが一瞬止まった感じがあったのが気になった。

それでも体全体を使って時には飛び上がる様な動きをしながら音数が増えていき、最後の盛り上がりで前腕部分で打鍵するのとか(他の人で見たことはあるけどなんという奏法なのか知らない)、いつの間にか明るくなっていたステージと合わせて視覚的にもすごく興奮した。

最後の方はピアノが鳴っていて、その証拠に音に合わせて不調の左耳がずっとビリビリしていた。

終わった後結構皆さんスタオベ。
私は後ろの人が見えなくなると思って座ったまま頑張って拍手した。

ノクターン(アンコール)

アンコールは再びステージがうす暗くなって始まった。

アップライトピアノでノクターン。
MCは曲の前だったか後だったか。
「初出しの曲」と言った為、会場がおお!という声に包まれる。
他の会場で演奏しているものと同じだと思ったが、初めて見る人の為や音源化されていない為の発言だと思った。
特に「夜明け」等曲に対しての説明はなかったと思う。

※この発言でSNS上では一部混乱された方もいらしたのを認識されたのか、2日後の上田公演では「まだ音源化されていない曲」と説明されていた。

全く音楽知識がないので説明が出来ないが、少しずつ下がっていく和音が切ない。
この時点では坂本龍一さんの曲の様な雰囲気があって映画音楽みたいだなと思った。

ルマンドワルツ(アンコール)

ここでご当地MC。
柏崎と言えばブルボンと始まって客席から笑い声。
ブルボンのルマンドのCM曲を弾かせていただいていて…という感じの説明あり。
ルマンドは大好きなお菓子でとか、グッズのキーホルダーはルマンドカラーを基調としていると言っても過言では無い等の発言あり。

あとはツアータイトルのKEYSの話とかこれをきっかけに皆さんも新しい一歩を踏み出して欲しい的な良いことを言いかけてグダグダになったり。

完全にいつものかてぃんさん節。

ルマンドワルツはグランドピアノ。
SNSで皆さんが予想していた通りルマンドワルツが聴けて良かった。
関係者の方もいらしているんだろうと思った。

きらきら星変奏曲(アンコール)

ルマンドワルツがあったらきらきら星は無いのかなと一瞬思ったが、ちゃんとあった。

調はBm(後からSNSで他の方の記録を確認)。

残念ながら短調って言ってたけど、なんて言ったのか分からなかった汗

そして他の会場の動画を見ていないので、何がどう違うのか分からないが、かっこよかった。

途中客席から撮影音なのか着信メロディの様なものが聞こえたが、瞬時に取り入れたその反応の速さに驚いた。
直後だけでなく、そのレベルで演奏中の後半にも再びそのフレーズを出してきて、更に展開させていたのは素晴らしかった。
X上でもその場面の動画をアップした。

演奏中は撮影OKですとの話の時に客席がざわついたので、ある程度は初めての方がいらしたのかなと思う。
ただ前の席の年配男性は演奏が始まってからカーテンコールまでずっと撮影し続けていたのでちょっとモヤモヤした。

それでもかなりの人がスタンディングオベーション。
後ろをふりかえってみたら、後方席の方もかなり立っていてホール全体の熱気を感じて驚いた。

角野さんもホール全体を見渡したり上手、中央、下手と場所を移動してお辞儀をされている。

熱心な遠征組もいるとはいえ、柏崎でこんなに盛り上がるとはとは正直思ってなかった。

子供の頃両親が地元の芸協に入っていて、地元に来る演歌歌手や伝統芸能の公演に定期的に行っていたが、その人が好きだから行くというものではなかった為、ほとんどの人が座って見ているという話を聞いていた。
その為当地では興行をやりにくいと言われることがあるという話も。

数十年前の話だし、今はこんなに素晴らしいホールがあって、福間洸太朗さんの後援会があったり、ツィメルマンのコンサートが開かれる位だから、音楽等芸術に対する地元の方の意識は変化しているのかなと思った。
元々北前船で色んな文化が入ってきた土地だし。

なんにせよ、故郷で今一番の推しである角野さんをお迎え出来て本当に嬉しかった。
そして12日の上田公演の時に「去年に続いて戻って来られた」旨の発言を聞いて、またいつか「戻って来ました」という挨拶をして欲しいと思った。

終演後に撮ったステージ写真

終わりに

そんなこんなであっという間の2時間ちょっと。
夢の様な時間は終わりを迎えた。

田舎なので1時間後の電車を待つホームでしみじみとこんな田舎に来てくださってありがたいなと思った。
今まで自分が好きなアーティストは新潟市まで行かないと見られなかったから。

きっともっと世界中でコンサートが開かれる機会が増えても、世界各地の田舎に足を運ばれたりするんだろうな。
もしくはネットの配信で世界中の人達が楽しめる機会を作ってくれて、誰も置いてきぼりにしないんだろうな。

そんな取り留めもないことを考えながら長岡で乗り換え、新幹線で家路についた。

あと特にMCでは触れられなかったけど、駅前の歩道の地面が割れたまま修繕されておらず、地震の影響を感じた。
長く余震が頻繁していて、ホールの安全確認等もあり、実家の両親も中止になるのではないかと心配していた中で無事に開催されて本当に良かった。

次は2月12日長野(上田)公演。
2回目での気づきもあり、公開するかどうかは別として忘れないうちに記録出来たら良いなと思う。

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ここまで長文駄文をお読みいただき、本当にありがとうございました。

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