朝鮮の核放棄はありえない

 朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)という国は東西対立(共産主義圏と資本主義圏の対立)の狭間にありながら、ソビエト連邦崩壊後の西側にとっての仮想敵として、地政学的過大なリスクを抱えながらそれに対処する軍事コストを拠出することを強いられてきた。そうした中にあって朝鮮の長距離弾道ミサイル技術開発と水爆実験成功による朝鮮の核武装は、極東アジアの戦略図を大きく塗り替える出来事だった。
 現実に核武装後の朝鮮では軍人の地位が低下し、技術者の地位がより向上したため、不満を抱えた朝鮮人民軍の一部が軍事クーデターに走るのではないかという懸念さえあった。核武装によって朝鮮は、この終わりのない戦争にひとつの区切りをつけることができたのである。
 核兵器廃絶は全地球的課題であり、朝鮮の核武装についてもその課題の範疇であり、世界から核兵器と戦争が廃絶されることがない限り、朝鮮は核兵器とその運用能力を保持し続けるだろう。
「核武装国が核武装を解除した例は歴史にない」という事実が、この主張の根拠である。平和へ向けた取り組みとして人類は集団間の信頼を築き、段階的武装解除による軍事コストの軽減への道を模索していくほかないだろう。

(※これは筆写の私見であり朝鮮国の公式見解とは異なる)

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