見出し画像

着想と光明。

こんにちは、THEDDO ./スッド営業部長の天野です。

1年間、あーだこーだやってきました。荷物を搬出したり、草を刈ってみたり、空き家を前に立ち尽くしたり。一体、素人の私たちに何ができるのだろう。地域で活動をする人たちがよく口にする「空き家には手を出すな。」
やっぱり、そうなのだろうか。。。
ましてや私は、福留さんのような空き家の継承者(当事者)でもなければ、鍋ちゃんのように建築に詳しくもない。THEDDO.他メンバーに比べてもズブの素人。私のTHEDDO.での役割とは、、、?
THEDDO.としても、私個人としても迷走しながら模索を続けたり立ち止まったりする中、福留さんが国交省のソフト事業に応募し、採用していただくことになったのです。


改めまして、私たちはTHEDDO.です。

THEDDO.の福留、鍋田、天野

そんな状況の中、半泣きで(私だけ)、3人で立ち上げたのが、THEDDO.です。THEDDO.についての記事は、こちらをご覧ください▼

クリエイティブ・ディレクターの田中淳一さんと、山村テラスの岩下大悟さんが大隅半島に上陸!

先述した事業の一環として、来る1月17日(土)、待ちに待ったTHEDDO.講演会&クラフトワークショップが開催されました。
講師は、なんと、「地域の課題を解決するクリエイティブディレクション術」の著者である株式会社POPS クリエイティブ・ディレクター田中淳一さんと、長野県佐久穂町でセルフビルドによる超素敵な一棟貸の宿泊施設を運営する山村テラス岩下大悟さん。いやー、豪華な講師のお二人。ほんとにお二人が上陸したのか?今だに信じられません。
しかしながら、この講演会&クラフトワークショップを通して、事業として動き続けることが、流れ続けることが、そのままでは立ち尽くすことしかできない我々にとっては大事なことだと、改めて感じました。

講演会は我々THEDDO.のメンバーも参画する「NPO法人たがやす」が拠点を構える錦江町にある「ゲストハウスよろっで」にておこなわれました。地元首長、役場職員、移住者、新規就農者、ゲストハウス代表、経営者など様々な立場の方が集まってくださいました。

講演会の様子

淳一さん講演:地域に足りないのは、いい伝え方、いいものがたりの作り方。

淳一さんの言葉を借りると、クリエイティブ・ディレクターとは、「デザインや言葉、映像などのクリエイティブで 経済課題や社会課題を解決する職能を持つ人 」のことです。全国40もの自治体で、クリエイティブを武器に地域課題に向き合い続けています。
講演では、淳一さんが手がけた全国の事例を、映像なども交えたものがたりとともにご紹介いただきました。クリエイティブ・ディレクターのワークフローである「着想・企画・定着」により、丁寧に時間をかけた着想、地域や企業と共に練り上げた企画、積み重ねてきた定着のお話しを、一つ一つの事例からうかがうことができました。いきなり企画から入ってしまい、いつも迷子になってしまう私にとっては、淳一さんのクリエイティブワークのお話しは、大いに感銘を受けるものでした。
着想。大切な言葉に、出会うことができました。
空き家だけでなく地域を温かくする存在にすることを願って、 THEDDO.のコンセプトを考えてくださった淳一さん。これからも淳一さんの知見をお借りしながら、前へ前へ、進んでいきたいと思います。

田中淳一さんの著書「地域の課題を解決するクリエイティブディレクション術」めちゃくちゃ面白いです!クリエイティブの3原則、「着想・企画・定着」とは?

岩下さんが見る、空き家の過去と現在と、未来。

山村テラスの岩下さん。11月に私たちTHEDDO.メンバーも勉強の為、山村テラスのある長野県佐久穂町へ泊まりに行きました。とっても素敵な空間です。あの素晴らしさを言葉で伝える自信がないので、ぜひ素敵なHPをご覧ください(笑)

「田舎の空き家には不動産価値があまり無く、利益が出ないので不動産会社も手を出さない。大工さんも新築の方が作業速度が早いし、未知の部分が多い空き家に手を出したがらない。だから、空き家には熱量とセルフビルドの考え方が必要なんです。」と岩下さん。
「空き家を改修する中で時間軸が見えてくる。色んな状況を経ていることが想像できる。過去の経緯を尊重しつつ、今自分はこれを作りたいという思いを大事にしながら、将来の世代に恥ずかしくないものを作っていきたいと思っています。」
空き家の持つ、過去、現在、未来の時間軸。
岩下さんは、どんな着想をしてきたのだろう。

山村テラス代表の岩下さん。

岩下さんが目指していること。THEDDO.が目指していること。

また、山村テラスのHPに、こんな言葉を見つけました。

つくりたいのは、建物ではなく、その先にある一つの暮らし方や一つの生き方です。

山村テラスHPより

まさに、THEDDO.が目指していること。
ただ空き家を改修したいのではなくて、空き家を真ん中に置いて、地域課題に働きかけていきたい。
これからも岩下さんを師匠と仰ぎ、大隅半島の山村テラスを目指していきたいと思います。

笑い声によって、ホントに光が見えた。

講演会後の懇親会も、鳥刺し&カンパチ&焼酎で大変盛り上がったのですが、これについては割愛します(笑)
あくる日、岩下さんによるセルフビルドワークショップが開催されました。参加者全員で周辺を散策したり、お墓でご先祖様に挨拶をした後福留さんから空き家及びその土地の歴史を聞いたり、床板を剥がして建物の構造を見てみたり。
気付けば、空き家に多くの笑い声。
その笑い声に引き寄せられるかのように、空き家の昔を知る近くにお住まいのおばちゃんが偶然立ち寄ってくれて、思い出を話してくれました。知らなかった空き家の側面が見えて、笑い声が、さらに重なります。住んでいたお父さんと従兄弟のお兄さんが、生前はよくこの家でJAZZを聴きながら2人で焼酎を飲んでいた思い出を話してくれました。ちょっぴり泣きそうになりながらも、あたたかな笑い声がまた、重なります。

先述した通り、この1年間、空き家をぼーっと見ているだけでした。ネガティブな目で空き家を眺めてきました。でも、WSにおける参加者の皆さんの笑い声によって、空き家が光ったような、鼓動がしたような、長い眠りから目を覚ましたような、とにかく何かが始まった感覚を覚えたのです。同時に、自分の中で奮い立つ熱のようなものが、湧き上がってきました。光明、と言っていいのでしょうか。よくわかりませんが、確かに光が見えたのです。

1°の変革

「大きなことを変える必要はない。でも、目の前の角度を1°変えるチャレンジをし続ければ、3年後、5年後、10年後には大きな広がりになる。」講演会で岩下さんが話してくれたこと。
THEDDO.は在り方を含め、これからも多くの試行錯誤を繰り返しながら前に進む形になるかと思います。現実的な課題を潰しながら、また、一緒に活動してくれる皆さんの力を大いに借りながら、1°の変革チャレンジを楽しく続けていきたいと思います。
これからもTHEDDO.を、どうぞ宜しくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?