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Birthday.

生まれたくなかったと
後悔するほど
辛い人生だったし
難しい時代だったとおもう。

それでもこの平成という時間を
生き抜いて次へゆけるのは
ただひとりのおかげなんだ。

何もかも全て失って
16にして人生に絶望して
わたしにはもう守るものも棄てるものも
何も無い、
求める希望も残っていない。

そんなとき、

ほんとうに偶然が偶然を呼んで

わたしに生まれてきてくれてありがとうって
ただそれだけを
誕生日に言ってくれたひとがいたんだ。

わたしは先日から
恋愛の話をしていて
すきなひとの話もしたけれど
いまそういうひとができないでいるけれど
それでもわたしが
たまにすきなひとの話をするとき
指しているのはそのひとのことなんだ。

世界からいなくなりたくて
いる必要性もわからなかったわたしに
ちゃんと意味をくれた。
初めて肯定してもらえた。
嘘や裏切りばかりの世界で
ほんとうの愛情が何かもわからない環境で
ただそのひとの言葉だけが
わたしにとっての今も真実なんだ。

ここにいていいとおもえるのは
いられるのは
10年前のわたしに【生きる意味】をくれた
そのひとのおかげなんだ。

今頃どこで何をしているんだろう。
3月の冷えた日になると
とおく想いを馳せてみる。

桜吹雪かな、なごり雪かな。

わたしの心の瞳には
いつも春なのに
白い雪が降っているよ。

病院を出て初めて外の空気を吸った、
あの日のように、
静かにそっと、冷たいはずなのに、
何故か温かく、煌めいて。

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