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本屋さんに文庫本がこれしかない

この記事には1933年発表の短編のネタバレがほんのすこし含まれます。

とにかく頭に浮かんだことにすぐ手を付けないとどうしようもなくなってしまう人間で。
朝(もとい昼)起きて、洗濯機を回しているあいだにフレンチトーストを焼いてさあ食べようとしたらふと頭の中に男女が橇で夜氷の上を滑っていく風景で終わるあまりに美しい物語を読んだような記憶が蘇って、なんだっけと気になってしょうがない。
こんなときのために読んだ本のタイトルと作者と日付をエクセルにまとめています。約10年分。
去年今年と本を読むなら英語で読もうと心がけていて読書量ががくんと減っているのだけど、もともと隙あらばすぐ本を読む人間なのでなかなかボリューミー。
フレンチトーストをもさもさ食べながら(お行儀)、記憶を掘り起こしながらタイトルを追っていく。
そんなに最近じゃない、何年か前に読んだ気がする。
日本の少し古い作家だった気がする。
しかしさかのぼれどさかのぼれど一向にピンとこない。

フレンチトーストを食べ終わりコーヒーを飲みながらさらに考える。
短編集のまんなかへんに入っていた気がする。
なんだか地名、そう、日本人が出てくるけど日本の話じゃなくて、
ロシア、というかソ連、満州?漢字で書いてあって、
そんな作品がいくつか入っている短編集、
何が出てきたっけ、えっと、そうだ、浦塩。ウラジオストク。
ここまできたら検索だ。こんなときこそ文明の利器だ。
『日本 小説 浦塩』
でグーグル検索、一番上に出てきたのは夢野久作『死後の恋』。
なんだか覚えがある。たぶん読んだ。しかしエクセル検索で死後の恋は出てこない。
それではと夢野久作で検索すると、
2021年8月30日に短編集『少女地獄』を読んでいる!!!
でも氷の場面はこの話じゃない、この話で始まる短編集のまんなかへんに入っていた気がするんだけどな。
と今度は少女地獄で検索するも、入っている短編のタイトルにピンとこない。
短編集は特に古いものは連作でもない限りあくまで短編を集めたものなんだもんな。いろんなところが出している。その本を見付けなければいけない。
図書館で借りて読んだはずなので、図書館のホームページで検索すると、
東京創元社の傑作集『少女地獄』は『死後の恋』からはじまる!!!
そしてその4本目に見付けた『氷の涯』にピーーーーーンと脳みそが反応する。これだ!!!!!

そうとわかったらいてもたってもいられない。
この話を読まないといられない。
なるべく早く読まないといけない。
アマゾンで注文しようとするも、到着は明日の午前中。
同じ短編集は図書館移送になるけれど、『氷の涯』が入っている全集なら最寄りの図書館においてある。
在架マーク。よし、ちょっと行ってこよう。

と、飲みかけのコーヒーを置いて、徒歩7分の図書館へ行くも、暗い。
うっかりしていた、休館日。
でもどうしても今日読まないといけないので、
そこからさらに10分の町の本屋さんへ行く。
そして文庫コーナーに行き、びっくりする。
あれ、文庫本がこれしかない。それも目立つのはほぼラノベ。
もちろんラノベはなにも悪くない。わたしもよく読んだ。
純文学や古典の方が高尚だともまったく思っていないし、人気があってみんなが欲しがるから場所をとっているのである。
しかしそれにしてもそれ以外の小説の文庫がない。夢野久作はラノベじゃない。当然ドグラマグラしかない。
でもしょうがないのである。わたしには何も言えないのである。
この町に住んで数年経つのにいま文庫本の少なさに驚いたということは、いままでそこの本屋さんで文庫本を買おうとしたことがないということ。
売れないものを置いておくスペースは小さい本屋さんにはないのである。
元書店員のくせにほしい本はすぐアマゾンで買ってしまうわたしは、
ライブに行かずCDも買わず解散ライブが発表されて「えー好きだったのにー」と引用リツイートでつぶやくやつと何も変わりないのである。

なのであきらめ、えっちらおっちらそのまま近所の本屋さんをさまよう。
こんなに小説を求めてまわるのは浅田次郎プリズンホテル夏を初めて読んだときぶりではないか。
(夏、秋、冬、春の4冊ある)
途中で目眩がして頭が痛くなってくる。
そうだ夏だ。脱水だ。自動販売機でやたら甘いオレンジジュースを買って飲みながら歩く。
日焼け止めを塗ってきてよかった。
でもちょっと近所のつもりだったから適当なサンダルを履いていて足が痛い。
2軒まわっても見つからず、そのまま歩いて最寄りの繁華街に向かう。
完全にすっぴん。汗を拭くハンカチもない。
ここで見つからなければこのドロドロの姿のままで大きい書店のある百貨店に入ることになるがいたしかたない、と思いながら入った大きい個人経営の書店で、

ついに見つけた!!!!!

見付けたときちょっと泣きそうになった。あまもりはすぐ泣く。

ありがとうの意を込めて無駄に三島も買って、足を引きずり家へ帰る。足首痛いしすりむけてる。
しかし気分は軽いので帰りにスーパーに寄りたまごもアイスもおせんべいも鶏肉も買う。
そして2時間半の旅路から帰還。
さあ、おせんべいを食べながら読むぞ!!!

と手を洗おうとしたら、洗面所でとっくに洗濯を終えた洗濯機が無言で待っていた。
そうだ、15分で帰るつもりだったんだ。
ごめんな、と思いながらいそいそと干して座ると、
窓辺に飲みかけのコーヒー。ちなみに窓は開けっぱなし。
2センチ残ったコーヒーはぬるかった。

次のライブはこちらです!!

06/27(火)
咲耶pre.
『"shining in the melody" vol.2』
東新宿真昼の月夜の太陽
open18:30/start19:00
¥3500+1drink・配信¥2300
投げ銭あります
出演 amamori、伊藤詩織、RIHO
出演時間 20:05頃
ご予約はこちら!

咲耶ちゃんが照明当ててくれる企画の第二弾!
とってもすてきな日になると思う。ちょう来てほしい!!!

この日やるかわかんないけど最近まただらだらと曲を書いています。
そうすると日本語が恋しくなる。
いつまでたってもむつかしいけれども、わたしはやっぱり日本語が好きです。

振り返りつづき!

04/06(木)
『配信版ウダガワガールズコレクション vol.441』
渋谷gee-ge.
open18:00/start18:30
前¥2500/当¥3000 +1drink・配信¥2000
出演 amamori、荒牧リョウ、朱里乃、れいな、凪ノ雫
出演時間 20:05頃

*セトリ*
ササガワさんは言いました。
梅雨が明けない
逃避行

深夜1時南池袋ベローチェの陰で君を待つ
夜が見てた
パセリが枯れた!

ジージでライブでした!
これはしゃべるあまもりと手の残像。

そしてその週末には愛知へ!

知多半島のお祭りで蜂鳥スグルさんのシャンソンや幼稚園小学校のみんなたちのアンパンマンとかの伴奏。

なんだかとてもよい時間だった。
外で演奏するのも気持ちがよくてとても好き。
お天気よくてよかった!スグルさんはしっかり日焼けしてた。

ところで行きの豊橋駅の階段にシロクマがいました。
たぶん落ちてたのを誰かが見つかりやすいところに置いてくれたんだと思う。
どうなったのかわからないけど、持ち主に出会えていてほしい。
まだ汚れていないとてもきれいなクマだった。

おしまい。

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