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雲部!vol.42 かはたれどき

お久しぶりです。3か月以上ぶりです。

山村暮鳥の詩を読んでいて気になる言葉がありました。

独唱
かはたれの
そらの眺望の
わがこしかたの
さみしさよ。

そのそらの
わたり鳥、
世をひろびろと
いづこともなし。

『山村暮鳥全詩集』彌生書房

「かはたれ」とはなんだろう?
広辞苑に出ていました。

かわたれ
「かわたれどき」の略。
【かわたれ時】(薄暗くて、彼は誰か、はっきりわからない時の意)明け方または夕方の薄暗い時刻。…以下略…

『広辞苑』第七版 岩波書店

うっとりしました。
色も形も描かずに、夜明けや夕暮れを言い表す言葉があるのですね。

かわたれどき、と呼べそうな時間の空の写真を探してみましたが、これではもう明るすぎるでしょうか。夜明けの写真なのですが。
かのひとが、誰かどうかわからないほどの仄暗さ。

明るさが溢れ、手元の機器からも常に光を浴び続けている今、
仄暗さの中で、しばし気持ちを鎮めるひとときを
求めたい。そう、おもいます。


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