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雲部!vol,1~「雲」の字を持つことば

雲部!はじめての投稿です。頭上の雲を愛でるとともに、言葉や文学、科学など色々な視点から楽しむ”部活動”を立ち上げました。(部員は私ひとりですが…)

ではさっそく。
先日、手元の辞書で「雲」を最初の文字としたことばを調べてみました。
4冊調べたのですが、見出し語だけでなんと200以上のことばがありました。その中で、古語辞典の中にこんな言葉がありました。

雲の鼓(くものつづみ)

「かみなり」のことだそうです。(注1)古語ではありますが、現代でも使ってみたい表現だな、と思います。ちょうどいま、東京では雷が鳴り響いています。雲が鼓を打ち鳴らしていると思えば、その音を楽しむこともできそうな気がします。

「雲」の字は実に様々なジャンルのことばに使われていることがわかりました。下記はその一例です。

◇もののたとえ


雲の梯(かけはし)~たなびいた雲をかけはしに見立てて言う語(注2)
これは私たちが見たままの雲の様子ですね。ですが、
雲に梯(かけはし)~(雲に梯子をかけるように)望みの達しがたいことのたとえ。特に恋についていう。(注3)
なのだそうです。「の」が「に」に替わるだけで、ずいぶん意味合いが変わるのですね。
ところで、私が「雲に梯」のような心持ちになったのは…どれくらい前だろう(笑)

◇建築用語

雲形斗栱(くもがたときょう)~雲斗と雲肘木とを組み合わせた斗栱(注4)
意味を読んでも、ちょっと想像しにくいですね。建築用語だそうです。法隆寺など飛鳥時代の建築物に使われている意匠のようなものでしょうか。

◇魚の異称

雲子(くもこ)~鱈の白子の異称(注5)
形状が似ていることから、だそうです。お店によってはメニューに載っているのかもしれませんね。粋だなあ。

冒頭に書いた200以上のことばの中には人名や地名などの固有名詞も含まれるのですが、それでもこんなに多くのことばがあることに驚きましたし、それにもまして雲好きのひとりとしてとても嬉しくなりました。古来、雲を見上げては、もの思いにふけったり、物の形に当ててみた人がたくさんいたということですものね。親近感を感じます。

今度は、「〇〇雲」ということばを探してみようと思います。
それでは、明日も素敵な雲がみられますように!

注1、3 『旺文社 古語辞典』新版 旺文社 1981年
注2、4、5 『広辞苑』第七版 岩波書店 2018年



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