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雲部!vol.24 雲好きさんの本、みつけました

こんにちは ご無沙汰の投稿となります。
あまみのそらです

冒頭に載せたのは最近撮ったものです。「し」「し」って見えますか?
「し」の写真です。それだけです(笑)
これがきれいにU字になっていたら馬蹄雲と言われるものになるようです。
それはまた、今後のおたのしみ。

最近、活字の世界で新たに、雲好きさんが書かれた本を見つけました。

クラフト・エヴィング商会としても活動されている吉田篤弘さん著『雲と鉛筆』です。

この本は、鉛筆工場で働き、たまに鉛筆できまぐれに絵を描く主人公の日常や、友との語らいが穏やかに描かれる作品です。一節、一句のことばが詩のようでもあり、喫茶店で静かに流れる音楽のようだな、とも感じます。

物語の中では、「人生」という綽名の、主人公の友人がこんなことを言います。

「・・・いや、本当のところ、繰り返しというのは錯覚に過ぎなくて、じつは、誰にも気づかれないくらい少しづつ変化している。微妙な変化。微妙な更新。そいつを見逃してはならない。その微妙な変化を察知できるのは、われわれ人間だけなのだから」
人生はそこで休符を入れるように小さく息をついた。
「ゆっくり動いていく雲の流れや、無限に変化する黒でも白でもないその間の色を鉛筆で描いていくこと。それと同じだよ 」
(『雲と鉛筆』より引用)

この本では他にも、鼠色の色合いの話が出てきます。雲の灰色に惹かれる私としては、これもまた友を得たようでうれしくなる記述でした。(雲部!vol,5~灰色の雲を讃えてみる

あとがきを読むと、著者の吉田さんは確かに、雲に関心がおありとのことで他にも『百鼠』『クラウド・コレクター』など、雲にまつわるご著書がおありだとか。ぜひそちらも読んでみようと思います。

さて、それでは最近撮ったものです。
夕方の写真なのですが、飛行機雲が長ーく一本伸びていました。

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しばらくこちらに見とれていたすが、よく見まわすと陽が沈む西側ではなく、東側の空にかけて縦に青い線が雲を突き抜けるようにとおっています。

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これはもしや反薄明光線になるのでは、と思い陽が沈んでいくのを待ちましたが、残念ながらこれ以上の光線にはなりませんでした。

それでも、西から東にかけて青い線が横切っている姿を見上げていると、
本当に空が大きなドームのように感じられました。
そしてまた、空がつながっている、ということも。
いい空でした。

画像3

※吉田篤弘著『雲と鉛筆』筑摩書房 2018年

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