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NHKラジオ全国生放送で奄美群島日本復帰を語る

【活動報告】NO.002

R4_024 松岡由紀 さん(徳之島)

奄美群島日本復帰70周年を迎えた令和5年、NHK鹿児島は奄美群島復帰70年「つむぐ、あしたへ」キャンペーンを展開しました。「NHKスペシャル」や「ドキュメント72 hours」などNHK総合の看板番組から県内番組含め、奄美大島や徳之島などの島々を舞台に自然や文化をきめ細かく扱い、数ヶ月に渡り日本復帰70周年を日本全体へ広く発信する取り組みでした。

そのキャンペーンの締めくくりとして、復帰70年目に当たる令和5年12月25日、徳之島交流ひろばほーらい館ホールで「かごしまの夕べ 島ラジオ~奄美群島復帰70年~」公開全国生放送が行われました。

奄美群島が本土復帰して70年の節目のこの日、日本から分離された奄美の島々の人たちの暮らしや苦悩を共有し、その中で「復帰運動の父」である伊仙町出身泉芳朗の復帰運動の意義を改めて考え、またその人柄を偲ぶのが前半の60分間でした。

私はその60分間のメインパーソナリティを務め、食糧難に見舞われた実態や8年間に渡った米軍統治下の人々の暮らしについて解説し、泉芳朗議長が率いた非暴力、署名、ハンガーストライキなど極めて民主的な祖国復帰運動がいかにして成し遂げられたのかの説明を行いました。

鹿児島大学「奄美群島環境文化教育プログラム」を受講してきたことによって、これまで以上に他の島々に足を運び、それぞれの土地のキーパーソンから深い学びを得ることで、日本復帰70周年に向けてもこれまで知られてきた歴史の裏側を知る機会に恵まれ、全国放送の場面でも自信を持って70年前の奄美群島の様子を語ることができました。

これまで伊仙町の職員として、移住者でありつつも自分の自治体を起点に他の島々を見てきていたのが、このプログラムを受講し実際のフィールドワークを行なってきたことで、他の島の歴史を含めた多くの事柄が、より自分事として感情に訴えてくる場面が増えました。日本復帰70周年という大きな節目に、このような大役を果たすことができたのも、このプログラム受講と時を同じくしてタイミングが巡ってきたのが、一つの大きな要因と感じています。


番組の後半は、米軍統治下の苦しい生活の中で、島の人々の心を支えた島唄や新民謡の生演奏でした。徳之島の唄者やアーティストが披露した演奏には、会場を埋めた島の人々も聴き入っていて、私もこれから若い世代に、このような事柄をどうやって伝えて行こうか、深く考える貴重な機会となりました。


会場の様子

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