【声劇台本】強女達の戦闘宴
強女達の戦闘宴(きょうじょたちのせんとうえん)
気づけば神音舞輝は、謎の場所にやってきた
そこは知っているようで知らない場所
様々な5人の強女(きょうじょ)達がそこに集う
5人 女 20分~30分程度
バトルもの
神音
・神音(ピスラトルーパー状態)
天罰
バレット
スマイリー
斬光
ヒデじい様の声劇台本置き場にもあります
神音:……ここは? 街、かしら?
神音:……私は、確か……
神音:……思い出せない。でも、任務の途中だったはず……
神音:でもこんなところじゃ、なかったような……
天罰:そこの者
神音:っ?
天罰:見慣れない恰好だな。何者だ?
神音:私は、神音(かみね)……それ以外は……覚えてないわ……
天罰:何? 貴様もか?
神音:えっ? 貴様「も」ということは、あなたも記憶がないの?
天罰:ああ……。そもそも、ここはなんだ?
神音:分からない……調べる必要がありそうね
神音:良かったら、あなたも一緒にどう?
天罰:協力しろと?
神音:ええ。お互いに、場所も、記憶もない。なら、分からない者同士、一緒にそれを探したほうがいいと思って
天罰:ふっ。いいだろう
天罰:私は、天罰(てんばつ)だ
天罰:私と相対しても動じぬその態度、気に入った
神音:それはどうも
天罰:騎士に向いているぞ
神音:騎士?
天罰:知らないのか? ……いや、そもそも、記憶がないんだったな。このような話をしても、意味はない
天罰:……なら、さっそく……っ?
神音:……あっちから、誰か来る?
スマイリー:待ってよ~! まだ追いかけっこするの~?
バレット:ちっ……あんたのヘンテコマジックが厄介なんだよ、そりゃ逃げるっての!
スマイリー:でもたまには、抵抗してほしいなぁ~
バレット:だったら一発、浴びとくかい?
バレット:っ、チャイルショット!
0:バレットは振り向き、スマイリーに向けて銃弾を放つ
スマイリー:抜楽円満(ばつらくえんまん)
0:スマイリーはヒュン、と瞬く暇もなく消えた後、また出てきた
スマイリー:当たらないよー
バレット:ほれ、見たことか!
スマイリー:もっとちゃんと当てないと~……殺されちゃうよ?
スマイリー:抜楽円満(ばつらくえんまん)!
バレット:っ! マジか……!
スマイリー:いただき~!
0:スマイリーの槍がバレットに刺さりかけた時、天罰が割って入り、槍を止めた
スマイリー:っ!?
天罰:公の場で人を襲うとは、見過ごせないな
スマイリー:おっと~! すっごいねその剣! ビリビリしててかっこいい~
スマイリー:ていうか誰?
天罰:天罰(てんばつ)だ
バレット:助かった……悪いね
神音:大丈夫?
バレット:あぁ……ちっ、あのガキ……、厄介な攻撃ばっかりしてきやがる……
スマイリー:良かったね~! 協力してくれる人たちが居て~!
スマイリー:ほんとはもっと鬼ごっこしたかったけどねぇ~、にゃははは!
天罰:その表情に、笑い方……いけ好かない
スマイリー:え~!? 僕、敵扱いされてる~!?
天罰:見ればわかる
天罰:貴様は、本物の下衆(げす)だ
スマイリー:うわぁ、ひっどーい! 僕はただ追いかけっこしてただけだよ~?
バレット:よく言うぜ。見つけたら散々にヤろうとしてた奴が。殺し屋よりタチが悪いよ、全く
スマイリー:もう、下衆とか殺し屋とか、物騒だねぇ。でもそこのお姉さんはどうかな……?
神音:残念だけど、天罰と同意見よ
神音:平気な顔で人を殺そうとしている時点でおかしいわ
スマイリー:むぅ~! なに? じゃあ「悪い子にはお仕置きしちゃうよ~!」って?
天罰:ああ。お望み通り、天罰をくれてやる!
天罰:雷帝術(らいていじゅつ) 第1番
天罰:「ボルテックブレイク」!
スマイリー:おお~!! びっくりしたぁ!
スマイリー:普通に斬りかかっただけなのに、おっそろしい電気の量だねぇ!
神音:剣から、電気を……? ピスラの武器、じゃないわよね……?
バレット:はぁー。なんだか不思議な世界にでも迷い込んだ気分だぜ
神音:あなたは……ええと
バレット:あぁ、自己紹介が遅れたな。あたしはバレット
神音:神音よ。……それであなたは、ずっとあの子の相手を?
バレット:あの子? そんな可愛い言葉似合わないぜ、あのガキには……
スマイリー:あははは~! おもしろーいおもしろーい! さっきのもっかいみせてよ~!
天罰:舐め腐った態度をしおって……!
バレット:ずっと、あんな調子で、追いかけられたもんさ
バレットこっちも撃って対抗するけど……どうなってんだか。まぁ普通の人間じゃねえわな……
神音:もしかして、ドウル?
バレット:ドウル? なんだそりゃ?
神音:ごめんなさい。こっちの話。
神音:その、もしかしたら人間の姿をした……何かしら。化物だと思って
バレット:確かに。超能力でも持ってるかってくらい、あっちこっちワープするわ、変な槍は出してくるわで、そういう意味じゃ化物だな。よくわからねえガキだ……
神音:どちらにしろ、加勢をするわ
神音:ピスラシステム、起動
0:神音の声に合わせ、腕につけた装置が光り、神音を水色のオーラで包み込む
0:その後、体中に機械的な装備が取り付けられ、一振りの刀を持っている神音の姿があった
バレット:おぉぉ!!? すっげぇ……なんだいこりゃ?
神音:「ピスラトルーパー」……愛と平和を守るための力よ
バレット:ひゅぅ~、いいね。そのサイボーグっぽい見た目
0:
天罰:ぐっ……ちょこまかと動きおって……!
スマイリー:威力がバカでかいけど、ずっしりずっしり。一歩一歩動きが重いよね~。避けるのもラクチン
神音:水波刃(すいはじん)!
スマイリー:おわっ!
0:スマイリーは再び消えて、神音の攻撃を避けた
神音:大丈夫?
天罰:あぁ……どうにも動きを、捉えづらくて、苦戦を強いられる
スマイリー:あれ~! 君も来るの~!? もう、そしたら3対1じゃーん
バレット:だったら、そのまま退散したらどうだい……!
バレット:チャイルショット!
スマイリー:よっ……と! 残念でした、べろべろば~!
バレット:はっ、可愛くねえよ、クソガキ……。っ?
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ) 「ペインニードル」
バレット:神音、避けろ!
神音:っ!?
0:神音がバレットの掛け声に反応し、迫ってきた光の針をギリギリで避けた
斬光:惜しかったわ
神音:何……今のは?
斬光:人間が……1,2,3……4体……ふふ。楽しみがいがあるわね
神音:もう1人……?
バレット:あんた、何者だい?
斬光:斬光(ざんこう)。魔族よ
バレット:まぞ……く? ……ってなんだ?
神音:まさか、ドウル? いえ、違うわよね……?
天罰:魔族……初めて聞くな。クリーチャーなのか?
斬光:知らないの? じゃあその魔族の力、味わってみたらどう?
0:斬光は口角を上げ、手に光を形成する
バレット:マジかよ……あいつも、なんだ? 超能力者か?
神音:次から次へと……
天罰:油断するな。明らかに只者ではない。攻撃の意志も十分に感じ取れる
バレット:もしかして、あのガキとおんなじ、悪い匂いがするって?
神音:見た目と喋り方からして、味方じゃないわよね、明らかに
バレット:はぁー。殺し狩りのキャリアに、とんでもない経歴が刻まれそうだぜ
天罰:ただ、やることは変わらない。このまま打ち倒す
斬光:いいわ。ほら、その痺れそうな剣でやってきなさいよ。返り討ちにしてあげるから……!
天罰:雷帝術 第5番
天罰:轟雷(ごうらい)落とし!
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ) ペインニードル!
0:天罰の剣と斬光の針がぶつかる
スマイリー:おぉ? これは、互角か!?
天罰:ぐっ……! 図太い光の……剣、いや、針か? これは
斬光:そう。あなた、重たそうだから、合わせて針も、これくらい大きくしてあげたほうが、ぶっすり刺せると思って!
天罰:黙れ、下衆(げす)が!
天罰:貴様のような輩などに、強者は敗れぬ
天罰:我が雷の前に、失せろ!
斬光:はぁ? なに急に吠えてんのよ。そういうの、キモいから……!
0:斬光が剣状の光針で、天罰の剣を弾いた後、光が一瞬で足へ移動する
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ) ペインフィーター!
天罰:っ! 今度は足から!?
斬光:おとなしく、跪きなさい!
天罰:ぐっ……!
神音:なれば……横からっ!
神音:水転 空烈斬(すいてん くうれつざん)!
斬光:無駄よ
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ)ペインズクロー!
神音:ぐ……ぁっ!
天罰:神音っ!
神音:っ、大丈夫よ……!
斬光:水の攻撃? ちょっと、あなたのせいで服が濡れたんだけど?
バレット:だったらおうちに帰って、そのお気に入りの服でも洗っときな
バレット:砕き抜かれろ! デストスナイピング!
斬光:ちっ、遠距離から……!
スマイリー:ちょっとちょっと~! 急に楽しそうな事始めないでよ~!
スマイリー:……って、まぁー確かに観戦も非常に好きだけどぉ。今日は僕、戦いたい気分なんだよね~!
斬光:……あなた、どこかで見た顔ね
スマイリー:そう? 初対面じゃない?
斬光:……そうだったかしら
スマイリー:ていうか君さ、すっごーいヴィランな顔してる! 正直、見ていて面白かったなー!
0:スマイリーはすぐさま、斬光の隣にくる
スマイリー:僕はスマイリー。んでさ、いま3対1で、僕が不利なのよ~
スマイリー:良かったら協力してくれないかな?
斬光:……ふふ、いいわ
斬光:あなたをいじめるのは、なんとなく可哀想だから
スマイリー:へ?
斬光:なんでもないわ、なんでも
天罰:どうやら、あの二人は手を組んだようだな
バレット:だな。はぁ、バケモンばっかりで、骨が折れちまうったらありゃしない
0:斬光とスマイリーが話している間に、神音は、天罰とバレットに声をかけた
神音:天罰、バレット。ひとついい?
天罰:なんだ?
神音:すぐそこの建物、わかる?
0:神音が首を振って、場所を教える
バレット:あの館か?
神音:一度あそこに入って、作戦を立てましょう
天罰:どう入る? 奴らが何もせずに、見逃すとは思えないぞ
神音:天罰。直接ダメージは与えられなくていい、技をたくさん放って
天罰:当てる必要はないのか?
神音:ええ。暴れ散らして結構。
神音:そこに出来た一瞬のすきを見て、館に入り込む
天罰:なるほど……分かった
神音:天罰の攻撃の後、私とバレットが先行する
神音:その後、天罰が私達のあとにつづいて……
バレット:ってことは、天罰が逃げれるように援護すりゃいいんだな?
バレット:で、そのあとは?
神音:入ってから話すわ
天罰:なればさっそく……!
斬光:……へぇ、本当に雷を落とすつもりね
天罰:雷帝術(らいていじゅつ) 第18番
天罰:空破雷光(くうはらいこう)!
天罰:雷の裁き、しかと受けろ!
スマイリー:いやだよーん! はっ、抜楽円満(ばつらくえんまん)!
0:天罰が技を、二人に向けて放つ
スマイリー:ってうわっ! 放ちすぎじゃない!?
斬光:……っ? あいつら……?
0:斬光は腕で視界を防ぎながらも、横目で館へと向かう二人を見つけた
斬光:へぇ……こすいことするのね
天罰:今のうちに行け!
バレット:ああ!
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ) トラッカーペイン
天罰:っ! あやつ、気づいているか……!
神音:あれは……こっちに向かって!?
バレット:だったらまとめて撃ち落とすさね!
バレット:連なり弾け、ガトリングアサルト!
0:バレットは連射式の銃で、斬光の放った弾を撃ち落とし、斬光にそのまま放ち続ける
スマイリー:ひゃぁ! 弾が盛りだくさん!
斬光:ちっ……!
バレット:天罰! あたしが援護する。はやく!
天罰:あぁ……!
0:
スマイリー:あーあ。入っちゃった
斬光:楽しそうね、あなた
スマイリー:もちろん! だってあいつらのさ、無様に逃げてる姿、面白くない?
斬光:逃がすだけじゃつまらないわ
斬光:「痛い、苦しい」って悲鳴を聞きたいじゃない
スマイリー:わーお! 怖い事いう~!
スマイリー:さながらサディスト系ヴィランかな? にゃはははは!
0:斬光は、何かを思い出したように、スマイリーを見た
斬光:……やっぱり
スマイリー:へ?
斬光:何となくだけど、思いだしたわ
スマイリー:あれ~? ここの事、知ってるの?
斬光:いいえ。もっと違う事
スマイリー:どういうこと~?
斬光:いずれ分かるわよ、きっと。覚えていたらね
スマイリー:うわぁ、そうやって自分だけ知ってる風な態度、余裕満々
斬光:先のことを知ったら、つまらないでしょう?
スマイリー:先のこと……あぁ! さっきの3人組のこと?
スマイリー:僕達に殺される未来が、君に見えてるってジョークでもかましたいのかな? なーんて!
斬光:「殺される未来」が、ジョーク……ね
斬光:ぶっ、くく……はははは……あっはははははははは!
スマイリー:あれれ~!? 急におかしくなっちゃった~!?
スマイリー:でも、うん! いい感じに気分がノってきた
スマイリー:歌でも歌おうか! いや、自分で歌を作ってしまおうか! にゃはははは!
0:スマイリーが笑いながら館へ向かう。その後ろ、斬光は1人呟いた
斬光:……くく、本当に、本当に面白いめぐり合わせね
斬光:……まぁいいわ。せっかくだもの。この状況を楽しみましょう……!
0:
0:
バレット:いい具合に笑い声が響いてくるぜ。気味わりい
天罰:あの斬光とやらは、光を使った多彩な攻撃が多い……。一件、細い攻撃に見えるが、とんでもない。まともに対処しなければ、やられる
バレット:このあとどうするよ?
神音:そうね……出来ればここで応戦したいところだけど
天罰:すまない。入ったところで悪いが……このような狭い空間で戦うのは、少々苦手なものでな
バレット:気にしないで雷をぶっぱなしまくる、とか?
天罰:建物が崩れて、下敷きになるだろうな
バレット:だよなぁ
神音:バレットは、建物の中はどう?
バレット:特に問題ないよ。むしろ、障害物がある方がやりやすい。当たれば、ね
神音:当たれば?
バレット:その……あたしも天罰や神音みたいにさ、派手なことができりゃいいけど、使えるのは銃くらいだ。さっきまで戦ってたスマイリー相手にも、翻弄されっぱなし……役に立たないのが眼に見えてる
バレット:悪いね、助けてもらった身なのに
神音:謝ることはないわ。それより、これからどう戦うかが、大事よ
天罰:奴の場合は光を魔法のように自在に操れる……。私の雷帝術と比べると、斬光のほうが、立ち回りに関しては上だろうな……
バレット:だったら……天罰と、神音の後ろから援護するって方法も考えたが……スマイリーもいきなり消えるから、どう来るかわからないし、どうしたもんか
神音:……なら、私がおとりになるわ
バレット:おとり?
神音:ええ、引きつけるのよ
0:
スマイリー:かくれんぼ~かくれんぼ~、怖くないから出ておいで~
斬光:どこにいるのかしらね?
スマイリー:出てきて、お願い~
斬光:出てこないなら……
スマイリー:こっちから行っちゃいましょ~!
斬光:斬光の痛技……ペインズレーザー!
スマイリー:わおわお、わーお! 斬光のピカピカが、鋭ーい上に真っ直ぐビューンって飛んでいく!
斬光:3人丸ごと貫通してしまったかしらね?
神音:残念ながら、それはないわ
0:神音が壁からさっそうと現れたと思いきや、武器を既に構えていた
神音:水刃撃(すいじんげき)烈(れつ)!
斬光:ぐっ……! 急に、出てくるじゃないの……退屈してたわ
神音:っ、! 光の形状を変えてっ……止められた
斬光:さっきの雷女(かみなりおんな)と違って、随分と素早い動きね。こんな建物の中でも、器用じゃない
神音:もう一撃……水刃撃(すいじんげき) 斬(ざん)!
斬光:でも、ちょこまかと、うざったいわ……!
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ) ペインウィッパー!
神音:今度は鞭(むち)……!
スマイリー:当たったらいったそーう
斬光:ほら、ほーら!
神音:くっ……旋回して……物陰に!
斬光:どこにいくのかしら?
スマイリー:なーんだ、出てはきたものの、すぐに追い詰められそうだねー、この状況
斬光:つまらないオチだわ……っ?
0:斬光が角を曲がったところに、1人待ち構えていた
天罰:雷帝術(らいていじゅつ) 第25番
天罰:天雷一閃(てんらいいっせん)!
斬光:ぐっ……こざか、しい!
天罰:怯(ひる)みを見せたな! 斬光!
斬光:ダメージを与えられたからって……調子づいてんじゃないわよ……!
神音:よし……押せる!
スマイリー:じゃあこれでどうかな?
神音:っ!
スマイリー:抜楽円満(ばつらくえんまん)
スマイリー:後ろだよ~!
神音:今よ! バレット!
バレット:やらせねえさ
スマイリー:……っ?
バレット:砕き抜かれろ
バレット:「デストスナイピング」
0:バレットが放った銃弾が、スマイリーの体を撃ち抜いた
スマイリー:ぐっ……ぅ
バレット:ナイスだぜ、神音。ピンポイントで、スマイリーがいい位置に来た
スマイリー:……痛い……痛いじゃないか!
バレット:先に殺そうとしたのはどっちだよ
スマイリー:この! 死んじゃったらどうするんだい! 馬鹿なのかい!
バレット:殺し合いしてるんだ。今更何言ってんだい?
0:バレットは神音にこえをかける
スマイリー:何この展開……ストレスたまるんだけど……!
バレット:なんだ? 槍が……火の玉に!?
スマイリー:抜楽円満……爆(ばく)!
スマイリー:だったらまるごと、爆発しちゃえ!
神音:やらせない!
0:神音は刀を構え、周りに水が纏われる
神音:青き調和へ、周り穿(うが)つ!
神音:水波 螺旋突(すいは らせんとつ)!
スマイリー:ぐっ……あぁぁ!
0:
斬光:斬光の痛技(ざんこうのつうぎ)……ペインズクロー!
天罰:鋭く……獰猛(どうもう)な攻撃だ……しかし!
天罰:雷帝術(らいていじゅつ) 第1番
天罰:ボルテックブレイク!
斬光:ぐっ……!
天罰:私の雷帝術を受けて、まともに戦えるような余力は持ち合わせていまい
斬光:はは、まるで勝ったような台詞ねぇ、それ
天罰:現に、貴様の技より、私の技が通っている。それを実行した、神音の作戦勝ちだ
天罰:この差であれば、勝利は見えているぞ、斬光
斬光:……クソが
バレット:……なんだ? 地震?
神音:建物が、崩れる?
天罰:いや……違う? この空間全体か!?
斬光:……終わりってこと?
斬光:つまらない幕引きだったわね
スマイリー:次に……会った時は、絶対に仕留めてやるからな……お前ら
バレット:せいぜい言ってろ、ガキ
スマイリー:……にゃはは、その言葉、覚えたからね……!
0:斬光とスマイリーの体が、粉のように段々と消えた
バレット:負け犬の遠吠えじゃねえか、ったく
神音:……急なお別れ、ね
天罰:貴様には助けられたな……ありがとう。神音
バレット:同じく。神音が考えた作戦のおかげだな
神音:いいえ。みんなで協力したからよ
バレット:にしても、随分、出際がよかったじゃないか
神音:慣れてるから
天罰:腕がたち、指示も出来る。騎士になれば優秀な名前付きになれるかもな
神音:名前付き?
天罰:強い者達のことを、そう呼ぶ
天罰:もちろん、バレットもだ
バレット:あたしは剣なんて扱えないよ
バレット:それに……ナイト様なんて役職、あたしには向いてない
神音:それでも、貴方が居なかったら勝てなかったわ。遠距離役は必要よ
バレット:そいつはどうも
天罰:……もう、時間のようだな
バレット:あぁ。あばよ
神音:じゃあ、また、どこかで
0:神音たちは空間が崩れると同時に、体が消えていった
神音:……
神音:……夢?
神音:……どんな夢、だったかしら
神音:……っ、もうこんな時間
神音:行かないと
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