「やがて嘘は世界になる」

シナリオっぽく書いてますが
ただただ、出てきた断片を拾い上げて書いたものです

結末も完成形もこれとは大きく変わると思います

読みたい人はお好きにどうぞ

名切(なきり) 男
琉階(るしな) 女
瀬良(せら) 女
船原(ふなばら) 女
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琉階:『先輩は完璧なんです』
琉階:『だから大好き、ずっと好き』






名切:お前は、誰を見ている






瀬良:『さすが私が見込んだ男』
瀬良:『名に恥じない振る舞いを』





名切:お前は、誰を見ている





名切:目障りな甘い香りが
名切:俺の体に溶けていく




船原:『私のいた所って、白い港があるの』




名切:ああ、いや、もういいのか


名切:意志はいらない


名切:「何かが欲しい」なんて思う必要はない


名切:現実は回っている


名切:そこに「ほんとう」がなくても


名切:人は笑うし、人は悲しむし、人は喜ぶ





琉階:『今日も一日、ご苦労様でした』
琉階:『もしよかったら、今度……』




名切:そいつにとっての真実なら

名切:虚構になってもいいじゃないか




瀬良:『私の婿になりなさい』
瀬良:『最高を、もっと最高に』



名切:そいつが前向きになれるなら

名切:虚構になってもいいじゃないか


名切:全部



船原:『名切くんは、夢を見ているの?』



名切:……そうだ


名切:夢を


名切:夢を見ていた


名切:一度しか来たことがない砂浜で

名切:両親がいない平らな海岸で

名切:地平線の向こうに、白い港が見えるんだ

名切:それはどんどん大きくなっていって

名切:港が港じゃなくなっていって

名切:海が白く染まっていて

名切:俺の仮面の中に、潮風が入り込んでくる



名切:そうして目を開けたら

名切:世界が広がっているんだ



名切:白い砂浜

名切:白い海岸

名切:青が消えた白い空


名切:ああ

名切:ここか

名切:たとえ虚構だとしても

名切:俺の現実だと

名切:だから

名切:これでいい



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