詩「HOLY"D"」



歌がきこえた

でもそれは、一瞬で泣き声にかわる

「やめて」

「いたい」

「くるしい」

俺の脳裏に、言葉がナイフのようにえぐってくる

彼女の姿が、ぽつりと見えた

涙を流す

滴り落ちる

俺はそれをぬぐったあと

目然の敵をほうむる

彼女がいたいというたびに

笑う大人を一人殺し

彼女が苦しいというたびに

笑う大人を一人、殺す

殺して、殺し

壊し尽くす

その先に見えるのは

その先に見えたのは

ひたすらに綺麗で、何もない空だった

世界の定義は、自分が決める

正しさも、間違いも

全てひっくるめて、壊しつくし

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