【短編小説】宝箱の中に住んでいる人
巨大な宝箱があり、その中に入っている人。
ツタンカーメンの話では無い。
自分は宝物だ。10代中盤で生まれた想いを大切に持ち、実際に宝箱を作り、その中で1日10時間生活している人。
寝る時は実家に帰る。仕事の出勤のように、時間になると置いてある横長の宝箱の中に入って、寝そべり続けている。
宝箱の中で寝ればいい気もするが、この人にとっては宝箱の中に住む事が人生だ。人生を寝て過ごしてはいけない。
場所は、山の奥地。定位置に置いてある宝箱。誰かが見つけて開けてくれるのを待つ。鍵は