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メタバース進化論を読んでみた感想

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※本記事は僕が運営しているブログの転載記事です。
転載元はこちら

こんにちは。あまねこです。


バーチャル美少女ねむちゃん(以下ねむちゃん)が「メタバース進化論」を出版されました。

個人的に買うと決めていた+どうやら世間でメタバースというワードが流行しているので、それに乗っかって感想を書くことにしました。

というのも、2021年10月くらいにFacebookがMetaに社名変更し「これからはメタバース企業になるぜ」と言い始めました。

それからというもの、VRヘッドセット被ったことないような人が書いた胡散臭くてしょうもない本が出たり(主観です)、Google検索結果で上位表示されている記事がアテにならない(主観です)世紀末みたいな時代を迎えています。


そんな時代に救世主として現れたのがねむちゃんの本です。


バーチャル美少女ねむとは


最古の個人勢バーチャルYoutuberであり、元仮想通貨民であり、美少女であり、インフルエンサーであり、歌手であり、AV女優であり、ブロガーである。おまえは誰だ…


2017年からバーチャルYoutuber(通称Vtuber)と呼ばれる「アバターを身にまとって活動しているYoutuber」として活動開始。2022年の今でも精力的に活動されているというか、ねむちゃんの5年のVtuber人生の中で最高潮な所にいるような気がします。


そんな彼女が出版した本が「メタバース進化論」です。


これはもう読むしかない。ということでメタバース住民視点の感想を述べていこうと思います。


完璧なメタバースは存在しない


著書の概要ではメタバースを下記の7要件で定義づけています。

メタバースの7要件(引用)
1.空間性
2.自己同一性
3.大規模同時接続性
4.創造性
5.経済性
6.アクセス性
7.没入性

これらの要素を抑えたうえで「このメタバースはこの要素が強いけど弱いポイントもある。全てを満たした完璧なメタバースは存在しない」と本書で最初に結論付けられています。

メタバースとしてみなされているもの(一部引用)
・VRChat
・Neos VR
・cluster
・バーチャルキャスト
・TheSandbox
・Decentraland
・Roblox
・どうぶつの森
・FF14
・SNS
・その他


このどれもが完璧なメタバースではない。何かしらの要件で「メタバースと呼ぶには課題がある」と評価しています。


例えば、TwitterやInstagramのようなSNSはスマホから簡単に開ける「アクセス性」が強いですが、自室のような立体的な「空間性」は持っていませんしスマホから簡単に目を離せるように「没入性」が低かったりします。


本書では「NeosVRが最もメタバースに近い」としていますが「しかし、非常にスペックの高いPCが必要だったり、ひとつの部屋に16人しか入れないという「大規模同時接続性』に課題がある」と記述しています。


僕はVRChatメインで活動しつつ、Clusterに時々足を運でいますが、僕の視点から見てもその通りだと思います。VRChatで大規模イベントが開催されて「数十万人の来場!」というニュースをたまに見ますが、コミケのようにひとつの空間に数十万人が集合できる訳ではないんですよね。


話しが長くなりましたが、上記のように「完璧なメタバースは存在しない」ということ。

書籍として(しかも比較的最初のほうに)主張してくれたのは、同じメタバース住民としてとても嬉しいですね。


メタバースに必要なインフラ


本書の概要では「メタバースではこんな技術が必要だよ」と記されています。

メタバースに必要な技術(引用)
・通信技術
・サーバー技術
・映像処理技術
・シミュレーション技術
・空間情報記述
・身体情報記述
・音声情報記述
・経済情報記述
・AI技術
・ほか

多すぎますね。どれも漢字ばかりで難しいように見えますし、実際に難しいです。


これを見るだけで「ああ、やっぱりメタバースは未来の技術の話なのか」とガッカリする方も多いと思いますが、こんな課題だらけの世界でクリエイターが大量に生まれているのがメタバースの世界なんですよ。


かくいう僕も、メタバースがきっかけでブログを書き始めましたし、今はメタバースフォトグラファーとして生活できる事を目指して活動しています。ライティングも撮影も立派なクリエイティブです。


これは僕の意見ですが、技術的課題とクリエイター活動は分離して考えるべきだと思っています。8bitしかないファミコンからマリオやドラクエが生まれたように「技術的課題が残るから素晴らしい作品は生まれない」という理屈は通らないと思います。


本書では「今のメタバースは旧石器時代」と述べており完全同意です。しかし、ここからレールガン並みの超スピード波に乗って創作ができると思うとワクワクしませんか?


メタバースで生きるという事


本書の後半ではメタバースで生きることの実態を紹介しつつ、どの様な文化が発展しているのか、そのような経済が生まれているのかを書かれています。ポイントは未来の話でも別世界の話でもなく、そういう日本人が普通にいるという事。僕もその一人です。


例えばメタバース空間ではアバターとして生活するので、性別、肌の色などあらゆる身体的制約やコンプレックスから解放されます。


性別が関係ない世界での恋愛コミュニケーションは一体どのようなものなのか。

全員美少女しかいない世界で恋をする時、現実と同じくらい顔が大事なのか。


後半は本書のトロ部分だと思っているので、あえて詳しく書かないでおきますが、体験している僕の感想としては、楽しくてしょうがないです。


買うなら実本がオススメ。


僕はKindleではなく実本を購入したのですが、マジで満足しています。

実本のいいところ
・表紙が格好良い
・全ページフルカラー
・1,980円

フルカラーで1,980円は控えめに言って安すぎる。どうしたのねむちゃん。どうしたの技術評論社。


1冊の本としても破格ですし、内容も含めればとんでもない価値があると思います。僕なら3,500円でギリ買うレベル。


メタバース住民として安心してオススメできる1冊なので「しっかりメタバースを勉強したい」という方は、メタバース進化論、いいですよ。


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