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夜行バス

私は極度の乗り物酔いをする人で、中学生の頃に飛行機で体調を悪くしてから車、バス、新幹線、船、など自転車以外基本的に乗り物酔いになってしまう。

乗り物酔いの薬に書いてある乗り物に乗る1時間前に服用するという決まりを忠実に守っても、乗り物酔いに効くツボを赤くなるまで押しても効果は無い。

トラウマと自覚してなくても体がトラウマと認識しているらしい。
だが私はこの素晴らしい田舎に住んでいて、東京に行く時は長時間移動が必要不可欠である。

確かに新幹線は乗り物の中でも私にとっては最弱な方で、寝ることができれば天国であるし調子が良ければ酔わない唯一の乗り物の為、できれば新幹線に乗りたい。
だがどうも私はケチであり、交通費にお金をかけるより旅先で財布の紐を緩めたいタイプの為、私は夜行バスで東京まで行く事を選ぶ。酔って気持ちが悪くなったとしても。

ここまで夜行バスについてさんざん言ってきたが私は夜行バスが好きなのだ。
矛盾が生じているが、なぜ好きか?と聞かれると明確に答えが出ない。

恐らく、好きな人と急に会ったときに心拍数が上がってなんとも言えない感情になるそれと似ていると思う。

言葉には表せないけど確かに「好きだ」と確信するあの感じは私にとってまさに夜行バスなのだ。

暗い真夜中に狭い座席に座り、安全に着くのか、本当に大丈夫かと不安な気持ちと朝が来る楽しみ、その日起きる事を想像して胸が高鳴る気持ちが入り混ざり、そこにきのこ帝国の東京という名曲をイヤホンで流せば完璧だ。

途中休憩でサービスエリアに着いて、とくに用もないのにお土産のコーナーを散策しながらアメリカンドックなんか買って帰って、車内で食べたら匂い充満しちゃうけどまぁこれも夜行バスあるあるって事で大目に見てよと思いながら静かにケチャップとマスタードをかけるあの感じ。罪悪感と幸福感って同時に味わうと絶頂になるみたいですよ。

この世には不思議な気持ちになる場面がある。
それは言葉では表すのが難しくて人に伝えるのが大変である。


でもこの不思議な感じが同じポイントで共感できる人と私は人生を共にしたい。


つまり私の異性のタイプは感覚が似ている人と目に光が無い人でとりあえず決まりという事です。
 


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