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"金欠"音大生のコンサートにクラファンした話~演奏会のお金事情
起業家でビオラ弾きのあると🎻(Twitter: @alto_va)です。
先日、"金欠"音大生のコンサートにクラウドファンディングをしました。
【""金欠""音大生が奏でる!珠玉の吹奏楽コンクール課題曲】
— Dream Winds Japan (@dreamwinds_jp) March 21, 2024
どうしても「いいコンサート」をするにはお金がかかります、、😭
今回は団員の能力活かしたリターンを考えました!
みなさまぜひともドリームウィンズをよろしくお願いいたします🙇🏻♀️https://t.co/3ua6JSMDzB
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大した金額ではなく極めて少額なのですが、私にとって初めてのクラウドファンディングでした。
クラウドファンディングしようと思った理由は、学生さんがチケット収入以外の収入源確保に挑戦しているのにもかかわらず、(私からすればなぜか)Twitterで批判を受けていて気の毒で、応援したくなったからです。
音楽とお金の話
寄付や税金が音楽文化を支えている
音楽、芸術は古今東西、寄付や税金によって支えられています。
古くはハイドンは王室お抱えの作曲家でしたし、ベートーヴェンには絶えずパトロンがいました。
現代では元ZOZOの前澤さんがストラディバリウスのバイオリンを所有していて先日TV報道ステーションで話題になったHIMARIちゃんに貸与しています。
また、東京・赤坂にあるサントリーホールはその名の通りサントリー(と森ビル)が所有して音楽家たちに貸し出ししているホールです。
日本国内のプロオーケストラの事例
日本国内のプロオーケストラも、演奏会におけるチケット収入のほかに様々なところから支援を受けています。
国内のプロオーケストラ40団体が加盟している日本オーケストラ連盟の資料によると、2022年度に40団体計287億円の収入のうち、チケット関連収入が152億円(53%)で過半数を占めるものの、国や自治体からの支援が71億円(25%)、民間・個人からの支援が55億円(19%)と、税金や民間からの支援も半分近くを占めています。(*1)
今回の"金欠"音大生のコンサートのお金の話
話を戻します。
今回のクラウドファンディングは、音大生が吹奏楽の演奏会を行う、その一部費用をクラウドファンディングにて募るというものでした。
演奏会開催にかかる費用
吹奏楽やオーケストラの演奏会の開催には、出演者への報酬を除き、およそ50万円~300万円ほどの経費がかかります。
主なものとしては本番のホールおよび練習会場の使用料で、他には広報関連費用、楽譜レンタル費用、楽器使用料、楽器運搬費、当日スタッフ費用などです。
今回の演奏会での経費は、出演者への報酬を除き、本番会場や練習回数などを想像すると50万円~100万円程度なんじゃないかと想像します。
演奏会で得られる収入
それに対して主な収入はチケット収入になります。
チケット収入は、チケット代×販売数で計算できます。
今回の演奏会のチケット代は学生1,000円、一般1,500円なので、仮に半々で1,250円とします。
販売数は本番会場の横須賀芸術劇場の小ホール(ヨコスカベイサイドポケット)の座席数が500人程度のようなので、そこに7割のお客さんが入ったとして350人。
今回の演奏会では、1,250円×350円=43万円がチケット収入として見込まれます。(音大生の方のコンサートは客席が空いていることもしばしばあるので、もう少し少ない可能性もあります)
収支をどのように改善させるか
つまり、収入43万円に対し支出50万円~100万円なので、赤字です。
500席全席完売できてやっとトントンになるかどうかです。
しかも、ここには出演者への報酬が含まれておりません。
趣味でしたら赤字分を団員から徴収すれば終わりです。
でも今回の演奏会の出演者は音大生、大学を卒業したら演奏することで収入を得て生計を立てていこうとする方たちです。
まだ勉強中の身ということで、仮にお金はもらえなくとも、持ち出しがあるというのはできれば避けたいのも当然です。
そこで何とか赤字分を補填するために考えたのがクラウドファンディングだったのだと思います。
クラウドファンディングに思うこと
今回の演奏会の広報などの情報を見ているかぎりでは、支出を抑える方法も、チケット収入を最大化させる方法も、チケット収入以外の収入を得る方法も、正直まだ余地はあるとは感じます。
しかしながら、収支を改善させる方法を模索して、その一つとしてこのようにクラウドファンディングを行っていることを否定・批難することは決してできませんし、このように模索し実行していることを支援・応援したいと思いました。
日本ではまだまだお金を稼ぐことがあまり良しとされません。
特に芸術・クラシック音楽の分野において、"ボランティア"が横行していたり、学校で技術は教えどお金の稼ぎ方はあまり教えていなかったりします。
その結果、演奏水準が高くても仕事やお金に結びつけられていない人もいれば、逆に演奏水準はそこまで高くなくても上手に営業することで仕事やお金を得ている人もいます。
日本のプロバスケットボールであるBリーグでは、「競技人口を増やして、そうするとチームが強化できて、その結果稼いでいく」という従来のプロスポーツの順番・考え方から、「まず稼ぐことで、そのお金を原資に、世の中に普及させたり、チームを強化させたりしていく」という順番・考え方に転換させて、事業を成功させているそうです。(*2)
この考え方はオーケストラや吹奏楽団でも参考になるのではないかと考えています。
お金があれば、よりよい奏者と、よりよい環境で、より多くの練習をして、よりクオリティの高い演奏会を行うことができます。
今回の演奏会でも、よりよい演奏会にするために、そのために収支を改善させるために、できることを考え実行していくのは素晴らしいことだと思い、今回の支援をさせていただきました。
終わりに
書いているうちにとりとめのない話になってしまいました。
私は一般大学を卒業して趣味でビオラを弾いているだけですから、誤った認識なども含まれているかもしれません。(その場合は訂正や取り下げ等いたしますのでご指摘いただけると大変ありがたいです)
しかしながら、代表の私がアマチュアながらもクラシック音楽に携わっており、弊社としても音楽業界の発展に貢献したいと考えているのは紛れもない事実です。
何か力になれることがあれば、またご相談でも、お気軽にX (Twitter: @alto_va)からDMをいただければと思います。
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noteのフォローとスキ、X (Twitter: @alto_va)のフォローも、どうぞよろしくお願いいたします。
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*1
日本オーケストラ連盟2022年実績資料による。
国や自治体からの支援には特に東京都交響楽団や京都市交響楽団など母体となる自治体からの収入も含み、民間・個人からの支援には特にNHK交響楽団のNHKからの助成も含めて、再集計しています。
*2
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