「ふくしゅー」しようぜ! #46
第7回の「ふくしゅー」。予選問題の後半です。
予選第11問
答え ②,④
解説
広背筋は胸椎の真ん中から骨盤の後ろあたり、肩甲骨の下、肋骨の下にわたる、大きめの筋肉である。大円筋、大胸筋と協調して上肢の動きに作用する。
②チンニング いわゆる「懸垂」。
「チン」とはchin、顎先のこと。
バーを順手で、かつ肩幅の2倍ほどに広げて握って行うとより効果がある〔らしい〕。
④ラットプルダウン 広背筋〔latissimus dorsi〕を引き下げる〔pull down〕ことによって行うトレーニング。
腕の力で引っ張ろうとするのは間違いであり、上体を大きくそらすのも初心者には向いていない方法である。
一方、
① ヒップレイズ
腹直筋や大臀筋に効く
③ サイドベント
腹斜筋に効く
⑤ ハンマーカール
上腕二頭筋〔「力こぶ」のこと〕、腕橈骨筋、上腕筋に効く
⑥ バックプレス
三角筋に効く
予選第12問
答え プレー全体がゴールに向かっているか
解説
DOGSOは、"Denying Obviously Goal Scoring Opportunity"の略。
1990年のFIFAワールドカップ・イタリア大会をきっかけとして競技規則に盛り込まれ、2007年の競技規則改正では「ファウルと不正行為」内の一項目として説明がなされるようになった。
日本では、2018年の改正で括弧書きされるようになったこと、VAR(Video Assistant Referee)の導入により映像として得点が阻止されたとみられる事象を客観的に確認できる機会が増えたことで広く知られるようになったと考えられる。
先日〔2023年6月15日〕行われた国際親善試合「日本vsエルサルバドル」では、前半2分エルサルバドルのDFによるプレーが四つの要件を満たしておりDOGSOとしてレッドカードの提示とともに日本へPKが与えられた。〔以下のツイート内動画冒頭〕
ただし、主審によりアドバンテージ〔攻撃側が反則となりうるファウルを受けても得点する機会を有し続けている状態〕を取ったときは決定的な得点の機会を阻止したと言えないことから反スポーツ的行為としてのイエローカードとなる。また、ペナルティエリア内でDOGSOと判断されるファウルがあった際、ボールへのプレーであると判断されたときはイエローカードが提示されることがある。〔これは「PK」「退場」「次の試合への出場停止」という三重罰が重すぎるとの意見があったためとされている〕
一方、四つの要件のうち、一つでも満たさないときはSPA〔Stop a Promising Attack:大きなチャンスとなる攻撃の阻止〕となり、このときも原則としてイエローカードが出される。
予選第13問
答え 量子もつれ(量子絡み合い、量子エンタグルメント)
解説
アラン・アスペ〔Alain Aspect フランス〕、ジョン・クラウザー〔John F. Clauser アメリカ〕、アントン・ツァイリンガー〔Anton Zeilinger オーストリア〕によって研究がなされた。
量子は一般的な粒子の性質を持ちながら波としての性質も持ち合わせている非常に小さな物質〔$${10^{-9}メートル}$$くらいの大きさ〕またはエネルギーである。量子は高校までに学んできたような物理法則が通用せず〔これを「古典力学では説明できない」とざっくり言う〕、独特の「量子力学」という法則に基づいた振る舞いをする。
例として、とある結晶に光が当たると左右に分割され、分割された先で縦方向にだけ進むか横方向にだけ進むかのいずれかに必ず分割されることが分かっているものとする。
このとき、結晶の右側で縦方向にだけ進む光を観測したならばこれはもともと右に進めば縦方向にだけ進むことが決まっているものを観測したにすぎず、またその結果左に進んだ光は横方向にだけ進むものとわかる、というのがこれまでの考え方だった。
しかし、量子の世界では結晶によって左右に分割されても縦と横のどちらにだけ進むのかは決まっておらず、観測によって「初めて」確定する。
これが「量子もつれ」と呼ばれる状態。「量子もつれ」の研究を進展させると突破が極めて困難となる暗号通信への利用や遠く離れた場所への情報伝達が可能になると考えられている。
〔この部分の「ふくしゅー」はここを参考にしました。〕
予選第14問
答え 雑賀
解説
和歌山県和歌山市の地名。
〔一文目〕 聖武天皇が紀伊国に行幸した際、供奉〔≒同行〕していた藤原 房前により詠まれたものとされる。
現在、番所庭園内に歌碑が建てられている。
〔二文目〕 雑賀衆は、紀伊国北西部の雑賀荘、十ヶ郷、中郷、宮郷、南郷の五地域を主な拠点としていた自治組織で、世襲されるような首領がいたわけではない。
後ろ三郷は土壌が安定しており、農林業に勤しんでいた一方、前二つは海運や貿易に携わるかたわら当地を治める守護大名である畠山氏に請われて傭兵としての役割を果たすこともあった。
また、一向宗〔ここでは浄土真宗本願寺派を指す〕を信仰するものが多かったことから石山本願寺が織田信長と交戦した際には石山本願寺側についたとされる。
〔三文目〕 「日本のアマルフィ」と言われだしたのはここ最近のこと。斜面地に家が建っている理由としては自らの船の様子を家から確認できるようにするためとされている。
〔四文目〕 和歌山市を含む和歌山県第一区は、平成21年執行の第45回総選挙から〔民主党→〕国民民主党が議席を有していた。しかし、令和4年11月執行の和歌山県知事選挙に当該議員が出馬したため欠員となっていた。
そのため、令和5年4月23日に補欠選挙が執行されることとなり、岸田文雄内閣総理大臣も自由民主党総裁として同党候補の応援演説に訪れた。このときに襲われた。
予選第15問
答え ヒュー
解説
〔オモイカネ杯あるある……問題文にそれなりの説明があって解説する隙がない〕
そこで、よく「ヒュー」がつく色と元の色の原料について触れることにする。
ビリジアン 緑系の色。二クロム酸カリウム〔あるいは二クロム酸アンモニウム〕に重量比で4倍以上のホウ酸を加えたあと、700℃前後で焼成し熱湯で洗浄、これを乾燥させて得られる。
コバルトブルー 青系の色。酸化コバルトと酸化アルミニウムを1200℃で焼成して得る。
予選第16問
答え B
解説 正答となるBの地図はメルカトル図法。1569年にベルギー出身の地理学者ゲラルドゥス・メルカトルが発表した地図に用いられたことからそう呼ばれるが、それ以前に用いられた地図は存在する。
十分に狭い範囲内においては方角は正しい。ただし、高緯度に向かうにつれて拡大率が大きくなってしまうため、距離については最短距離を示さない。
A ミラー図法 スコットランド出身の測量家オズボーン・メイトランド・ミラーにより1942年に発表。
メルカトル図法における縦方向の拡大率を修正したもの。しかし、この結果角度が正確ではなくなった。
C モルワイデ図法 ドイツの天文学者カール・ブランダン・モルワイデにより1805年に発表。
楕円形で表されるのが特徴で、任意の経線を短径、赤道を長径として示される。〔残りの経線は楕円弧、緯線については赤道との平行線で表す〕また、任意の場所2ヶ所における面積比が実際の面積比と等しくなるように描かれる。
D グード図法 アメリカの地理学者ジョン・ポール・グードにより1923年に考案された。
おおよそ40度以上の高緯度地域をモルワイデ図法、低緯度地域をサンソン図法〔経線が正弦曲線($${y=\sin x}$$のグラフ)となっている〕で描いたもの。ひずみが発生するため、その部分に断裂を入れている。
E 正距方位図法 地球上の任意の点を円の中心として、他の場所への距離と方位が正しくなるように描く。しかしながら、遠くなるにつれてゆがみが大きくなるという欠点がある。
予選第17問
答え コレステロール
解説
1769年、フランス人化学者フランソワ・プルティエ・ド・ラ・サールが胆石から発見したことからその名がついた。
人間では肝臓で主に産生されており、脂肪酸エステルの形をとって、血液中をリポタンパク質によって輸送されている。
従来は、身体に溜まっていくと良くない働きをするものを悪玉コレステロール、逆に身体中に多いと〔比較的〕良い〔とされる〕ものを善玉コレステロールとして呼びならわしていたが、現在では肝臓から末梢へと向かうものをLDL〔Low Density Lipoprotein〕、末梢から肝臓へと向かうものをHDL〔High Density Lipoprotein〕と表すようになっている。ちなみに、HighかLowかというのはタンパク質と脂質のバランスを示していて、HDLはタンパク質の割合が高くなっている。
メタボリックシンドローム診断基準内の脂質において、低HDL血症としてHDLが40mg/dL未満であることが示されるとともに、脂質異常症〔平成19年に高脂血症から変更〕においてはLDLが140mg/dL以上の場合は高LDL血症と診断される。
予選第18問
答え 〔下図の通り〕
解説
注意すべき点は二つ。
1. 東北新幹線の小山駅-大宮駅間において茨城県古河市と猿島郡五霞町を通過すること。〔当該区間に駅はない〕
2. 九州新幹線の博多駅と久留米駅の間に新鳥栖駅〔佐賀県〕があり、かつ停車すること。
これらを踏まえた通過順は以下の通り。
北海道(新函館北斗、木古内)
青森県(新青森、七戸十和田、八戸 、二戸)
岩手県(いわて沼宮内、盛岡、新花巻、北上、水沢江刺、一ノ関)
宮城県(くりこま高原、古川、仙台、白石蔵王
福島県(福島、郡山、新白河)
栃木県(那須塩原、宇都宮、小山)
茨城県〔先述〕
埼玉県 (大宮)
東京都(上野、東京、品川)
神奈川県(新横浜、小田原)
静岡県(熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松)
愛知県(豊橋、三河安城、名古屋)
岐阜県(岐阜羽島)
滋賀県(米原)
京都府(京都)
大阪府(新大阪)
兵庫県(新神戸、西明石、姫路、相生)
岡山県(岡山、新倉敷)
広島県(福山、新尾道、三原、東広島、広島)
山口県(新岩国、徳山、新山口、厚狭、新下関)
福岡県(小倉、博多)
佐賀県(新鳥栖)
福岡県(久留米、筑後船小屋、新大牟田)
熊本県(新玉名、熊本、新八代、新水俣)
鹿児島県(出水、川内、鹿児島中央)
ちなみに、途中下車をせず淡々と乗り換えだけを考えると12時間ほど5万円くらいかかる。〔飲み物、駅弁代別〕
予選第19問
「萬屋」に代表される〔その他有名なものに市川宗家の「成田屋」などがある〕屋号は、江戸時代初期にこれまで非民とされてきた歌舞伎役者が良民として生計を営むにあたり始めた商売の屋号が元になっている。
舞台が盛り上がりを迎えたタイミング等で掛かる掛け声を「大向こう」と言い、この屋号を発するのが一般的。
一方、『超歌舞伎』とは中村獅童発案のもとドワンゴの提案により初音ミクらボーカロイドとの共演を実現させた特別な公演。
最新技術を用いながらも、演奏される音楽は昔からの義太夫節を用いることもある。
なお、デジタルツインを含め、この公演はNTTが技術協力をおこなっていることから、敬意を込めてNTTの主な業務内容に絡めた「電話屋!」の大向こうが掛かる。
予選第20問
答え 〔後述〕
解説
「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」〔昭和49年法律第57号〕第二条により、以下の要件に該当するものについて経済産業大臣が産業構造審議会の意見を聞いて指定し、経済産業省告示により公表される。
1. 主として日常生活の用に供されるものであること
2. その製造過程の主要部分が手工業的であること
3. 伝統的な技術又は技法により製造されるものであること
4. 伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること
5. 一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること
令和四年経済産業省告示第190号までに240品目が指定されている。〔以下、一般財団法人 伝統的工芸品産業振興協会HP内「伝統的工芸品について」伝統的工芸品指定品目一覧「都道府県別」より、単独都道府県で指定されているものを並べたあと複数にまたがって指定されているものについて記載する〕
北海道 二風谷イタ、二風谷アットゥシ〔注:「シ」は本来小書きにする〕
青森県 津軽塗
岩手県 南部鉄器、岩谷堂箪笥、秀衡塗、浄法寺塗
宮城県 宮城伝統こけし、雄勝硯、鳴子漆器、仙台箪笥
秋田県 樺細工、川連漆器、大館曲げわっぱ〔注:例として出ているため細字のまま〕、秋田杉桶樽
山形県 山形鋳物、置賜紬、山形仏壇、天童将棋駒
福島県 会津塗、大堀相馬焼、会津本郷焼、奥会津編み組細工、奥会津昭和からむし織
茨城県 笠間焼、真壁石燈籠
栃木県 益子焼
群馬県 伊勢崎絣、桐生織
埼玉県 春日部桐箪笥、岩槻人形、秩父銘仙、行田足袋
千葉県 房州うちわ、千葉工匠具
東京都 村山大島紬、東京染小紋、本場黄八丈、東京銀器、東京手描友禅、多摩織、江戸和竿、江戸指物、江戸からかみ、江戸切子、江戸節句人形、江戸木版画、江戸硝子、江戸べっ甲、東京アンチモニー工芸品、東京無地染、江戸押絵、東京三味線、東京琴、江戸表具
神奈川県 鎌倉彫、箱根寄木細工、小田原漆器
新潟県 塩沢紬、小千谷縮、小千谷紬、村上木彫堆朱、本塩沢、加茂桐箪笥、新潟・白根仏壇、長岡仏壇、三条仏壇、燕鎚起銅器、十日町絣、十日町明石ちぢみ、越後与板打刃物、新潟漆器、越後三条打刃物
山梨県 甲州水晶貴石細工、甲州印伝、甲州手彫印章
長野県 信州紬、木曽漆器、飯山仏壇、松本家具、内山紙、南木曽ろくろ細工、信州打刃物
岐阜県 飛騨春慶、一位一刀彫、美濃焼、美濃和紙、岐阜提灯、岐阜和傘
静岡県 駿河竹千筋細工、駿河雛具、駿河雛人形
愛知県 有松・鳴海絞、常滑焼、名古屋仏壇、三河仏壇、豊橋筆、赤津焼、岡崎石工品、名古屋桐箪笥、名古屋友禅、名古屋黒紋付染、尾張七宝、瀬戸染付焼、尾張仏具、三州鬼瓦工芸品、名古屋節句飾
三重県 伊賀くみひも、四日市萬古焼、鈴鹿墨、伊賀焼、伊勢形紙
富山県 高岡銅器、井波彫刻、高岡漆器、越中和紙、越中福岡の菅笠、庄川挽物木地
石川県 加賀友禅、九谷焼、輪島塗、山中漆器、金沢仏壇、七尾仏壇、金沢漆器、牛首紬、加賀繍、金沢箔
福井県 越前漆器、越前和紙、若狭めのう細工、若狭塗、越前打刃物、越前焼、越前箪笥
滋賀県 彦根 仏壇、信楽焼、近江上布
京都府 西陣織、京鹿の子絞、京仏壇、京仏具、京漆器、京友禅、京小紋、京指物、京繍、京くみひも、京焼・清水焼、京扇子、京うちわ、京黒紋付染、京石工芸品、京人形、京表具
大阪府 大阪欄間、大阪唐木指物、堺打刃物、大阪仏壇、大阪浪華錫器、大阪泉州桐箪笥、大阪金剛簾、浪華
本染め
兵庫県 播州そろばん、丹波立杭焼、出石焼、播州毛鉤、豊岡杞柳細工、播州三木打刃物
奈良県 高山茶筌、奈良筆、奈良墨
和歌山県 紀州漆器、紀州箪笥、紀州へら竿
鳥取県 因州和紙、弓浜絣
島根県 雲州そろばん、石州和紙、石見焼
岡山県 勝山竹細工、備前焼
広島県 熊野筆、広島仏壇、宮島細工、福山琴、川尻筆
山口県 赤間硯、大内塗、萩焼
徳島県 阿波和紙、阿波正藍しじら織、大谷焼
香川県 香川漆器、丸亀うちわ
愛媛県 砥部焼、大洲和紙
高知県 土佐和紙、土佐打刃物
福岡県 小石原焼、博多人形、博多織、久留米絣、八女福島仏壇、上野焼、八女提灯
佐賀県 伊万里・有田焼、唐津焼
長崎県 三川内焼、波佐見焼、長崎べっ甲
熊本県 小代焼、天草陶磁器、肥後象がん、山鹿灯籠
大分県 別府竹細工
宮崎県 都城大弓
鹿児島県 川辺仏壇、薩摩焼
沖縄県 久米島紬、宮古上布、読谷山花織、読谷山ミンサー、壺屋焼、琉球絣、首里織、琉球びんがた、琉球漆器、与那国織、喜如嘉の芭蕉布、八重山ミンサー、八重山上布、知花花織、南風原花織、三線
山形県・新潟》県 羽越しな布
茨城県・栃木県 結城紬
埼玉県・東京都 江戸木目込人形
鳥取県・島根県 出雲石燈ろう
宮崎県・鹿児島県 本場大島紬
予選問題の「ふくしゅー」完了!
次回は、プレーオフ問題の「ふくしゅー」です。
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アルセントでした。
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