見出し画像

農ある暮らし(傍観者)

Good Morning Alps!
おはよう伊那谷。

2024年5月16日 木曜日(だが今日ではない)

雨の朝、水が満ちる谷。
大阪から信州伊那谷に引っ越してから4度目の5月。桜が散るとあたりが急にせわしなくなり、土が掘り起こされて、水が張られて、アルプスを映す水鏡になる。この時期の風景が大好きだ。

5月は雨もいい。雨雲に谷ごとすっぽり包まれて、水の中に沈んでいるような感覚になる。映画『リトル・フォレスト』でもそんな描写があった。

週末の早朝には路駐の軽トラが増える。午前8時にもなると、谷じゅうの人が忙しそう。整然と並ぶ苗、6月になると青々と伸びてくる稲、盛夏に地面が乾いてもなお伸びる稲、少しずつ黄色くなる稲、穂を垂れる稲、ほんとうに黄金色に輝く田んぼ、収穫。その一連の様子を日常的に眺められること、そして秋にいただく新米のおいしさは贅沢だ。

私は自ら「農ある暮らし」を体験したいという意欲はまったくない移住者だけど、それでも年に一度だけ田植えをする機会を持っている。それ以上でもそれ以下でもない。作物が育つ様子をぼんやり眺めているだけでも、毎日のごはんはすごくおいしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?