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【機械設計メモ】3D設計→2D設計に転職したら結構しんどかった話

こんにちは、あるぱかです。
このブログでは産業用ロボットに関する話題を中心に、機械エンジニアであるわたしが独自の視点で発信しております。
今日は、ちょっとロボットから範囲を広げて機械設計、とくにCADツールを用いた設計について話題を広げていきたいと思います。

題して、「3D設計から2D設計の会社に転職したら結構しんどかった話」です。


経歴

  • 大学院で工学部卒業。3DCAD(Solidworks)を学ぶ。

  • 新卒で産業車両メーカーに就職。3D設計(NX I-DEAS)メイン

  • (現職)装置メーカーに転職。2D設計(AUTOCAD)メイン

わたしは設備装置メーカーで働く会社員で装置の機械設計職をしています。前職では、3D設計していましたが、装置の設計をしたいという希望があって転職すると、そこは2D設計主流でした。
そのCADツールの変化が結構きつかった笑
当時CADツールにそこまで重きを置いてなかったのですが、今思えば転職時にしっかり確認すべきでした…

2Dでどうやって設計すればいいの!?

現職の会社に転職してきたときは衝撃でした。2D設計がとてもやりづらく、その非効率さがかなりストレスでした。

なにより、自分の3Dスキルをまるで生かせないことが残念でした。(転職の時点で確認するべきですが泣)

具体的に感じたことは以下の3つ

  • 組図が全然わからない!どうなってんの!?

  • どうやって干渉確認すればいいんだ!?

  • 部品図手書きで書くの!?

詳しく解説していきます!

組立図が理解できない!?

2Dの部品図は書いたことはあっても、2D設計は未経験でした。一番苦労したのは、

組立図が読めない、わからないこと。

これがどういう装置なのか2D図面から解読するスキルがなかったため、理解するのに時間を要しました。
図面によっては線が重なりすぎて真っ黒なものもあります笑

部品図を手書きで書く!?

製図の際、3Dなら3Dモデルさえあれば部品の外形線をわざわざ自分で書く必要がありません。(寸法は手書きします!)ところが2Dでは三面すべて自分で書くので大変。

3D-CADで作図する場合

三面図は一つの3Dモデルを参照して投影するわけです。
なので実作業としては「モデル作成→図面に投影」
これだけで完了となります。もし設計変更があっても、モデルを修正すれば投影図たちも自動で更新されるます。
つまり、新規・修正どちらにおいても外形線を手で書くことはほぼないです。

solidworks webより引用

2D-CADで作図する場合

2Dだと、まず自分で手書きですし、外形線にズレがないか、隠れ線または中心線にズレ・抜けがないかもチェックしながら製図しなければなりません。形状変更が生じれば同じ繰り返しです。
これが非常に手間です!やってられません!

それでも2D設計で得たことは大きい

2Dの悪いところばかり挙げてますが、それでも2D設計を経験して設計力が格段に上がった実感があるんです。

よく拝見している機械設計のブログでこんな記事がありました。

今日は「2DACDの基準と3DCADの基準」について話したいんですが、2DCADの書き方を知らない人が3DCADから入ると「基準」のない設計になるんです。
これ、結構感じている人多いと思うんですよね。 他人様のデータを見るとよく感じます。「どこを変更すればピッチが合うの?」とか。 特に今の若手は、便利な3DCADから入っているので設計終盤になって基準がないことに苦労します。基準がないということは、設計した根拠が無いといっているのと同じなんですよね。例えば搬送系の組立図で言うと「FL0」があって「パスレベル」があって「搬送ピッチ」があって「組立基準」があって・・・という基準です。

https://mechanical-engineer48.com/post-1542/#3DCAD2DCAD-3

おっしゃる通りで、以前までの僕は大体の形(3D)があって、それをもとに設計してたんですね。前職の車両メーカーでは、現行モデルをベースに設計するのでそれが当たり前でした。

装置メーカーに転職して2Dメインになってから基準線、基準寸法が重要になって、それをベースに設計することになります。

すると、寸法指示ひとつひとつにとってもちゃんと意図を持った設計をする意識が身につきました。

それが設計者としてより設計者らしくなれた気がするんです。これを3D-CADでも応用することはできるのではないか、とも考えてます。

3D設計導入へ

現職では数年前から3D設計を押し進める動きがスタートし、現在は(全体とまではいきませんが)定着しつつあります。

ただ課題はたくさんあります。

  • 2D設計をやってきた先輩方の抵抗感がすごい

  • データ管理方法がうやむや

  • トップダウン設計のやり方がわからない

冒頭で挙げた2Dのデメリットを解消しつつ、2D設計の良さを踏襲しながら、3Dの良さを引き出すこと、「2Dと3Dの両立」を意識したいと思っています。

最後に

というわけで、2D設計も3D設計も、それぞれに得意とするポイントがあり、私のような経験からも多くを学べることがわかりました。
2Dでの苦労が私の設計能力を磨き上げ、基準や根拠の重要性に気づかせてくれました。これは3D設計にも生かせるので、結果的には幅広いスキルが身についたと感じています。

技術は日進月歩で進化していますが、新しい技術を取り入れつつ、昔ながらの良さを活かすバランスも大事ですよね。2Dと3D、どちらの技術も上手に使い分けて、素晴らしい製品設計を目指しましょう。

次回のブログも、ぜひ楽しみにしていてください!
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