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Run Girls,Run!何がしてぇんだコラ、カップリング飾ってコラァ~!( #RunGirlsRun の四季の4部作が中年男性である僕に刺さったのでそれについて書きたいという文章です)

※この記事は11000字あります。
※誤解されるとアレなので記述しますが、タイトルは所謂「ナニコラタココラ問答」のパロディです。誌面飾ってコラァ〜

本項の狙い

Run Girls,Run!というアイドルグループ(2023年3月25日にファイナルライブを行う予定)の「初期シングルにカップリングされていた四季をイメージした4部作」の作品世界が余りにも俺に刺さったのでそれを伝えたいのと、あと良かったら聞いたり知ったりして欲しい。というもの。
(なお、このnoteにはyoutubeのURLが貼ってありますが、全てRun Girls,Run!公式チャンネルの動画になります。サクラジェラートにはフル曲の入った厚木さんの踊ってみた動画があったのでそれを採用しております)

本文

在宅勤務してる途中、まぁ耳寂しいのでたまには音楽でも聴くかと何となくAmazon music annrimiteddo(←傲然と記述)を起動して色々聴いていると、唐突に「秋いろツイード」が流れてきた。(Run Girls,Run!はキラッとプリチャンの主題歌を歌っておられるので、その流れで同グループのカップリング曲が流れてくるのは余りにも自然である)
聴いてみると、これが豪快に感情を揺さぶられる。別に恥ずかしい事でもないのだが、仕事中に、感極まって、少し泣いてしまった。

他にも似たような世界観の曲があるらしいと嫁様から教えられ、プリチャンオープニング曲のシングルやミニアルバム?にカップリングされている曲が、どうやら全部で4部作?あるらしい。というのを知り、仕事しながらではあるが全部聞いてみたらかなり豪快に田舎出身中年男性である僕にもゴリゴリに刺さってしまった。
ので、その気持ちをどこかに吐き出しておきたい。
という文章です。

◆やっていくぞ
まずは4曲聞いてくれ。
といっても誰もそんな暇な事はしないと思うので、何を歌ってるかを書いていく中で自分の感じた事などを書いていければと思う。

すげぇキツい表現をすると、負けヒロインが主役の曲であるというか、負けヒロイン視点の4部作なのだけど、どうやったらそんなに「自分から踏み出す事が出来ない、所謂いい子の逡巡や諦観、仄かな絶望」を描く事が出来るんだお前……!という気持ちになる。(大正義只野菜摘さんの作詞なのだけど、マジで、こんなに中年男性の俺にも刺さるなんて……)

◆開幕戦:サクラジェラート

暮らしている街の、桜が唯一ライトアップされるポイントで、夕暮れからベンチに座って偶然を待っている。
もしも桜を見るために待ち人が通りがかったなら、偶然を装って一緒に歩くぐらいの気持ちでいるであろう密かな決意は、遠くから歩いてくる「満開の桜みたいにキラキラした『私の知らない誰か』と一緒の、見た事のない顔(秘密の顔)をしたきみ」を発見した事で霧散する。
しかしこの子は、踏ん張る。
ここから消え去りはしない、してたまるか。気まずさは当然あるし、向こうに気づかれたら拒絶されて「きみ」の世界から邪魔者として除外される。彼女じゃない女として完全に確定されてしまう。だからいけねぇ。気づかれちゃあいけねぇ。或いは、自分が、ふたりでいる「きみ」に気付いて避けたと思われても「あ、おれが彼女連れな事わかってくれたんだな」って確定しちゃうからそれもいけねぇ、だから、気付いてないような動きをする。
片思いは我慢だっておとなが何か話してた。
大人ぶって背伸びして買ったジェラートが、日が暮れる街のベンチにあって、これまた冷てぇ。なんか、わたし、漫画みてぇだな。こんな失恋めいたの、見た事あるぞ。どうなってんだ。
きみ の姿を満開の桜と見つけて、二人で歩きたいと願ってるだけなのに。
時間が過ぎるのを待つ。アイス冷てぇ、ベンチも寒い。
ただ会いたかっただけなのに

泣いてしまうわこんなもん!
多分な、多分やけど、おめかししてきたんよこの子は。
もし会えたら、いや、満開でしかも晴れとる日なんやから絶対来るわ!来い!来てくれ!ぐらいの気持ち、そこまでじゃなくても、会えたらいいな。逢えるじゃない。会えたらいいな、ぐらいのテンション。そうして、アイス買ってさ、日が沈めば満開の桜をライトアップする唯一のポイント、この時期の、この街の、一番のポイントで、きみ と会って話して、隣を歩けたら、なんかあるかも知れんやん!!!!!
あ!きみ!来た! ……誰やお前……!!!??
ピンクの化身か……!? きらきらして、やがる……!?
 
かくして敗北したわたしは、負けを認める事もしたくないので、暫く街一番の桜を眺める事の出来るベンチで一人ダウンしていた。

◆試合後のコメント
わたしの脳内監督(柳下)「全然駄目だね。今回はピンクの化身への対応にチーム全体で後手を踏んだ。戦えてない。春、桜の季節は終わったので次に向かってトレーニングしていく」
次行こう!しょげててもなんもねーよ!頑張れ「わたし」!

◆第二戦:秋いろツイード

前回の敗北から半年、自宅から出かけて23区に向かう。確たる目的地などあるわけではない。
私(←登録名変更)が欲しい事、したい事はまだだよと言われ、アルバイトも禁止されている。髪は長く、黒い。伸ばすことは良くても、染めたり抜いたりは許されていない。ハンカチを持つぐらいには育ちが良いというか、別にぐれたりしているわけではないあくまでも普通の私。
サクラジェラートから半年、「彼」(私内の作戦司令「以降、『きみ』と呼称していた対象人物を『彼』と呼称する事とする!」)の誕生日が明日なので、プチプレゼントを買いに、出かけた。
お母さんが買ってくれた秋いろのツイードを着たわたしは展望台に向かう。良く似合うって、母の愛情も受けていて、それは理解るし、それが不満なわけではない。
でも、私は、もっときらきらしているものに憧れている。
きらきらしてるもの、私の憧れは、親が愛してくれる私、の枠からはみ出すようなものかも知れない、親に歯向かって一歩も踏み出した事はないけれど、そう望む事に若干の心苦しさがある程度には、そうしたものを望んでいる。
私の家は、23区から郊外方向に電車に乗った上で更にバスで30分、森や山、多摩丘陵のど真ん中よ。お前、分かるか?中流家庭だ。不満なんか、抱けるかよ。キレられねぇ。
ウチとは対称の、平たい平たい、都会の、地平線の方向。そうした自分が居ない、知らない、居られない、そういうところに、綺麗な、シュッとしてて、キラキラして、バレエとか習ってるみたいな、私立に通ってそうなそんな奴らがいっぱいいる。「彼」はそういう子が、好き。
「同じ街にいる、ずっと知ってる、あか抜けない"私"」じゃない。遠くから来やがる、私が憧れてるきらきらしたものを持った女、お前らを、私の友達で幼馴染で、私としては「それ以上の立場」に踏み出したいと願ってる「彼」は、よりにもよって、好きになりやがる!
それゆえに、私だって、キラキラしたいし輝きたい、一歩を踏み出したい。でも、そうはならない。
今日だって、どこに行くんだいと父に問われて、別に叱られる訳じゃないのに、ただちょっと街に行って買い物してくるとか言えばよかったのに「図書館イテクル」つって嘘ついて……
そりゃおしゃれしてぇよ。彼を争う戦いの場に出たい。きらきらしたい。でも、どうしていいかわからない。憧れてる、今の自分の、今の家族の愛情の中に囚われてると思ってる自分の枠の、向こう側に行くにはどうしたらいいのか、勇気出すとか、恋をするとか、それだけの話で済まない、設けられた門限のような、まだ破れないその壁を、突き抜けたい……!(J.Boy)
私は今日、母 “が” 「似合うよ」って買い与えてくれた秋いろのツイードを着て、私の方を向かない彼のバースデープチプレゼントを買いに、決して私を怒るような事はない父に内緒で、街に出かけた。
私はきらきらした "向こう側" に、凄く憧れている。
私は今日も、門限までに、家に帰る。

あかん……ホントにこれが、一番刺さってる。
こんなにまでね、そこまで干渉しない親、ハッキリ言って理想ですよ。
素晴らしい親御さんの、愛情の中にあって、だけど自分はなりたい姿、勝ち取りたいものがあるんだという確信だけが子である私にはあり、でもどうやってそうなるのかは分からない。一歩踏み出せって言われても、その踏み出し方がわからない。親を裏切るような事になるかもわからないし、仮に裏切らないと確証を得られるとして、既に踏み出す事を躊躇っているというか、自分には本来的に踏み出すための足がある。という実感すら希薄になっている。ような気がする。
 私の住んでる多摩丘陵的なところから、23区方向を眺める。秋の、夕方の陰っていく景色、ゆめいろに靄がかる遠景、ビル群、自分の家、自分の生きている世界、範囲。そうでない遠い場所、私はそうでない、都会の、バレエを習うような、私立に通うような、憧れ……遠くの靄が足元まで流れてきて、ズルズルと溶けていくような、そんな不安な感触……
 私は、買い物に行くけど彼に会う訳でもなく、何も進展させられたり、ジャンプしたり、ぶつかったりしたわけでもなく、ただシュート3本、枠内0、そういった完封負けを喫し続ける……
(もうずっとゼロ封されて負け続けてる)
 田舎の中にあって、自分には一生今見えている世界の中を全く突き抜けたり変わったりするキッカケも得られないまま、何となく私の、誰かの予想の範囲内の存在に落ち着いて、報われず、取り上げられず、ただ今抱くこうした感情や想いすら成長?成長ってなんだ。時の経過とともにただ時がたっただけの存在として固定されるのではというような、なんかこう、みんながそう思ってる訳では決してないと思うけど、地方の真面目なよい子だった人には大概刺さるんじゃねーかなぁ!?って思った訳ですよ。(そら刺さらんでもいいし、それは重要ではないですけども、俺には毒針でしたよ…)

あと、何が凄いって、これのカップリングがGo!Up!スターダムなんだよ……

いや、狂ってんのか……凄いよ……
世界中にLoveとキラッとスマイル届けるよ!
じゃねーんだよ!
踏み出して、その中でも最前線で、己の存在をかけて戦ってる、一線級の戦士の歌じゃん……
「一歩踏み出す勇気や、悩んでも笑い合えた」
んだね。すごいね……
そこから秋いろツイードとか何なの?サイコパスなの……?

◆試合後のコメント
私監督(柳下)「戦おうとしているのはね、わかる。頑張ってるとは思いますよ。でもね、出来てない。戦わない戦えないんだったら最初から出すべきではなかった。こんなね、選手を起用した監督の責任。今日は本当にこれだけ。(次節難しい試合になりますが?)でもね、次に向けてやっていくしかないでしょう。もういい?じゃあ」

◆第三戦:スノウグライダー

開幕戦、満開の桜を見に来た「きみ」はピンクの化身みたいなキラキラした女の子を連れてきていた。背伸びして買ったジェラートを片手に満開の桜を手に偶然を装ってワンチャンこねーかな?と思っていた私、敢え無くヒエッヒエに頓死。
 
第二戦、夏に何かあったかというと恐らく何もなく迎えた秋。「彼」と呼ぶことにした彼の誕生日前日なので、プチプレゼントを買いに、親に特に見咎められているでもないのに嘘をついて23区に、このあたりから産出される、バレエやってたり私立通ってそうなキラキラした女の子が彼の好みらしい。畜生。私は自分がどうやって変われるか、どうすればいいか、モヤモヤと全く分からないまま時を過ごしている。23区から遠い、私の暮らす街や家、強い不満があるわけじゃない、混然とする気持ちの中で、衝動のようなものを感じたりしながら今日も門限までに家に帰る。ゼロ封。
 
迎えた勝負の第三戦。スノウグライダー
ここを勝利した上で他力が求められる。

季節は既に冬。とある街の名前を噂で聞いた。「きみ」が春からそこに引っ越すって話。

「きみ」から直接、それを打ち明けられたかった。

ハイ、もういいでしょ。負けだよ負け!これ以上何を言うか!クソが!辛すぎるやろ!!!J2降格、J2降格や!史上最低~!!!史上最低や~!!!!

もういいの

悲しすぎて、とてもじゃないが素直になれない。なんや色々言いたくて手紙を書いたけど、当然渡せないままで、そんなもんだから破いたろうとした……けど、飛行機を折って、飛ばす。
Snow glider
せめて「きみ」にしてみても、長年付き添った幼馴染の女友達に「引っ越す」って言えなかったんだよなとか、どうしてもポジ思考してしまいそうになるけど、そんな訳はない。

もういいの

なんで私に引っ越す事直接言わなかった、そもそもなんで私じゃないんだ!って怒りたいけど、でもそれをやっちゃあ嫌われてしまう。私の思いは、とにかく重くて、きみまで飛びもせず、(途中で)落ちてしまう。そしてそれに「きみ」が気づくことはない。

せめてずっと隣に居たというアドバンテージで、理解者でいたいと願っている。何なら恋人より近い存在だぞと自分に言い聞かせて、涙をごまかす。「きみ」に私が、私が期待してるよりも全然軽んじられていた事、「私」が全く「きみ」の中で大きい存在で無かったことを事実上突きつけられた事にショックを受けた。それだってきっと、許していける……

もういいの

全てが終わった、最初から始まってすらなかったことをほぼ理解しきり、理解したが故に悲しすぎる。何か最後にあいつに感情をしたためてブツけてやろうと書いては消した、空白の紙で飛行機を折った。
最初からなにもなかった。
なにもしなかった。
何にもなれなかった。
想いを書いては消した空白の紙飛行機、その思いの名残だけでもきみに着地してくれれば…… 

もういいの

史上最低~!!!!!史上最低や~~~!!!!
神戸行くなよ神戸~!(この街)出ていくなよ!このままして!上げてから出ていけ!

お、おお…… いや、ホントにこれは、エグい……
負けヒロインって言ってるけど、これ、ここまで3部作見てても全然負けヒロインじゃないんだよな。
マジでその辺にいる、日常的な会話をするだけで大した働きもしないモブ。モブオブモブ。モブ。モブだって生きてるし感情はあるしなんかいい感じになりたいし、確かに自我が芽生え、思春期には相応に恋もすれば何らかのときめきみたいなものを感じたくもなるし、何者かになりたかったりする、誰かの何かになりたかったりするじゃない。するよね。しろよ。
ともあれ、そんな、自分から自分を取り巻く殻、自分の生活や周囲に対して自分の棘じゃないけど、自分という人間は「環境」じゃないぞ。自分という、自分の、きみの、ちゃんとした、登場人物、主役なんだ!私だって主役になっていいはずだ!どうやったらいいかわからんけど!

満開の桜を眺めるベンチで張ってりゃきみが来て、何なら一緒に歩いたりできるかなって思ったら知らんキラッキラした女連れてて、見た事ない顔してて、私じゃなくて、
親が買ってくれた服着て、そんなきみ(彼)の誕プレ買いに出かけて、きみはそうしてキラキラした平野暮らしの私立通ってそうな女を好きになり、腹立つ。私もそうなりたいけどどうしたらいいかわからん。親を嫌いになれないし、そういうもんでもなさそうで、私は今日も門限までに帰るんだ……
そうして冬を迎えてみれば、お前春に引っ越すらしいやん。直接打ち明けろよ。
引っ越すことを私に『言う』んじゃなくて、『打ち明けて』来いよ。
わかるか?事務的に『言う』んちゃうぞ?
なかなか言えなかった事を、私に、『打ち明けろ』つってんだ。
だって私は、きみの、幼馴染で友達で、付き合い長いし、なんかちったぁ引っ越すことを素直に言えなくて、でも意を決して……みたいな特別な感情、それが恋愛じゃなくてもいいよ、何某かの感情、お前、私に、ないんか!?!?!!?

おぉ???

……ないんか…… ないんよな。知ってた。

もういいの

ですよ。え?なにこれ?
曲も歌詞も凄く良くて、歌唱も素晴らしくて、めっちゃ感情を揺さぶられる素敵な曲なんだけど、あの、誤解を恐れずに言うと、吐きそう。(辛くて)
最後、わたしの感情完全に終わってんじゃん……
降格、希望なんか実は何もなく、決定したのは最終節だったとして、でも事実上その5節前には、いや、半年以上前、言うてしまえば春にジェラート持って花見に来てるピンクの化身連れのきみを見かけた時から決まってたよね……みたいな、そんな感じじゃん……
はー、ホントに凄まじい……なんでこれをさ、プリチャンみたいなガールズエンパワーメントの曲のカップリングに持ってきた????びっくりするわ!
◆試合後のコメント
私脳内監督(柳下)「もうね、この試合ぐらいはやってくれると期待して送り出しましたけどね、最初から戦えてなかった。というか、勝つという気持ちを表現できてなかった。これは前の試合もそうですけど、自分の責任です。選手はね、やろうとしてくれた。でもやり方を教える事が出来なかった。(3戦終わって全敗という形になりましたが)そうだね、責任とかそういうのは自分から言う事じゃないんで。まだ最終戦がね、他力もないけど、あるんで(ありがとうございました)」

◆最終戦:水着とスイカ

三戦全敗、前節は衝撃の開幕2フレーズ目でのグランドスラム被弾、防御率33.4、史上最低の負けっぷりを示したあの冬から、春を越して、夏。
既に敗退は確定しているが、次につなげる一戦としたい。

引っ越したきみが夏休みに来るという。
みんなで海に行く。余りにも急に言われたから、ギンガムチェックのビキニを調達。冒険してみる。
いうて、誰ぞ連れてんのかと思ったが連れて来てない。おお。去年の春に見たピンクの化身みたいな奴もいない。
しかしだからと言って何が変わるというものでもないだろう。似たような女は今はいなくても、仮にフリーでも、いくらでもきみの住む平たい街にはいるだろう。バレエして、私立に通うような。希望を抱いてはいけない。
話したり笑い合ったりは出来る。出来るようだ。
友達みんなで来た海、隣り合うでもなく、めいめいの好きな友達集団の中の好きな場所から遊ぶ様子を眺めている。それは、隣ではない。距離がある。
何も意識してないかのように、どうせしてないんだろうけど、そんなにまっすぐ見つめて来るな。私はまっすぐ見つめられない。このビキニは「お母さんが買ってくれた」んだ……
隣に居られたら、お前の事は私が一番よう理解っとる。そういう存在になれたらよかったと自分に言い聞かせて、(きみとワンチャン花見散歩出来るかと思って待ち構えてた時に持っていた)「ジェラートは(季節も廻り)溶けてしまった」私はただ、ちょっと会ってみたかっただけ。

(でも、そんな想いも)「もういいの」

スイカ割が始まり、ご丁寧に肩に触れて右に回転させてくれやがって、そういうとこやぞ。クソが!
意識はしないように、何も思うところはない、It's Over。終わった話だと思い込もうとしていたけど、「私は怒っている」それを再認識した。
きみ がいなくなり、あれだけもういいのと言いながら、それでもなお寂しがっていた、季節を(変わろうともせずに)ただ過ごしていただけの自分への怒り、そして、今日こうして少し冒険した水着を着ているけれど、水着はさておいて、秋になってしまえば、冒険するキッカケもなくなるので、ただ地味な私に戻るであろう事への、ふがいない自分への怒り……!

セイッ!!!!(←※こんなことRun Girls,Run!は歌ってません)

振り下ろす木刀、砕け散る懊悩。
私の思いは、誰かに言うでも、表現したものでもないだけに、当然の帰着として誰にも気づかれず、今こうしてはじけ飛んだ。

また会いたいねとか連絡するとか、嬉しい事言ってくれるじゃないの。許しちゃう……でもあれやぞ?今度あった時、お前が何の意識もせずにまっすぐ見つめられるような、お前の期待しているような私、ではなくなっとるかも知れんぞ?わかっとんか?
こうした恋をしていた事、私が全くきみの何にもひっかかってなかった事、一歩も踏み出せない自分で在った事、自分が冬の日にすべてを理解して、その後随分経って会った今でもやっぱり全然距離がある。そんな日々と思いがあった事を、今日でふん切ったつもりだけど、それはそれとして、
ずっと忘れないぞ。

私は、何物にもなれない自分であった事を認識した。
これから強くなる……!

第四戦は、過去3戦を回顧しながら次に向かう、その中で、変わるきっかけというか、余りにも幼い恋心から一歩を踏み出す決意を固めた様子を、きっと歌っているものだろう。
まだ親の庇護下で、自分から何か気持ちを言えるでも、久し振りを口実に自分から距離を詰められるでもない。
相変わらずの感じではあるが、
スイカを叩き割る事で心眼が開いたのか、自分から変わる、一歩を踏み出すような、そうした気持ちは抱けた。馬鹿野郎、お前、私は変わるぞお前。きみ程度の世界観の中に閉じこもってるような私じゃねぇぞ。
お前、次はシングル、メインイベントでやるぞ。ベルト賭けろ。
この4部作で、2つの片思いがありました。
1つは潰し合いです。相手にクソデカ感情をぶつけようとして全くぶつからないだけの私が潰れる潰し合いですよ。
これがパ、これが、Run Girls,Run!のカップリング4部作なんですよ。
だから、こんな恋ばっかりしてたら、もう私、恋愛出来なくなっちゃうんですよ。私は私が私である為に、もっと私を一歩踏み出させてあげたいんですよ。もう潰し合いは、嫌なんだよー!!!

いや、ホントにね、最後、ほんの少しだけど、キラッとした主役……になれない、なろうと出来ない(なろうとしない、んじゃなくて、なろうと出来ない、何やっていいかわかんない)、厳しい言い方をするとモブ立ち位置のね、片思い……誰にも掠ってないまま終了した片思いをね、綺麗にね、終わらせましたよね……

幸せになって欲しい。

◆試合後のコメント
脳内監督(秋葉)「(ガラガラ声で)ねぇ、ホントに、これがね、ガールズソング。片思いをね、見せてくれたよね。まさかね、あれだけのね、惨敗、三日前ですかね?その、辛い試合の後にね、まさかこんなね、前向きな、強い気持ちを表現してくれるなんてね。 ホントに『私』を讃えてやって下さい。
ジス、イズ、ランガールズラン!Run Girls,Run!ですよ。これがね。もうね、キラッとした主役だけじゃない。誰だって主役だし、仮になれなくても、なろうとする。そこまで時間がかかってもね、こうして這い上がる姿を見せてくれた事がね、うれしいよね。(ありがとうございました)はい、ありがとうございました!」

◆まとめ(四つ通した作品世界の僕の認識など)

春 サクラジェラート

秋 秋いろツイード
冬 スノウグライダー

夏 水着とスイカ

実際に描かれている物事だけを記述すると、もう何回も書いちゃってる気もするが、
春、ワンチャン幼馴染で友達の「きみ」に花見の偶然を装って会えればと思ったらピンクの化身を連れて色気づいたツラをしてやがった!私にはそんな表情見せた事ないが????

夏、たぶん、なにも、なかった!!!

秋、「彼」のプチ誕プレ買いに23区に出てくる。「彼」が好きになる子は、私たちの住む冴えない街の遠く、都会の、バレエとかやってそうな、私立にかよってげなキラキラした女の子だ。私もそうした存在に、きらきらした存在に、彼にみて貰える存在になりたいと憧れてはいるけど、それには少し申し訳なさがある。どうしていいかわからない。門限までに家には帰る。

冬、「きみ」が引っ越すと人づてに聞いた。私は、きみから直接引っ越しを告げられない程度の存在であった、何もなかった。始まってもなければ引っかかりすらなかった。終わった!もういいの!

春、ただ失意の中にいた。

夏、彼が久々に帰ってくる(他の友達んちに泊まるらしい)んで地元のみんなで海に行った。友達の中の私達二人の距離感は実に普通に、当たり前に遠くて、冷静になってみれば特に親しい特別な存在でない事を改めて痛感する。彼は私の事をなんとも思ってない。スイカを叩き割り、私は、私が大変に彼の事を考えうじうじしている事、変わろうとして何もしてなかった事にムカついた。私はいずれ変わるかも知れない。

という事で、マジで「何もしてない」し、何なら歌の中では直接言葉すら交わした形跡すらない。(水着とスイカでは少しだけ社交辞令的な会話はしている)
ただ「きみ」を見ていて、好きでいる事は伝わってくるが、どうしていいかわからず、踏み出せず、ただ、こうなってくれたら、と思っては裏切られ、時を過ごしている。全く主役じゃない。

これが、モブだ。モブの、恋だ。

お前、モブだろ!?(唐突のお前平田だろ発言)
自分から、何のキッカケもなく、唐突に自分を取り巻く壁を蹴とばして一歩を踏み出せたら素晴らしいけど、そんなに上手くいくわけねぇ。そういう人が大半だろう。
この4部作では「そうじゃない」大半の、何者でもない皆にグサグサ来る、告白すら出来なかった、飛び込み台の先端に立つことすらしなかった、主役になれなかったみんなの中の、一例というか、そんな主役じゃない人も、モブとひとからげにされるでなく、こうした事に悩んだり誰かを想ったり、してるんだよ!というのを歌ってくれていると、思う。
(誰もが主役、キラッと輝こうとすることは誰にも否定されない!というアニメの主題歌のカップリングにこれら4部作のうち、春、秋、冬をブチこんで来る構成を考えた人は相当危険な人物だと思う……!私こっち側だ……って眼の光を失う可能性だってあるんですよ!?)

サクラジェラート、秋いろツイード、スノウグライダーと、1年の春から冬で初恋……なのかな。それが終わる。という綺麗な作りになっていて、間が開いてミニアルバム収録となった水着とスイカでは、ようやく前を向いて自分の一歩を踏み出す事を優しく描いており、当初予定だと、これ、3部作で終わるつもりだったんじゃないかなとか邪推している。
このスノウグライダーで終わってたら、本当に怖かったぜ……!水着とスイカが戦後処理をしてくれて助かった。
(曲の感じからしても、サクラジェラートで少し苦く始まり、秋いろツイードで感情と内なる抑圧が強まり、スノウグライダーで発散・空中ではじけ飛ぶ。水着とスイカはそれらを受けての後日譚という雰囲気で、全ての曲のフレーズを引用して、切ないながらも淡々とかわいらしく終わる)

ここまで我のような46歳男性の心胆を寒からしめる恋の歌群があるとは、驚いたし、怖くなっちゃった……
4曲とも 作詞:只野菜摘 作曲:石濱翔(MONACA)なんですね。いやー、ホント恐ろしい……大人の本気が怖い……
※石濱翔さんの曲、アイカツ!で俺が好きな曲大体全部石濱さんで、そりゃまぁ俺はこれらの曲好きですよねと勝手に納得しました。SHINING LINE*がね、アイカツのISMなんですよ。わかりますか!?(この項2回目の船木)
※ところで「アイカツ!10th STORY 未来へのSTARWAY」は本当に良い卒業映画なのでみんな見よう。石濱さんがいる。アイカツは大丈夫。それも本当に強く感じた。

どうしても「Run Girls,Run!はパワフルな女児アニメの主題歌を歌っている」という目で見てしまうので、キラッとした、パワーに溢れた、転んでも鼻血を拭いながら、まだまだァ!と突っ込んでいくようなパワーでゴリ押してくる!系のアイドルと勝手に感じていたのだけど、こうしてカップリング曲を聞き、その歌詞世界に触れて、なんか、今更だけど見方が変わった。Run Girls,Run!凄いユニットである。気づくのが遅い。でも気づけた。
このようにn=1ではあるが自分が思うという事は、世のアイドル、世の色んな曲に、このように解釈をさせてもらえる数多の曲があるんだろうなという事であり、また、自分以外の誰かも似たような事に気が付くかも知れない。
自分にしても、今までは自分がこれまで聞いた事のある曲を懐かしむだけになっていたんだけど、そうして閉じ気味な自分の世界が少し開いたような気がした。
という事を述べて、この項を終わりたいと思います。

いやー、ホント、解散されるのは惜しいですが、こうした楽曲に出会えたことに感謝したいです。

ところで僕が一番好きなプリチャンのオープニングはRun Girls,Run!の「キラリスト・ジュエリスト」です。

長々とお読みいただきありがとうございました。

みんなもRun Girls,Run!聞いてくれよな!!!!!


ショアッ!!!!(※noteでは初めての〆の挨拶)

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