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他人に貼りつけたレッテルを精算する

チームメンバーと仕事をしていると、この人はこれが得意/不得意そうだ、この人はこういう仕事が合いそう/合わなそうだ、といったレッテルを無意識のうちに貼っていることがある。内容の良し悪しがどうであれ、正しいか否かがどうであれ。

レッテルとはそれを貼りつけたある瞬間での評価であり、当時の環境下条件下での評価だ。
新卒当時はガンガン難しい仕事こなして成長したいと思ってた上昇志向の私も今では自分の生活を守り維持したいと安定志向になっているし、日頃は堅実にお金のやりくりをしている私もボーナスが入った直後は財布の紐が緩くなる。  嘘だ、いつもゆるゆるだ。
この例からもわかるように、自分自身だって時間や環境の変化にあわせて内面が変化しているのだから、他人だって同様に変化している。貼り付けたレッテルはアテにならないと思っているくらいがちょうどいい。

そういうわけだから、最近私は四半期に1回くらいのペースでレッテルを精算する時間を設けるようにしている。やることは二つだ。

一つは、レッテルを剥がしたい人について抱いている印象を書き出すことだ。それが主観か、本人から主張されたものか、データに基づくものか、伝聞推定かは気にしない。とにかくその人について感じる印象をすべて書き出す。

もう一つは、洗い出した「印象」をいつ頃から抱いていたかを思い出し、古いものから新しいものへ時系列で並び替える。古くから持っている印象ほど現状と乖離している可能性が高い。

こうして自分が無意識に持ってるレッテルを少しでも可視化して自覚することで、人と向き合うときに今までとは違った側面を探そうとできるし、自分が感じていた印象は現時点ではどうなっているかとアップデートしようとできる。

こんな具合でレッテルを精算している。
精算といってもキレイサッパリにレッテルを剥がし切るわけではない。そんなことはできないし、できたとしてもまた無意識のうちに貼り直してしまうだろう。だったらせめて無意識化の自分と少しでもうまく付き合えるよう下準備を積み重ねていきたい。そういう細やかさを今は大事にしたいと思っている。

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ちなみにこの考えに至るキッカケを与えてくれたのが、この本だ。

「グレートボス」などと私の働く環境とはまったく馴染みのないタイトルがつけられてはいるが、内容はマネジメントやソフトスキルといった曖昧な領域を丁寧に言語化していた。
例えば、成長志向の人を「スーパースター」安定志向の人を「ロックスター」と表現し、どちらもチームに欠かせない存在であることや環境によってその志向性が変化することを説明していた。彼らとどうコミュニケーションをとると良いかも解説している。

ヒントが散りばめられていた内容だったので、キッカケを欲していた自分にはカチッとはまる本だった。

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