"POが悪い", "SMが悪い"と思うのは錯覚なんじゃない?

これについての僕の考えを書く。引用ポストでは文字数不足になりそうだったのでこちらで。

主語がでかいのは嫌いなので、僕の身の回りで「それはPOがダメ」「それはスクラムマスターがダメ」となった事例についてのみ話す。
その当時のスクラム開発には課題がいっぱいあって(どこまでスクラム開発を続けても課題は底を尽きないが)、その課題を『解決難易度』と『解決による恩恵』の2軸でマッピングしてみると、「解決しやすくて恩恵も大きい課題」にPOやSMの行動が集まっていた。

「特定の1人のみが持っている役割にて顕在化する課題」は相対的に解決難易度が低と思われやすかった。その一人のみが行動を変えれば解決するだろうと考えるからだ。例えば「POが優先順位を決めきれていない」とか「SMが議論に口を出し過ぎている」とかは、特定の1人が行動を変えればすぐに解消される気がしてしまう(僕もそう思っていた時期があった)。
もちろんそうなった背景にはチームやらステークホルダーやらいろいろな要素が絡まっているから、本質的な原因がその1人にあるわけではない。解決には絡まった糸をほぐして順にアプローチしていく必要があるので時間がかかるし真に難易度が低いとは言い切れないが、表面的に見ると特定の1人に原因があるように見えるのだ。

そしてこの錯覚は、なにもスクラムに限った話ではない。
「PMが悪い」「EMが悪い」など、特定の1人に解決しやすそうな課題があると追求される事例は、僕がこれまで経験してきた様々な開発手法のいずれでも発生していた。

なので冒頭のポストに話を戻すと、チームではなくPOやSMに問題があると言われる理由は、①それらが真に解決しやすくリターンの大きい課題だから、②解決しやすくリターンが大きいと錯覚してるから、のどちらかで、更に言うとスクラムかどうかはこの話において重要ではないんじゃないかな。

あまりネットに落ちてる釣り針は食わないように気をつけてるんだけど、今回は気まぐれを起こしてみた。僕はスクラム信者じゃないし、アジャイル界隈に足つっこんでもいないけれど、スクラムの悪い部分の話を聞くとその半分くらいは「スクラム以外でも同じこと言えるんじゃないかな」と思うので書いた。
スクラムは過信するほど優れたものでもないし、かといって過剰に拒絶するほど異質なものでもないと思うよ。

おわり。


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