仕事を "丸投げ" しないように気をつけていること

マネジメント業に就いて間もなくして、チームが自律することにこだわるようになった。マネージャーである自分が業務プロセスのボトルネックになるのは嫌だったし、高いスキルを持つチームメンバーが自律的に活動し続ければ僕には想像もつかない素晴らしい未来に到達するのではと思えたからだ(本気だ)。

チームの自律度合いを高めるために僕にできることの1つは仕事を任せることだ。ただし丸投げではない

このあとのミーティングが別件で参加できなくなっちゃったから代わりに出てくれない?

来月から新人が配属されるのでメンターをお願いします

これらは僕が思う丸投げの例だ。仕事を任せるときにはもういくつかの要素を付け足したい。

  • 任された側が何を成し遂げるべきかの『完了の定義』について両者が合意している

  • 任された仕事にどう向き合うか、どう臨むかといった『期待役割』について両者が合意している

  • 任された側がどこまでを自分で判断し行動するか、つまり『裁量』ついて両者が合意している

  • 任せた側が最終的に責任を持つか否かが明らかになっている

など、仕事がちゃんと完遂されるか否かに関わる重要な要素を、両者が齟齬なく認識している状態を目指した上で仕事を任せることが重要だと考えている。

ミーティングの代打の例であれば、「その場で質問が出たら分かる範囲で回答してほしいが、分からない部分があれば追って自分から返答すると伝えてほしい」だとか「各チームから1人ずつが参加しチームの総意を伝える場であり、テックリードのあなたが適任だと思うので参加をお願いしたい」だとか、そういった具体的な期待役割を付け加えたい。

メンターの依頼の例であれば、「メンターはマネージャーと協力して、新メンバーが開発業務に100%の力を発揮できるようあらゆるサポートをすることを期待している。ただしサポートの責任はマネージャーである自分にもあるので、やり方に迷ったときは相談してほしい」と期待役割を伝えたり、「やり方は自分で考えていいが、過去に例がないアプローチをするときは事前に1度相談してほしい」と裁量の範囲を伝えることができる。

まとめると、仕事を受け取った側が『目的・期待役割・裁量・責任の在り処を理解し臨める状態』であれば丸投げとは感じず、その仕事に全力を注ぎやすいだろう。そういう前提に立ち仕事を依頼することを心がけている。
(できていなかったらごめんなさい)

上の例では極端な例を挙げたが、日頃から期待役割や裁量について両者ですり合わせが済んでいれば、単に「このミーティング代打よろしく」でもちゃんと委譲できることもあるかもしれない。ただやはり任せるタイミングで改めて伝えて損はないよねと思う。

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最後に余談を。
失敗しないように丁寧に手引きするべきだとか、逆に失敗こそ学びでありそんなにあれこれ言う必要ないとか、そういった意見について僕の考えを添えておくと、僕は失敗Welcome派だ。自分で考え抜いた上で失敗するのであればそれは価値のある失敗だろう。なので、たとえばメンターを依頼する例で言えば、僕のやり方を1〜100まで伝える気はない。
だからといって期待役割や裁量をすり合わせないのは間違いだ。本人が全力で取り組んで成功や失敗を得るために必要な要素としてそれらのすり合わせは必要だ。
前提を正しく伝えることと細かいHowToまであれこれ口出すことは地続きになっていることもあるので、過不足なくコミュニケーションを取ることも気をつけていることのひとつだ。

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