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36年前の古代祐三先生のベーマガのグラディウス1面BGMの耳コピについて

 先日、studiokent さんが、「グラディウスの1面火山ステージAC版とFC版の違いについて徹底的に考察してみた」という動画を上げてくださいました。

 「なんでファミコン版グラディウスの1面のBGMの最後は半音さがらないの?気持ち悪いじゃん!!」という長年の疑問に答えて下さるとても素晴らしい動画です。

 当時のファミコンソフトは黎明期かつバブルというのもあり、クォリティよりも早く出すことが優先されるようなところがありましたよね。他のメーカーのソフトでもそうですが、グラフィックや内容についても詰め切れないまま出す風潮がありました。ちゃんと作ればファミコン版でもグラディウスIIくらい凄いのが出せますからね。

 それでこの1面BGMについても単純に適当に移植してクォリティチェックもおざなりに発売してしまったからだ、と、30年以上思っていましたが、どうもそうではなさそうということがわかり、夜中に一人唸ってしまいました。

 さて、studiokent先生、動画の3:30あたりで、新発見の情報を提供してくれました。
 シ♮が鳴っているが、音楽理論的にはおかしい、とのことです。

 私は音楽理論はわかりませんし、耳で聞いても全くわかりません。しかし、ファミコン版で直っているし、楽譜もそうなっているということであれば、これは東野美紀先生は「シ♭」で作曲したが、プログラマーが間違えて「シ♮」にしてしまった説が濃厚です。

 グラディウスは空中戦BGMでもループするとメロディとその他がずれていってしまうというものもありますからね。

 さて。ということであれば、僕が中学校のときにPC-8801mkIISRで一生懸命打ち込んで、その響きに心底聞きほれた、あの、ベーマガの伝説の耳コピBGM。「YK-2」こと古代祐三先生は、36年前にどちらを採用しているでしょうか。

マイコンBASIC Magazine 1986年5月号

 掲載されているのは、1986年の5月号。実家に走って行って発掘してきました。
 「新連載 ザ・ビデオゲーム・ミュージック・コレクション」「♪カプコン」「魔界村」とありましたが、これは楽譜を載っけてくれている別の記事でした。最初ここ見て探してたのでなかなか見つからなかった…。

 さて同じ名前の別の記事。「ザ・ビデオゲーム・ミュージック・コレクション by YK-2」

 前号スペースハリアーから始まったこの記事は、再現度が素晴らしく、もうとにかく毎号欠かさず打ち込んでいましたね。

 さて、古代先生どのように耳コピしていたのでしょう?編集部が基盤を用意してくれるとか、ゲーセンで営業時間外に録音するといったことはできたのでしょうか。

 と思ったら記事中にあります。「ゲーム・センターに行って音をじっくり聞いて作ったプログラムです。」と。(写真のプログラムの説明の見出しの上)

 古代先生、モーツァルト的に採譜されていたようです。他のゲームの音や有線放送などがガンガンなっている中で耳コピされたのでしょうか。となれば、どちらが採用されていてもおかしくありません。kent先生が普段聞き流しているときは違和感ないとおっしゃっているのですから、この環境ではちゃんと聞き取っていても家に帰って作るまでの間に脳内録音を音楽理論が補正するかもしれません。

 さぁ、答えはどっちだ?

わっかりにくいですが、たぶんここ。C$がベースで、たぶんここ。

<E->E-<B->E-

B-。このMMLでは-が♭の意味ですので、B♭。ミ♭ミ♭シ♭ミ♭。
古代先生は、東野先生の音楽的意図の方を採用したようです。

 このPC-8801mkIISR版のBGMも再現して聞いてみたいなぁ。

 確かに、オリジナルもびっくりのできでした。後でコナミ本家が正式に出した88版BGMよりも全然本物っぽかったですねぇ。



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