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浮遊

夏休み、1日を浪費し、時刻はもう17時になろうとしていた。

垂れ流しているテレビから、スーパーニュースアンカーのオープニングが流れてしまう時間だ。

あの音楽を聴くと、たちまち「もう今日も終わりですよ」と叱られている気になり、まだ手をつけていない宿題や、ママに頼まれたのに干しっぱなしの洗濯物や、本当は今日遊んでいるはずの、喧嘩してしまったあの子のことが、頭から離れなくなってしまう。

急いでリモコンを手に取り、金曜ロードショーで放送されたナルニア国物語の録画を点ける。

何度も見ているから冒頭は見ずに、ルーシーがクローゼットを開けるところから。

そこには、ペベンシー四兄妹と私だけの魔法の世界があった。

知らない国のお菓子、見たこともないビーストたち、息を呑むような景色が、エドマンドと私を惑わせる。

ママが帰ってくるまであと1時間。

冷房が効いたリビングの閉め切った窓の外から、微かに廃品回収のトラックの音楽が聞こえる。

外の猛暑と完全に隔離された、快適な安全地帯。

私はふわふわと意識を漂わせ、眠ってしまった。

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