日記 24/04/10
24、ってタイトルにつけるの不服だな。まるで来年まで生きているつもりみたいだ。
とりあえず今日は医者へ行った。ちゃんと午前に起きていったのでだいぶえらい。待ち時間にブルガーコフの『巨匠とマルガリータ』を読もうとしたけど、やっぱり一切の内容が頭に沁み込んでこなくて断念した。仕方がないので目を瞑ってぼんやりしていた。これは病院に限らず電車とかでもなんですが、知らない人と向かい合わせに座るときって、どこを見ていればいいんでしょうか。
さすがに診察の内容はプライバシーなので省くけど、とりあえず薬はもらえた。あと次は血液検査とかやるつもりらしい。問診票には体重も書いたが、成人男性とは思えない軽さに医者がちょっと引いていたのが面白かった。あと職業の説明をするのにだいぶ苦戦した。ふだんはそういう人ばかりの間で生きているから、あらためて普通の感覚からは異質なところで暮らしてきたんだなと思う。
薬は食後のやつと、寝る前のやつ。「食後って完全栄養食でも大丈夫ですか?」と聞こうと思ったけど、お互いに無駄な会話リソースを使うだけで誰も幸せにならないことに気づいて止めた。そんな強い物じゃないみたいだし、死にはしないだろうと高をくくっている。こういう場合、だいたい「死にはしないだろ」から「まぁ死んでもいいしな」を経て「むしろ死んだ方がアド」という思考にまとまって自分の中で解決にいたる。
上の文、いきなり鍵カッコの前部分だけキーボードが効かなくなって打つのに苦労したのでよく味わって読んでおいてください。
家に帰ったらいきなり凛として時雨の『I was music』が頭の中で流れ出して止まらなくなって困った。仕方がないので外に出て、おなじみの喫茶店で煙草とコーヒーとホットケーキを楽しむ。ふだん、平日には夜しかいけないから、言い訳だけちょっと考えておくのを忘れなかった。姑息だ。
喫煙可能店ということもあり、昼下がりの店内には老人が多い。みんなが色々な話をしているのを聞いていた。内容は大したことないけど、みんな楽しそうで良かった。ほど近くに死と病院がある彼らの言葉には理由抜きの親近感を覚える。
さすがにニコチンを入れると思考がちょっと晴れやかになるので、そのままフラフラと歩いた。昼ごろからぴかぴかのランドセルを背負った小学生がちらほら見当たる。ちょっと泣きそうになった。できればクネクネしないで、体重もほどほどに、医者の頭を悩ませないくらいの健康さで生きていけると良いね。
薬の副作用には食欲が増える効果があるらしい。ちょっと体重を増やして医者を安心させてやろうと思う。それで元気になって……元気になったら……元気になっても何にもならないな。やめよっか。
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