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How to 日本語化~初級篇その2

前回に引き続きWilly-Nilly Knightを題材として、今回はフォントの置換えの説明をしたいと思います。フォントの差し替えもテキストの差し替えも同じ手順となりますのでこれを覚えてしまえば応用できます。
なお、UABE/Avaloniaのフォント置き換えについては難易度が高いため初級篇で扱うにはハードルが高いと思い端折っています。Unity2020以上でダイナミックフォントの場合もないとはいえませんので、いずれノートを書きたいと思います。

*.assetsファイルの読み書きツール

 Unity製ゲームは多くが*.assetsファイル内に画像やフォントなど必要なものがパックされたものとなっています。このファイルは圧縮ファイルのように複数のデータが1つにまとめられているため、その一部を取り出すためには専用のツールが必要になってきます。
 この記事を書いたのはちょうど4年前ですが、基本的なツールはほぼ変わっていません。ただ、Unity2020以上で製作されたゲームは一部のツールで開けなかったりするため、場合により複数のツールを使い分ける必要があります。

主なツールは上記の4つになるかと思います。このうち最後に取り上げたAssetStudioGUIに関してはインポート機能がないツールですが、ビューワーとして優れていますのでここで取り上げています。

UnityEXはロシア製の読み書きツールです。無料版と有料版があり、無料版だとUnity2020以上とUnity2019以下でも一部のファイルに対応していません。また画像やテキストのプレビュー機能はありません。とは言え老舗だけあり使い勝手は一番いいと思います。有料版は2種類ありますが、この記事を書いている時点で購入できるかは不明(戦争の影響があるため送金そのものができない可能性があるため)。
※ESETでウィルス判定されませんが、使用しているアンチウィルスソフトによってはウィルス判定される場合もあるそうです。ご自身の判断でご利用ください(古いものであればでないものもあります)。

Assets Bundle Extractor(UABE)は7DAYS TO DIEのツールとして使われた方も多いのではないでしょうか。現在はオープンソース化され、この記事を書いている時点で3.0 beta 1が登場しています。3.4+~Unity2021.3に対応していますが、まだ不完全な部分も多く、使い勝手はUABEAvaloniaに劣っている感じがします。ただ、動作は速い気がします。なおver. 2.2Dと最新版ではインターフェイスがかなり異なっています。特別記載がない場合は3.0以降を使用していると思ってください。

UABEAvaloniaはUABEのver.upが止まっていたため代替品として作られたツールです。オープンソースで作られており、無料でUnity2020以上に対応していたため、UABEがオープンソース化される最近までは活躍したツールだと思います。UABEがオープンソース化されたため開発は停止するとの記載があります。
なお、基本的な使い方は別にノート(無料)を記載していますので、そちらをご覧ください。

AssetStudioGUIは前述のとおり、読み込みと一部ファイルのエクスポートには対応していますがインポートがないためプレビュー専用のツールになります。ただ、プレビュー機能は他のツールよりも優れていますので、まずはこのツールで画像やフォント、ゲーム内文章の確認などを行うことが手順の1つとなっています。

私は上記のツール4つとも状況に応じて使い分けています。なお、ツールをインストールする場所はどこでも構いませんが、外国製ツールのため日本語の含まれないフォルダにしておきましょう。

インストール用フォルダのイメージ

複数ハードディスクをお持ちの方はCドライブ以外で、ドライブ直下にUnityToolsというフォルダでも作成し、その中に各々のフォルダを作成しファイルを展開しておくといいでしょう(上図参照)。
実行ファイル(拡張子が*.exe)のショートカットをデスクトップにおくか、タスクバーなどに登録しておいてもいいかもしれません。
※もちろん、配置場所はお好きにしていただいて構いません。

置き換えるフォント

まずは置き換えたいフォントを用意しておきましょう。
日本語フォントであれば好きなデザインのものを使用しても構わないと思います。ただし日本語化したものを配布するつもりがあり、フォントも添付する場合はフリーフォントの場合でも使用条件、配布条件などをきちんと確認をしてください。またWindowsやOfficeなど市販ソフトなどに添付されているフォントは市販フォントである場合が多く、著作権の問題が出てくるので選択対象から外しておきましょう。

ただフリーフォントの場合、利用できない文字があるかもしれません。その場合は含まれている文字のみを使用するようになりますので注意してください(第一水準までの対応だと約3000文字、第二水準までの対応で約6300文字)。また1バイトフォント(かな、カタカナだけのフォントで英数字に対応するもの)は基本的に使用しません。

フォントはTrueType(*.ttf)とOpenType(*.otf)があります。拡張子だけの違いだけでなく内部的な構造も違いますが、Unityは優秀なので*.otfの拡張子を*.ttfにして利用しても問題はほぼないと思います(過去、問題になったことはありません)。

前述のとおりフリーフォントでも一部を除いて著作権があります。ただ、その著作権にとらわれずに使用できるフォントとしてIPAexフォントがあります。一般的な明朝体とゴシック体だけとなります。
またGoogle Font(Notoシリーズ)もあります。これも明朝体とゴシック体となりますがウェイト(文字の太さ)が6種類ずつありますので使い勝手がいいでしょう(海外ゲームでマルチバイトに対応している場合、比較的利用されているものです)。
※配布する場合、各々で配布サイトからフォントをダウンロードしてもらう方法もあります。

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