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2019年9月の記事一覧
読書感想文『ゴリオ爺さん』
仏語タイトルLe Père Goriotは直訳すると『ゴリオ爺さん』ではなくゴリオ父さん。めぞん一刻をもっと小汚くしたようなヴォケール館の面々から親しみと嘲笑を込めて呼ばれる呼び名なので、父さんさんというより爺さんの方が邦訳的にはしっくりくるが、要は父性の物語なのである。本作はプルースト『失われた時を求めて』の3倍とも言われる広大な、バルザックの《人間喜劇》の一部であり、最も有名な作品といえる。フ
もっとみる仏語タイトルLe Père Goriotは直訳すると『ゴリオ爺さん』ではなくゴリオ父さん。めぞん一刻をもっと小汚くしたようなヴォケール館の面々から親しみと嘲笑を込めて呼ばれる呼び名なので、父さんさんというより爺さんの方が邦訳的にはしっくりくるが、要は父性の物語なのである。本作はプルースト『失われた時を求めて』の3倍とも言われる広大な、バルザックの《人間喜劇》の一部であり、最も有名な作品といえる。フ
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