財布落とした　フォーー！

大晦日に財布を落とした

大晦日は広島にいた

実家があるわけではない

広島でイベントがあり

そのまま1/1までステイしてそれから東京の実家に行く予定だった

12/31

似島と言うところにイベントで知り合った

大學生と共に行った

似島は戦争の死体が何体も発掘された場所でついで言うとバームクーヘン発祥の地という

なんとも言えないところなのだ

円周約10kmのその島は

サイクリングには最適

ということで、フェリーで上陸と共にチャリを借りて

島を制覇するぞー！という謎の青春めいた気持ちで漕ぎ出すわけだわ

年末年始はとても楽しかった

イベントで新たな友達もでき

ラップすることもでき

その日は夜から宮島で初日の出を見る

なんで最高の年末なんだ

サイクリングをしている途中

自分にピンとくる場所を見つけたり

なぜか年末に1人で焚き火をしているおばちゃんと話したり

最高の年末

ここから帰って

知り合いと飲んで
宮島にいくかと

そう思い　チャリを返しに行ったところで気づいた

財布がナッシングTV!!!

わぉ！

とりあえず友人にお金を払ってもらい

バームクーヘンをバームクーヘンと同様のしっとり具合で齧りいただく

誰かが言っていた

まずは落ち着け　そこから策を考えるのだ

ここのバームクーヘン
ヨーグルトと一緒に食べたら旨いんちゃうか？

そんなことを考え

お互い食べ終わったあと

探しにいくか！！！と

運転免許の持っている友人は原付で
おれはチャリで別々の方向に向けて

一周しようと動き出す

ないなぁ

ケツポケットに入れた財布ちゃんは
寒さで感じにくくなったお尻から
抜け落ちてしまったんだ

おーーい

まてよこういう時は大地と共鳴するんだ

財布ちゃーーーーん

ないなぁ

そういえばこの財布はかぁちゃんが買ってくれたものだったな

クレジットカード全部
銀行のカード全部
健康保険証
運転免許証… いやいや持ってないから
原付乗れてへんやん
お金3万

いやデカすぎる！！！

チャリを漕いで

坂道を平地と同じ速度で登るため
倍の速度で漕ぐ

足はトレーニングジムにある電動チャリトレーニングマシーンで負荷を軽くしすぎた時並みに早く回る

ぶぶぶぶ！！！

反対側からやってきた原付友人と出会す

ないよ

ぴぇぇーん！！！

そしてとぼとぼと

チャリを借りたおじちゃんに報告しに行く

それは残念だったね

残念だよ！！！

物というのは人を可笑しくさせる

無くなった時に一時でも人に強く当たってしまったり

思ってもない　ネガティブなことを考えたりする
(友人は本気で探してくれてないんじゃないか
誰か盗んだんじゃないか？)

悲しいなぁ

でも一時はそう思うが

時は動いて止まらない

しっかりとクレジットカードを止める電話して

コールセンターのおねぇさんに

『良いお年を』と言えるくらい

僕の気持ちはHappyになっていく

たかが物なのだ

僕の信条を一つ教えよう

物、名誉、ルール、あらゆる形に執着しない
マインドにこだわれ

これよ！
やばない？

物は形尽きるのだ

そんなことより無一文になったとしても立ち上がれるマインドと経験さえあればなんだってできるのだ

楽観主義かつ現実主義の僕は

迷わず　進む

友人は稼ごう！　路上で！健太郎のラップならいけるよ！

この友人がいなければ
あの時僕はラップもしていないだろうし

お金も稼いでいないかもしれない

知り合いに1万かしてと適当なことを言っていたかもしれない

この友人に感謝である

僕たちは広島市行きのフェリーに乗り込み

有名な繁華街へと踊り出す

その時の曲はもちろん
ファンモンのちっぽけな勇気

俺たちはまだちっぽけでー

大声で歌いMVかのように見えていたに違いない

そしてもう1人イベントで知り合ったギタリストの友人を年末なのに俺たちのステージに呼び

拾った段ボールに
『財布落とした！一文無しライブ！！』
と書いて
3人で始める

そのステージは人が最も通ると言われる十字路の一角キャッチに向かって元気よく

第一声
財布落としましたー！！！
フォー！！！

頭おかしいね

ラップしたり

ギタリストにビートもらったりしながら

やっていると

最初のお客様は外人のお母さん　お父さん　7歳くらいの子供の3人家族

英語で

財布今日落としたんよ
で明日東京戻らんといけんのよ
だからおれのラップ見てちょうだい

訳がわからない

とまぁ
止まらせて

見てもらって

お母さんがもっともっとって言うから

躍りまくってたら

なんとかお捻り1000円ゲッチュ！！！

お母さんありがとう

愛してる

とまぁ外人はなかなか優しいわけね

言ったらMyBroと言って小銭くれる人もいたり

3人くらい霊が取り付いてんねん
20〜35歳くらいまで霊ハンターをしてたんだけど
霊は霊を怖がらない人には寄って来ないねん
だから15年一体も捕まらへんねんと言ってきた60才の僕よりもペロンチョな人に出会ったりしたり

繁華街を走り回ってた男の子に逆に僕が頑張ってってエールを送り続けてたら

仕事終わりにパンとか飲み物とか差し入れしてくれて
その彼女さんも一緒にいて千円くれたりしたら

4000円くらいになったわけ

たしかに！これでギリギリ東京までは帰れるかなー！ってなったわけ

なぜなら私、飛行機は既に取っていたから

広島空港に行く代金と今日の宿まで行くかねと羽田空港から実家に行くまでのお金は4000円くらいで多分足りるのよ

でも言うたでしょ

宮島行きたいねん

俺　水に纏わる神社で年越しして

今年は最高に修行するつもりで辛い一年にするぞ！って覚悟決めたかってん

だから
1万くらい有れば

友人にもお金返せるし
助かるなぁって

そんな風に思ってた矢先

夫婦が現れて
おっちゃんが

『お兄ちゃん頑張ってるな！
ところでサウナどこかわかるか！？』

キャッチのお兄さんとマイメンになってるおれは

『ちょっと待ってね！』

って言い　キャッチの人に聞きに行って
場所を確認して　

『そこのファミマを右に曲がればいけるよ！』と教えてあげた

そしたら

『ありがとう！　でなにやってるんや？』

あれこれ話して
で今、年末最も厄落とししている男がみんなの幸せを祈ってるから
俺に2人の幸せを祈らせてよ！

そうラップして2時間ぐらい経ったところから僕は人の幸せを祈るような人間になったのである

年末年の瀬
Happy New Year なわけで
こんなめでたい場所でみんな幸せになってほしい！！！
俺がみんなの代わりに厄落としているから！
その分幸せになれ！！！！
って謎の気持ちが出てきちゃってるから

途中でお金くれた人に
『なんでお前そんな幸せそうなん?笑』

って言われるんだ

そう俺は世界一幸せな男になっているわけなのだ！

みんなが幸せなら俺が幸せなのだ！

覇気を送る
〇〇様と〇〇様の幸せをお祈りいたしまして
2019〜最も厄を落とした男が〜
2020〜お二人が金メダルの様な輝きのある人生を送れますように〜(坊さんがお経を唱える様に良え声で)
はぁーーー！！！！！！！！！

カラスがいたら飛び立っているに違いない大声で叫び幸せになってほしい気持ちを伝える

お経が終わり肩で息をしていると

拍手が起こり

『本当に伝わったわ　ビリビリしてる』

よかったぁぁ！と思ったら

『であといくら欲しいんだ』

『1万円欲しいのであと5000円欲しいです』

『よっしゃ 出したる！』

『あざす！！！！！』

『安いよ！本当に伝わってるから』

帰り際におっちゃんが

『お前ら！　俺のことかもだと思ったらいけんど！　お前らの成長止まるぞ！』

そう言ってネオン街に消えていった背中はカッコ良かった

俺はこの財布を落としたことで多くのことを学んだ

まず人を幸せにする
give give give

そして出会いは奇跡

あの瞬間に僕と出会ってくれた人に感謝

例え通り過ぎただけだとしても感謝

財布に感謝

友人に感謝

一年で最も感謝して年を越すことが出来たこの出来事に感謝

僕の夢は
僕の渦に入ってきた人を幸せにすることだ

夢を見つけてくれたのはこの広島のおかげだ

ありがとう

このお礼を伝えに宮島まで行き

初日の出を見れた

それだけで十分だ

ありがとう

お金の使い方を変えようと人のためにお金を使う様になりました
お土産を5000円近く買ったり

友人におごったり

財布も新調し　緑色の3万円の物
懲りないねぇ

でもこう言うことでしょ？